ジェロントロジー・高齢社会の人間学をテーマにしています     高齢者と会話
 
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    マーク  高齢者と話し合っていますと、多くのタイプがあることに気づきました。
       お互いに相手のことを考えて、双方が楽しい会話を心掛けたいと思います。
      お互いに別れた後で、ほのぼのとするような会話を・・・
                  イラスト    高齢者と会話

1)常に幸せを口に出す方

  高齢者の皆さまとお話しをしますと「子供のこと」「孫のこと」等々常に自慢をする方が
 多くいます。幸せな方なのでしょう。
 こちらは常に聞き役を務めますが、往々にして同じ話が多いのです。
 中には、子供のいない人、子供を亡くした人もいます。話の度に持ち出すのですが、
 そこは、適当と言うことを考えて欲しいものです。

  流石に夫の自慢をする人はあまりいません。長年一緒に暮らしてきた相棒です、少しくらい
 夫の話しで自慢して下さい。現状が、幸せですから、子供や孫の自慢ができるのです。
 あなたの相棒の自慢は恥ずかしいのでしょうか。

  常に愚痴と不幸せを話す人よりは数倍いいことですが、他人は、あなたと同じではありません。
 幸せの自慢競争になることもありますが、幸せは他人に比べるものではありません。
 小さくとも自分で幸せを感じることが大切で、それを感じ取る心は本当の幸せかも知れません。

  男性の方は、70歳以上にもなって昔の会社を自慢気に話す方がいます。
 男性が、近隣の付き合いが下手な原因の一つと言えるのではないでしょうか。
 楽しい話を待っています。


2)早くお迎えが来てほしいと話す方

  女性の方でいつお逢いしても亡くなられたご主人の話を始め、自分も早く行きたいと。
 でも日常の買い物などを見ていますと決して行きたいとは思われません。
 ご主人の自慢がしたいのでしょうか、話の種がないのでしょうか。
 ご主人の自慢をする方の殆どがご主人を亡くされた方です。

  向うの世界に行きたい方は決して行きたいとは言いません。もう少し楽しい話題が欲しいと
 思います。人間いつかは最期を迎えます。
  お迎えが来る前にしっかりと準備をしましょう。
 遺言書を書く、終の棲家を考えるなどなど、高齢者同士しか理解できない話題もたくさん
 あります。出来るだけ、健康寿命を延ばし、楽しいことを考えることにしましょう。

   これらのことを終活という人がいますが、私は大嫌いです。これらは生活の一部です。
 取り立てて終活等言わなくとも日常生活をしっかりと年相応に送ることが大切でしょう。
 急がなくともいつかは必ず迎えに来るのです。ゆっくりとこの世を楽しんでください。

  終活・婚活・就活……何でも 「活」 をつければいいと言うものではありません。

3)最近ボケてきたと何時も話す方

  いつお逢いしてもボケてきたと話し出す方がいます。厚生労働省発令により、「ぼけ」
 「痴ほう」と言う言葉から認知症と改められましたが、「ぼけ」は可愛いと思います。
 ボケてきたと言われる方の殆どがしっかりとしています。その方達は殆どの方が一人暮らし
 です。普段の寂しさか、一人での生活での心配か、話し相手を求めている方々にこの言葉を
 よく使う方がいるような気がします。人間は、最後は皆一人になる覚悟が必要です。

  認知症の心配より先にすべきことは、これから先の準備に気を遣って下さい。
 そうすることで学ぶこともたくさんあり、勉強会にも参加できます。人の中に行くことで
 友達もできることでしょう。同じ環境の人とも知り合いになれます。
 ボケ防止の一番の薬は、愚痴ることでなく、多くの人々と会話をし、お互いに笑顔で交流し、
 その中から自分のこれからの道を見つけ出すことだと考えます。
  
4)体調が悪く、万病を持ち歩いているような方

  いつお逢いしても体の不調を話す方がいます。長年生きてきたのです。
 どこか調子の悪いところが
あって当然ではないでしょうか。まるで病気のデパートのように。
 病院では、身体の悪いところを自慢そうに話している方も時々見受けられます。

  病気のことを色々と話されてもこちらは判らないのです。「そうですか」「大変ですね」
 としか言いようがありません。あまり楽しい話題ではないと思います。
 現状を話し「助けて」という気持ちを出せばいいと思われる方もいます。
 よく言えば心棒強いと言えるのですが、今医師にかかり治療に取り掛かればいいと思える
 ような方もいます。しかし、それをしない、医師にかからない方もいます。

  日常生活の中にも社会資源としていろいろな法律や施設があります。
 「助けて」という言葉は高齢期になれば決して恥ずかしい事ではありません。
 特にお一人で頑張っている高齢な方は・・・。
  

5)
日常生活の不安ばかり話す方

  子供に対する不満、子供の嫁に対する不満、日常生活の不満。不満を話すことが仕事のよう
 に思っているのではないかと思えるほど、何時お逢いしても不満を訴える方がいます。
 それで楽しいのでしょうか。不満を解消する手立てを少しは考えたり、人に知恵を貰ったりし
 て、楽しい話しに切り替えて下さい。
 そうすることで人々はあなたの周りに集まってきて何かいい解決方法をくれるかも知れません。

  常に不満を話しますと聴き手は面白くないのです。友達も離れてゆくのではないでしょうか。
 日常の不満に変えて、他人が聴いて楽しい話が出来るような日々の努力で。これからの人生は
 楽しい方向へ転換できるのではないでしょうか。

  この世は、考え方一つでいっぱい楽しいことがあります。
 いつかは…この世をさよならするために。楽しくて、健康的な日々を送りたいものです。


  
                        シニア ライフ アドバイザー 岡島貞雄
                                               


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