ジェロントロジー・高齢社会の人間学をテーマにしています     バス旅行

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        バス旅行 「高齢者とバス旅行」

  バス旅行にて、菖蒲園鑑賞旅行に参加しました。参加者は、殆どが70歳以上の方々
 でした。参加人数は44名でした。夫婦で、親子で、友達と、一人での参加等でした。
 その折に感じたことなどを述べてみます。
 

しょうぶの花 日帰りバス旅行は、07時30分より19時30分で少し疲れましたが、多くの方々と会話を交わし、
    菖蒲園鑑賞で心が爽やかに、また、人々との交流と楽しい会話のひと時を得ることができました。

     集合場所での集まりに於いて「おはよう」と挨拶ができた人、こちらから挨拶し、
     返答のあった人、バスに乗り込んでくるときに元気よく「お早う」と乗り込んでくる人、
     恥ずかしそうに黙って乗ってくる人など本当に人それぞれでした。
     平均年齢は想像ですが、70歳半ばと思います。


  リスト 一人で参加

   一人で参加した方は、すぐに仲良くなれる人、寡黙でしゃべらない人とに分かれました。朝の挨拶で
  元気よく挨拶された方は、やはり初めての人でも会話の始りが早いようでした。
 初対面ですから、話題も多く何故参加したのかとか、一人住まいで寂しいとか、日常生活までにも話しが
 発展していました。

  外に出る、他人と交流するということは、こころを開き豊かにするのではないでしょうか。
 一人で参加された方は、独居の方か、ご主人はいらっしゃるのか聴くこともできませんでしたが、
 ご主人(奥様)とご一緒なら…とも思いましたが、人それぞれでしょう。
  美しい花を見ても、美味しいご馳走を食べてもやはりひとりでは寂しいようです。
 初めての人とも仲良くなれる人は素晴らしい何かを持っているように感じました。

  リスト 夫婦での参加者

   夫婦で参加してていたのは私たちを含めて4組でした。常にご主人が窓側に座る夫婦、
 交互に席を変わる夫婦、奥様が常時窓側に座る夫婦など…面白い風景でした。よく観てみますと
 夫婦で楽しそうに会話をしている姿があまり目につきません。一人でさっさと行動するご主人。
 どうしてでしょう。
 せっかく旅行という、普段と違う環境でいっしょの時間を過ごしているのです。
 もう少し楽しそうな雰囲気があっても良いようにさえ思えました。

  私たちの年代(75~85歳位でした)は、人前で優しくとか、仲良くの表現はできないのでしょうか。
 長年暮らしてきたのです。もう少し、楽しく、優しさの表現を身につけますともっともっと楽しい
 旅行となるような気がします。
   
  リスト 友達との参加

   友達と5人位で参加しているグループがいましたが、その人達は、すべて女性の方々でした。
  会話も弾み、声も大きく、バスの空間をそれらの人々が仕切っていました。
 だんだんと声も大きくなり、日常生活の自慢、お土産物についての話しあい、
 これから行く先の知識の披露など実に楽しそうでした。
 もう少し、他の参加者もいると言うことを気にかけてもと・・・思いました。

  しかし、普段あまり会話がないような方もおり、
 おしゃべりはこころの体操として非常に有意義なことと思いました。
 そのグループには、他人の入る余地はありませんでした。
 

 リスト 親子での参加

  親子で参加しているのは、3組でしたが、全て母親と娘さんでした。
 優しい娘さんなのでしょう。お母様を気遣いお世話をしている姿を見ますと、
 思わずこちらまで笑顔になるような雰囲気が漂っていました。

  何故、息子と母親(又は父親)の参加者がいないのでしょうか。息子さんは仕事だと思いますが、
 休日でも同じような状況です。高齢期には娘さんにお世話になりたいと言う方が多くいますが、
 やはり娘さんでしょうか。

  しかし、よく考えてみますと娘さんも(息子も)夫が、妻がいれば2人でチームを組み、
 お互いの両親に優しくできると思います。
 私たち夫婦の経験では、どちらかの一人が優しくするよりは、
 夫婦仲良くチームを組み、二人でお世話することで、親は安心できる言って喜んでくれました。
、夫婦でお互いの親に優しくすることで、楽しい時間を共有し大きな喜びとなることでしょう。
 
 どちらの両親も二人の親です。夫婦で協力して双方の親と旅行など計画し実行できますようにと
 念じています。
 
 
  リスト 気になった会話

  バスの後ろの座席の4人組の会話が聞こえてきました。
 「年金の金額の話」「家族構成」「不動産・財産」・・・
 解放感からくる話題と思いますが、あまり丸裸になる話は良くないと思います。特に初めての人とは。
 振り込め詐欺等はどこから情報を入手しているか判らないと心配になりました。多くの人が聴いています。

  昼食後、一人寂しそうに長椅子に座っている女性に声を掛けました。
 その女性は、それから実によくしゃべってくれました。
 「夫の親と夫」を一生懸命に介護・看護し、看取ることができましたと誇らしげでした。
 そして一人ぽっちになったと言うことでしょうか。休憩の間約15分お話ししましたが、気分がほぐれた
 と喜んでくれました。「一生懸命に真面目に人に尽くしたあなたはこれからはきっと幸せが・・・」と
 
  その方が、認知症の心配をしていましたので…
 「あなたは、認知症の心配をする必要はありませんよ。時間を有効に楽しみ、美味しいものを規則正しく
 食べることで大丈夫ですよ」と言って離れましたが、その方が本当に安心なこころの情態で日々生活
 して下されば、今後の人生は、きっと幸せな日常がおくれることと思います。
 


                           シニア ライフ アドバイザー 岡島貞雄
                                               




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