No25



    <「草枕」変奏曲>
 〜 夏目漱石とグレン・グールド 〜
               横田庄一郎著



 カナダの天才ピアニスト グレン・グールドが15年にわたって愛読していた夏目漱石の小説「草枕」。
 The Three Cornered World Variation

バッハの「ゴールドベルク変奏曲」ではあまりに有名なあの刺激的なピアニスト、グールドは50歳で没するまで、漱石の「草枕」を「20世紀小説の最高傑作のひとつ」と評価し、愛読していた!!

 あの鬼才、変人扱いの天才と漱石の結びつきは本当に興味津々。





「草枕」グールド<世俗的な常識を打ち破る確固たる信念>を貫いた生涯に大きく関わり、芸術の本質な思索である桃源郷としての
<非人情の世界>に、グールドの共鳴の奥底があるとした。


グールドはコンサート活動が9年。後はスタジオ録音の専念し、あの音楽にのめり込んで歌う姿と、指揮者のように音楽を奏でる手の動き、表情等、彼の実像は無口な人間ではなく、多くを語っている。
であるだけに、自分の本心の周りに壁を巡らし、決して真実の内面を他人にのぞかせようとはしなかった。

漱石の文学も誰にも媚びようとしない自由の現れと評されている。

著者は、あの バッハの「ゴールドベルク変奏曲」はグールドのデビュー録音と晩年、彼にとっては珍しく再録音されている。同じバッハがあまりにも違っていることに戸惑いを覚えるがそこに、「草枕」がある・・・という。

そこで、「草枕」冒頭をご紹介します。
  (英語版も魅力!)          次に続く


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