身近に感じていた熱が離れたことに気づき、蘭世はゆっくりと目を開けた。

薄い闇の中、エアコンの小さな光が見える。重くてけだるい身体を起こそうとして、蘭世はようやく思い出す。

ゆっくりと沈んでいく二人の身体と、いつもよりうんと長くて激しいキスそして…

 

(きゃあ〜〜〜〜〜〜)

 

全てを思い出さなくても、鏡を見なくてもどれだけ自分の顔が赤いかわかる。

両手で頬を押さえようとして、自分の姿がどうなっているのかを見て、慌ててうつぶせになって脱ぎ散らかされていたパジャマを手探りでたぐり寄せる。

その手を阻むように、俊が蘭世の手首をつかむ。

 

「え…ちょっ…真壁くん!?」

 

蘭世の手首を掴んでいた手は、そのまま蘭世の細い首を辿り顎を強引に上へ向けさせる。

 

「きゃっ」

「なんで、服着ようとしてんだよ」

 

「なんでって…だって」

 

恥ずかしいからです。という言葉まで俊は待ってくれなかった。

 

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