No13
モーツァルトイヤー<不況脱出?>

 モーツァルトばやりである。生誕250年の今年、テレビで特集が組まれ、関連本も大量に出版されている。モーツァルトとバブル経済との関係について、評論家の石井宏さんが興味深いことを書いている(「帝王から音楽マフィアまで」学研M文庫)。

 レコードの売り上げで、モーツァルトがベートーベンを抜いたのは、日本が経済成長を遂げ、飽食が話題になる昭和50年代だった。

それ以前のモーツァルトは、クラシック音楽の盟主ベートーベンより、はるかに格下で、子供の教材用の音楽とされていた。「苦悩を乗り越え歓喜へ」と唱えるクソまじめな理想主義者、ベートーベンが尊敬されたのは、日本人が貧乏でハングリー精神がみなぎっていた時代までだ。

一方、おしゃれなモーツァルトが受けるのは、金ピカな時代らしい。没後200年の1991年もモーツァルト・ブームの年だった。バブル経済の末期である。


 いま再びのブームは不況脱出の証拠なのか−−。ベートーベン派の私には、ちょっと面白くない。とは言っても、決して不景気を求めているわけではない。【大島透】

毎日新聞 2006年3月29日 西部夕刊


♪こんな記事を読みました。
音楽家や芸術家は<時代が受け入れらるか、で、作品価値を決められてしまう>という何とも「残酷?」な評価を受けるものである。

 先日もBSで画家「モディリアーニ」をテーマにした
 映画を見たが、最後のシーンは儲けたい画商が 、 お金に困りクロッキーを売りに出たまま倒れた モジリアーニの死を看取り、そのままそのことを知らせず、チャンスとばかり、顔色変えて多くの作品を自分のものに・・・。
  こういう心が痛む多くの歴史を知ることで、
 「売れる」ということは、何なのか?と考えて
 しまいます。
               3/30管理人
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