ジェロントロジー・高齢社会の人間学をテーマにしています     3分の1のすすめ
 
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           マーク  「3分の1のすすめ」

  後期高齢者となり、公的な役目は若者にお願いするようにしています。
 その意味からも家庭で過ごす時間が長くなりました。
  さて、家庭にいる時間が多くなり、妻の日々の仕事を見ていますととても
 出番がない様にさえ思えましたと同時に何かの役割がなければとも考えました。
          イラスト    いろいろな場面での3分の1

1)家庭の日々の中で

 
 1・家事と役割

    ボランティアとか社会貢献とか言って勉強会やら、会の運営に力を尽くすを言い訳に
   家事より逃げていたように思います。
   75歳を過ぎる頃より、会の運営は若者に、ボランティアも少し控えだしました。
   そのせいで家庭での時間が長くなりましたが、家庭内の仕事を見ていますと
   とても妻には太刀打ちできないことが判りました。

    それでは家庭内で居場所が無く、邪魔者となること明確と判断し、
   いろいろと考えてみました。
   先ず妻の仕事の手伝いを考え、自分に出来ることついて考えたり、試してみました。
   家事の仕事の30%位は受け持つことと結論に達しましたが、それがなかなかできない。
   現状では、5%位も覚束ないようです。30%を目標に頑張りたいと思っています。


  2・買い出し

   先ず最初に考えたことは、日々の食料の買い出しについてゆくこととしました。
  その訳は、荷物持ちです。まだまだ妻よりは力はあります。
  買い出しに行くことで、歩くこと、荷物を持つ運動が加わり、日常の運動代わりと
  なります。

   買い出しの様子を見ていますと、目で定め、値段を調べ、最終的に品物を選ぶ、
  とても私には出来ない相談です。買い物を頼まれますと一直線に品物の展示場所へ行き、
  目をつむって買い物かごに入れます。
   昔人間は、食べ物を選ぶことは気恥ずかしいのです。これだけでも真似はできません。
  でも、一緒に行き荷物を持つだけでも会話となり、家庭内とはまた違う会話ができます。
  妻から「ありがとう」と言われるとうれしいものです。
  今では、妻が一人で買い出しに行くと「今日はどうしたのですか、お一人で…」
  と言われるようです。
  
  3・料理

   私の出来る料理など知れたものです。上手に煽てられて少しですが手伝いをしています。
  先ず最初は、食事のあと始末です。これが、一番の手伝いかも知れません。
  料理ではないのですが、台所に入る習慣がつくと判断しました。
  今では、烏賊の刺身・果物の皮むきなど、これも5%程度ですが頑張っています。

   自慢できることもあります。母親が生存時に食欲がなくなった時があり、栄養補給の
  ために「肉ふりかけ」と「梅かつおぶし」を作りました。母も妻も喜んでくれました。
  特に「肉ふりかけ」は今でも自慢の創作料理と思っています。
  食欲のない高齢者には、時々プレゼントする時があり喜ばれています。

   妻が、病に倒れても安心出来る料理を身につけたいと考えています。
  いつになるか、相当長生きしなければ不可能です。
  その為には、肉や魚など美味しい食事が必要です。「マゴ二ハヤサシイヨ」を大切に
  しています。いろいろと自分に都合よく考えています。

  4・掃除

   掃除も中々難しい。先ず小さなことに気付くことが求められます。
  でも、やる気があれば比較的容易に馴染める作業の一つと思いますが、そのやる気が中々。
  先ず、エアコンのフィルターの掃除を始めました。元はエンジニアですから訳のない作業
  です。忘れたふりをしていますと妻が出来るようになりました。うかうかできません。

   掃除ではないのですが、ベランダの植木の水やりは担当しています。
  妻が、やっていることに対して観察し、手伝うを心掛けています。家庭内に於ける女性の
  仕事の大変さ、木目細かい作業の見習い中といったところでしょうか。
  やる気はあれど…ついついさぼり気がでてくるようです。頑張りましょうと独り言。

  これらの4つのことが30%出来るようになれば自分の居場所も決まることでしょう。
  しかし、後何年生きることができるでしょう。
    
    
2) 
NPOなど法人等の中で

  80歳をさかいにして、理事・役員を退きました。
 経験豊富な高齢者がいつまでも役を続けていますと、どうしても若者の発想の邪魔をして
 いると思うような場面に出会うことがあります。
 若者の自由闊達な意見を抑えては、会の運営の障害となると考えています。

  今では、聴かれたら、求められたら、頼まれたら、等々一歩下がった立ち位置です。
 ただ、完全に退くことは望みません。
 求められる場所で自分を生かして過ごしたいと思っています。

  現在は、以前に書きました「えんがわ クラブ」と同好者の勉強会を月1回実施しています。

タイトル  お仕舞には3分の3で

   棲家・医療・日々の暮らしについては、自分の意思で全て実行したいと考えています。
 しかし、意思能力や身体が不自由になれば、自分の意思通りに物事を運べるでしょうか。
 それは、到底無理と考えています。今から自分の意思をしっかりと伝えることが出来る人
 が必要でしょう。私の場合は、妻しかいません。妻も私しかいないでしょう。

  元気な今、しっかりと3分の1を卒業し、それ以上に上達し、楽しい日々を送ることが
 将来の自分の意思3分の3につながると思い、これからは、日々の生活を勉強しようと
 思っています。人間、最後は一人になる覚悟が必要でしょう。
 その為にも家事の勉強を遅まきながら頑張ります。


  
                        シニア ライフ アドバイザー 岡島貞雄
                                               


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