写本の画像を加工するー画像の加工


画像の回転と白黒反転


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 上左図のように、読み込み直後の画像は、写本の見開き五枚分の画像が、一つながりになっています。また、フィルムがネガだった場合、図のように白黒も逆 転しています。

 Graphic Converterを使えば、上右図のように、PictureメニューのRotateで、90度単位の画像回転ができます。非常に大きな画像を操作するた め、回転に数秒待たされる場合もあります。白黒の反転は、同じPictureメニューのInvertを使います。

 なお、以上の作業は、Graphic Converterのバッチ機能を使って、全自動化することも可能ですが、Graphic Converterを使い慣れていないユーザーには難しすぎるので、ここでは紹介しません。興味のある人はGraphic Converterのマニュアルを読んで下さい。

画像の分割

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 Graphic Converterは選択箇所の保存が可能です。画像の一部を選択するには、上左図のように、ツールパレットの右上にある点線で四角形が描かれたボタンを 押し、マウスボタンを押したままで画像上をマウスポインタでなぞります。最初はうまく行かないかも知れませんが、すぐに慣れます。要は、選択したい部分を 覆う四角形の対角線を描くように、マウスポインタを動かせば良いのです(上左から二番目の図)。必要な部分を四角形で囲むことができたら、次に、File メニューのSave as(別名で保存)を選びます(下左図)。

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 最初の一枚目を保存するときに、次の三点に、注意してください。

 まず、分割した画像を入れるための新しいフォルダを作らねばなりません。さもないと、分割前の画像と分割後の画像が入り交じって非常にややこしいことに なります。
 次に、Fomatを選んでください。 PICTやTIFF形式なら面倒な手続きはいりません。JPEGは初心者にはお勧めできません。圧縮等のややこしい設定が必要になるからです。
 最後に、忘れずに、Save only selectionのラジオボタンを押してください。

 以上で、手続きは終わりです。後は、ひたすら、画像の一部を選択し、Save asします(キーボードショートカット=「シフト+コマンド+s」)。書類名称には必ず半角文字で連番をつけるようにしてください。画像の総数が9999 以下なら、0001, 0002....といった具合に、総数が999枚以下なら001, 002...などと、0をつけるのも忘れないようにしましょう。さもないと、1, 10, 11, 12, ...といった情けない順番で書類が並ぶことになります。

 なお、画像分割の際に、あまりきれいに頁を囲うのは考え物です。時間がかかるし、それに、不要な余白はどうしても入るものです。ハイクオリティな画像を 目指すのであれば、分割後にもう一度、画像を一枚ずつ開いて加工した方が、結局は時間の節約になります。

画像の補整

 分割後の画像は、まだ不要な余白があったり、傾いていたりします。あまり気にならない人は、ほっておいても良いでしょうが、筆者のように、気になる人 は、次の作業を行います。

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 傾き補正には、RotateのサブメニューのOther Value with Lineを使うのが、もっとも簡単です。上右図の、赤い四角形の傾きを補正するには、青い線のように、マウスを動かして、線を引きます。すると、線が画面 上で直立するように、画像の傾きが補正されます。補正により、画像幅などが大きくなった場合には、それにあわせて、画像サイズも補正されます。

 傾きを補正した場合、不要な余白が生じることは少なくありません。また、画像分割の際にも、それほど細かい選択はできないので(やろうと思えばできます が、画像を拡大するなど手間がかかります)、知らず知らず、余分な部分が入り込むものです。そうした余白を省く一番簡単な方法は、選択箇所の保存を使うこ とです。今度は、Save asではなく、Saveで保存を行います。すると、下のようなダイアローグが出ます。

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 既存の書類の一部だけを選択して保存しても良いのですか、と尋ねているのです。Saveは上書き保存ですから、選択箇所以外の部分も保存しなくて良いの か、と言うわけです。もちろん、構わないわけです。ですから、真ん中のSave Selectionボタンを押します。これで、不要部分は取り除けました。ただ、少しうっとうしいのは、選択箇所だけの保存で良いよ、と答えたのに、ウィ ンドウを閉じようとすると、「ウィンドウの内容を保存しますか」とまたしても尋ねられることです。そもそも、ウィンドウの内容は、不要部分が取り除かれた 状態ではなく、まだ、一部を選択した状態のままです。このあたり、Graphic Converterのバグかも知れないと、著者はにらんでいます。いずれにせよ、ここで間違えて、保存を行わないようにしてください。またしても、不要部 分の入った画像が、修正後の画像に上書き保存されてしまいます。


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