原編成 第1・第2マンドリン、マンドラ、ギター
スコア 原編成と同じ
パート譜 第1・第2マンドリン、マンドラ、ギター、マンドロンチェロ、、マンドローネ
解説 作者はイタリアの作曲家。1871年モデナに生まれ、1960年に没した。14才から音楽を学び始め、ギター・マンドリンに関心を持つ。ペサロの音楽院でピアノと和声、対位法を学ぎ、卒業後はモデナのウンベルト一世吹奏楽団の指揮者に任命されるが、後にモデナ・マンドリン合奏団を創立する。1901年、ロディにおける国際マンドリン独奏コンクールの会長に推される。ボローニャの「イル・コンチェルト」誌を主幹するアルドラバンディの後を受けて、同誌主幹となり、イタリア・マンドリン界を啓蒙すると共に数多くのマンドリン曲を作曲した。和声に優れた作品が多く、1941年シエナでの作曲コンクールで受賞した「夏の庭」や「ノスタルジー」「静けき夜」などが知られる。
先年、イタリアでシルヴェストリのマンドリン曲作品集が刊行され、彼の作品や業績が再認識されてきている。
「花の薫り」は、1903年のイル・コンチェルト誌主催の作曲コンクールに銀賞を得て同年同誌から出版されたもので、「作品番号8」と記されている。中野二郎先生も『マンドリン古典合奏曲集(17)』に収録されるなど、わが国でも愛奏されている小品であるが、曲の流れなど、何か物足りない釈然としないものがあった。岡村光玉氏がイタリア留学中、シルヴェストリの遺族を尋ね、遺族から贈られたシルヴェストリの未出版自筆譜のなかの「花の薫り」(右ページ上段)と比べて、出版譜(右ページ下段)はトリオ部分が欠落していることなどが明らかとなった。しかし、イル・プレットロ誌の出版譜に若干の改訂が加えられるとともに、トリオ部分が何故省略されたのか疑問は残ったままである。
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