画像を加工するー画像ファイルの管理

 分割後の画像ファイルには連番がついた状態です。でも、中世仏文学者にはこれは不便な状態です。というのも、写本は一枚目の表面、一枚目の裏面、二枚目 の表面、二枚目の裏面という具合に、頁を数えるからです。1 r°, 1 v°, 2 r°, 2 v°...といった具合です(r°はrecto=表, v°はverso=裏の略です)。

 連番のついた書類を、上記のやり方で改名してくれるような便利なソフトは、現在おそらく存在しません。仕方ないので、いずれ筆者が作ることになるでしょ う。今のところは、次のように処理しています。まず、偶数番号と奇数番号の画像を二つのフォルダに分類します。次に、FileManagerを立ち上げ、 奇数番号の画像が入ったフォルダをウィンドウにドラッグアンドドロップします。すると、そのフォルダ内の全ての書類の名称がリスト化されます。

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次に、「名称一括変更...」というボタンを押すと、隣に次のウィンドウが現れます(左)。

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 奇数番号のついた画像番号は、写本が裏面から開始していないかぎり、全てr°、つまり表ということになります。1, 3, 5, 7,...が1, 2, 3...となる必要がまずあります。この名称変更を行うには、新規連番を打ちます。これは、既存の書類名の順番に書類に連番の書類名をつける機能です。
 上右図の1の「連番の前の文字列」は、全書類に共通する名前です。図のように、msPと入力しておくと、msP001,msP002...などという風 に書類名が書き換えられます。
 2の「連番の初期値」には、かならず、半角の1を入力してください(入力を忘れると、連番が0から始まります)。 3の「書式」では、数字をフォーマッ トする0の数を選びます。000を選んだ場合、1は001、12は012, 333は333という具合に、数字がフォーマットされます。
 最後に4「OK」を押してください。すると、メインウィンドウが次のようになります。

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 上図の時点では、書類名は実際にはまだ書き換えられていません。それに、まだ、名前の修正は不十分です。番号の後に、r°をつけないといけません。た だ、°という文字は日本語フォントでは文字化けしますから、_rをつけることにしましょう。書類名の後ろに一括して、何かを書き加えるには、「04前後に 追加」という文字をクリックします。すると、サブウィンドウが次のように変化します。

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 「既存の書類名の後」の横のフィールドに付け加える文字列を書き込みます。左の図では、「_r.pict」としてあります。.pictはPICT形式の 画像ファイルにつける拡張子です。拡張子はMacOSX以前のMacユーザーにはあまりなじみがないものですが、これをつけておけば、何かと便利なことも 多いです。もちろん、つけなくても、MacOS9.2上で画像を扱う限りはなんら問題はありません。
 再度、OKを押すと、修正後アイテム名がさらに書き換えられ、msP001_r.pict, msP002_r.pict...などとなります。ここで安心しないでください。最後に必ず、Applyボタンを押してください。すると、ウィンドウの下 部のプログレスバーが作業の進行状況を表示します。

 実は、作業が終了しても、この左のサブウィンドウは閉じません。それどころか、作業が終了しましたよ、とさえ、告知しません。プログレスバーが右端まで いっぱいになったら、作業が終了していますから、キャンセルボタンを押して、ウィンドウを閉じてください。

 やれやれ、手間なことです。プログラムした張本人の筆者さえ、そう思うのですから、他のユーザーはさぞかし、じゃまくさく感じていることでしょう。もっ と便利なアプリケーションもあると思いますから、FileManagerのユーザー登録は急がないでください。

 なお、FileManagerはこれ以外にもいろいろな機能があって、たとえば、書類のフォルダ分類などもできるようになっているのですが、これ以上説 明する気力が筆者にはありません。後は、マニュアルをご覧ください。

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