大阪市内・道路の上の「神木」めぐり


 私は、免許取りたての頃に大阪市内を車で走っていて、道路の真ん中に木が立っているのをちらっとみて、その後その場所がどこかわからず、どこだったかな、とずっと気になっていました。
 そうしているうちに、朝日新聞の1996年10月28日付け朝刊の「道路に残る樹の神々」という記事を見て、「あっ、探していたのはこれや!」と思いました。
 これらの木々は、戦災復興の区画整理や道路拡幅で道路上に来てしまうので一旦は切られそうになったものの、「木を切り倒そうとした人が、急死したり、病気になった」とか「木に巳さん(ヘビ)が巻き付いていたので、神が宿っているにちがいない」とかいう言い伝えで、残されてこのような形になっているようです。

 このページでは、朝日新聞の記事で紹介されたものを中心に、道路の上の「神木」をご紹介します。


○竜王大神
・大阪市北区野崎町8番(よみうりゴルフガーデンの北西隣)
 樹齢300年以上のイチョウの木で、本尊は龍神。昔から「巳さん」として親しまれてきたそうです。


○末広大明神
・大阪市中央区東平1丁目3番(ジョモのガソリンスタンドの西隣)
 イチョウの枯れ木で、1945年3月の大阪大空襲で焼けたが、道路拡幅のため切り倒そうとした人が急死し、たたりを恐れて残されたそうです。

なお、Google Mapのストリートビューを確認すると、2013年9月から2014年4月の間に撤去されたようです。


○楠木大神
・大阪市中央区谷町7丁目1番(谷町7丁目交差点東側)
 高さ15メートルほどの神木は既に枯れているが、脇にはほぼ同じ高さのクヌギが茂っている。戦前まで、神社境内だったとのことです。
 これとは関係ないのですが、北隣にある「六津井直線所」という作業所は、一瞬「?」と思ってしまうシュールなネーミングが光っています(ちなみに、金属の直線裁断をされているそうです)。


○榎木大明神
・大阪市中央区安堂寺町2丁目6番(松屋町交差点の東250メートル、ローソンの東隣)
 樹齢約650年というエンジュで、熊野参りや伊勢参りの街道筋にそびえることから、その目印となっていました。
 昭和20年の大阪大空襲の時には、猛火がこの樹のあたりでぴたりと止まったことから東側一帯が類焼を免れたことも、霊験のひとつとして伝えられているそうです。
 ここには、榎木大明神についての詳しい説明版があります。


○楠大神
・大阪市西区川口3丁目3番(川口3丁目交差点の東に200メートル、ダイケイの脇の交差点を北に入って一筋目の角)
 空襲で焼けた初代の楠はほこらの脇に切り株として残り、今は新しい楠とイチョウが並んでいます。


○白光大神
・大阪市中央区玉造2丁目7番付近(玉造稲荷神社から南へ約50m)
 玉造稲荷神社の正面入り口の真正面にあります。おそらく、「白光」ということは、白蛇をまつっているものと思われます。


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