ジェロントロジー・高齢社会の人間学をテーマにしています     独居高齢者の幸せとは

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   間の大切さ    “ 独居高齢者の幸せとは”
        内閣府が独居の65歳以上の方を対象に実施した意識調査より抜粋)

  高齢者の独居が増加しています。子供がいる65歳以上の方も独居を楽しんでいる方、
 寂しい日常を送っている方、いろいろな形態がありますが、
 内閣府の調査より、私なりの推測を交えて考えてみたいと思います。


   
 タイトル 意識調査による幸福度” (神戸新聞より)

    内閣府の調査より私なりの推測を交えて考えてみたいと思います。

   一人暮らしの高齢者(65歳以上)の幸福度を、内閣府が意識調査の結果を
  公表しています。
  男女で幸福度の違いが出ていますが、何故かを考えてみます。
  調査は昨年実施。2015年版高齢者社会白書に掲載される予定です。
  とても幸せを10点、とても不幸を0点として高齢者に聴き出した結果です。


 
1. 幸せ度

  10点と答えた女性は18% 男性は8.4%
  8点以上と答えた女性43.6% 男性22.7%、女性のほぼ半分。
  平均点で女性は6.96点 男性は5.83点で女性は男性を大きく上回っています。

 
 
 一人暮らしの高齢者が何故男女別でこれだけの幸せ度の違いが出るのでしょうか。

 2. 一緒にいてホッとする人
 
   子供がいる高齢者では、女性の58.8%、男性は34.0%の方が子供と回答。

  子供がいても男性は32.1%の方が、あてはまる人はいないと答えています。

  子供がいない男性は、当てはまる人がいないが、51.4%以上と答えています。
  子供がいない女性の場合は、兄弟姉妹・親類が33.8%、
  友人31.8%の割合となっています。女性は生活に弾力性があるということ
  でしょうか。


 
3. ちょっとした用事を頼む人

  
「頼りたいとは思わない」との回答が、子供がいる女性では、20.5%
  子供のいない女性では30.8%、男性は、子供の有無に関わらず
  半数を超えています。


 
4. 高齢期の至福について(私見による)

   多くの人に聴いてみました。その結果は、以下多くのことが出てきました。

 ・朝寝坊ができる事 ⇒ 特に定年直後の人
 ・素晴らしい笑顔の人と逢った時 ⇒ 仕事を離れて気の合う人との出会い
 ・一杯のお酒でほろ酔いとなれる時
 ・素晴らしい介護者と出会った時 ⇒ 体調がよくなくて早めに仕事を離れた人
 ・新しい知り合いと心が通じた時など ⇒ 高齢期になると中々友人はできない


 5. 1~ 4についての考察

 ・独居高齢者でも、そうでない高齢者でも、社会とかかわること

 ①幸せ度について、男性は、仕事人間から離れて地域社会に出てゆくことに
  とまどいがありますが、女性の場合は日常的生活の延長がそのまま続きます。

  男性が第2の人生と言っていますが、女性は第1とか第2とか区別する生活では
  ありません。
  男性が、定年を迎えたときにはすでに女性は地域社会に関わっています。

  男性は地域社会にデビューするためにある程度の勇気が必要です。
  現役時代に2~3枚の名刺が持てるように準備しておくことが、
  幸せ度の向上に結びつくと私は思います。
  定年後、家に引きこもりでは決して幸せ度は上昇しないでしょう。

  高齢期の至福を達成するためにも家を出て、何か社会貢献ができる事を見つけ
  る事が大切です。見つけるためには、ある程度時間をかけて学ぶ必要があります。
  そのためには努力をし、準備することが大切でしょう。

 ②一緒にいてホッとする人についても男女の差が出ています。
  女性は生活上手なうえに耐える力が男性より優れているように思われます。

 ③子供・親族・友人であれ、グループのなかではある程度耐える力が必要では
  ないでしょうか。会社や仕事場の上下関係に、長年耐えてきたのです。
  それが終了し、自分一人の世界となる人もいるように思えます。
  一緒にいてホッとできる人が近くにいれば、ちょっとした用事も頼める人もいる
  と言うことになります。

 ④私の経験からは、一人で何かするよりは、他人のために何かする、働いてみる
  ことができますと本当の至福を感じることができるのではないでしょうか。

  高齢者の至福は、社会貢献で楽しいことが実感できれば、朝寝坊もその他の至福
  も、感じることができるような気がします。
  何もせず朝寝坊や一杯のお酒では、楽しくもなんともなくだらだらとしたもの
  となります。

  特にお酒は量がいつの間にか増えています。これは、私の経験です。
  定年を迎えての朝寝坊も、お酒も楽しくない時が来ます。
  その時を感じ取ることができない人は、アルコール中毒やだらだら生活の泥沼と
  なるようです。

           ※        ※        ※

  人間は、何時かは介護する人から介護される人に、看取る人から看取られる人
 となります。
 上手にその時代時代を引き継いでゆきたいものです。

  男性の皆様、女性のお供でも妻のお供でいいのです。
 家を出て楽しみを見つけましょう。
 楽しいことを見つけることができましたら、幸せ度もすべての面で上昇すること
 でしょう。




                           シニア ライフ アドバイザー 岡島 貞雄
                               


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