|
2006 6月8日
生誕120年〜パリを魅了した異邦人
「藤田嗣治展」 ・・・京都国立近代美術館にて
< 会期 2006 5/30〜7/23>
「今、明かされる伝説の画家のすべて」という、サブタイトルにもあるように、2006年は藤田嗣治(レオナール・フジタ1886-1968)の生誕120年の記念回顧展が開催されています。
東京に続き京都でも、パリ時代から晩年に至る、約100点が公開され、波乱に満ちた生涯から、新たな藤田像の全貌を見せてくれます。
芸大卒業制作の自画像に始まり、パリ渡航直後の模索時代、そして「乳白色の肌」の美しさと独特の線描で芸術の都パリを魅了した、輝けるエコール・ド・パリ時代。その後、中南米への旅行を経て、日本へ帰国。写実性と量感が特徴的な二科展を中心とする日本時代と、再び日本を離れるきっかけとなった数々の戦争画。そして再びフランスへ戻り、晩年には子供や宗教主題を多く取り上げるなど、その画業の変遷はきわめて劇的なものがありました。 |
|

この展覧会の表紙になった「カフェにて」は2点並んで展示されていて、構図も人物もほぼ同じ。違うのは背景とモデルの髪色。黒髪と後から描かれたのはこの金髪・・・。
自画像も1936年のタバコをくわえ、くつろぐ様子が、当時の生活が垣間見れ、興味深い。
数々の戦争画も大作で、ピカソの「ゲルニカ」以上?の説得力があり、驚きと凄さを感じます。
また晩年の、かわいいフランスの子供の作品が、目を引きました。
水彩画のような繊細な色彩とデッサン、細部にいたる観察力と細かいディテールの美しさ、想像以上に素晴らしい作品で、画家としての評価が再認識される貴重な機会でした。
|
|