新人戦報告

今年の新人戦の感想などです。


新人戦講評

平成6年入学 桑江利彦

 桑江さんによる新人戦の講評です。
 今回の試合は平行棒の審判だったので、平行棒について他の大学の選手と比較しながら阪大の演技を振り返ってみたいと思います。
ちょっと厳し目の講評ですが、それだけ今後に期待しているということで理解してください。

 まず松下君に関しては特別要求も揃っており、2C入っているので価値点はそれなりにありますが、 け上がり開脚抜き倒立のバーへの接触、ツイスト倒立の角度などが大きく減点されたところでした。
この2つの技は共にC難度ということで難しいのですが、 要求にも関わっているのでもう少し実施をしっかりやってもらいたいと思います。
高望みを言わせてもらえば、松下君くらいのレベルになるとD難度があるかないかでかなり点数が変わってくるので (価値点だけで0.7もアップ!)、将来的にはそちらの方も狙って欲しいと思います。
たぶん横向きの中抜きから伸肘倒立が一番やりやすいでしょう。

 次に大坪君ですが、今の通しでは伸肘倒立やカットでB難度をとっています。
伸肘系の力が強いので松下君のところでも言いましたが横向きの単棒での伸肘倒立で今後難度を稼いではどうかという印象を受けました。
この技は大阪体育大学の選手を始め殆どと言ってもいい程上位の選手はやっています。
他のD難度、C難度の技に比べると安全な技ですし練習方法がわからないということもないので阪大でも十分練習していける筈です。
後、大坪君の演技ではどうしても特別要求がBカット1つということで、 価値点自体が低くなってしまい点が出せない状況なので、まずは特別要求3つともをしっかりとってもらいたいと思います。

 そして福田君ですが、特別要求としてけ上がりひねりとBカットの2つが入っているということで頑張っていると思います。
残りの支持系の要求は一番とりにくいと思いますが、まずはこれを何としても習得してもらいたいと思います。
技の練習と並行して止めるところは止める、動くところでは大きく動くという具合にメリハリのある演技ができると、 同じ内容でももっと印象点で点は出ると思います。

 後、大学から体操を始めた大坪君・福田君の2人に共通して言える事が幾つかあります。
 まず倒立がまだまだ弱いという印象を受けます。特に勢いのあるスイングをするとその勢いに負けてしまい倒立が止められないので、 わざと勢いを殺したスイングをしています。
勢いよく後ろで足を振り上げて、まず肩をはめて上半身の姿勢をつくり、それから下半身が乗ってくるというスイング倒立ができれば、 少々の勢いは肩で止められるので前には倒れません。
これは先程のメリハリのある演技ということにも繋がるのですが、 そういったスイング倒立ができるかどうかで印象がかなり変わってくると思います。
 それからこれは鉄棒にも言えるのですが、下り技をもっともっと重視した方がいいということです。
下り技は第4の特別要求ということで無いだけで文句なく0.4の減点です。あるいはそれ以上の減点があると思います。
というのも阪大レベルの演技を採点する際に入り技、中技、 下り技をちゃんと揃えて体操らしい演技ができているかという点がよく言われるからです。
ですからできるだけ早くまずはA難度でいいのでちゃんとした下り技を入れていくべきです。

 後、全体的な話で今後の試合でいかに勝つかという点で思ったことは、とにかく「技は10個入れろ」ということです。
今回の試合でも上位校とそれ以外の大学の選手では採点の仕方が異なっていました。
上位の選手は技数が7個くらいでも実施は5.00から始まりますが、阪大レベルの演技では技数が7個なら実施は3.50からという採点方法でした。
七帝戦くらいのレベルで勝つことを目標にするのなら後者の採点方法になると思いますので技数は絶対に10個要ります。
点数の上ではこれは特別要求よりも重要なことです。
 ですから、先程言った個々の技のことと同時に持ちネタとしての技をできるだけ この冬の間に増やしていくことが来年の好成績に繋がるものと思います。

 だらだらと注意ばかり書いてしまいましたが、全体として見れば、3人とも順調に上手くなっています。
怪我をすることなくこの調子で今後も練習を続けていければ、まだまだ成長できると思います。
僕もまだまだ成長するつもりなので、共に頑張りましょう。


1999・2000年度の試合結果

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