2007年5月下旬

2007-05-16「a woman of the world」
午前中バタバタと仕事片付け、昼から大阪へ会議に。
さすがに乗り換え3回はへこたれるなぁ。
途中昼飯。
昨日から絶対蕎麦を食うぞと思ってたのに、目先のうどん屋に入ってしまう。
結局ぶっかけうどん。
すぐ揺らいじゃうんだから。
そんなことより今日聴いてたのはlaura nyroのライブ盤「the loom's desire」。
94年のライブ音源。
ピアノと歌、女性コーラス。
実にシンプル。
昨日の「魂萌え!」じゃないが、大人の女性の強さと優しさを感じるな。
それは包容力だとか癒し(一時期よく“癒し系”なんて言葉があったが、そんなのは男が生み出したファンタジー。
願望でしかない。
結論、そんな奴イネーよ!ってとこだ。
いや、僕が出会った事無いだけか…)なんてものじゃない。
もっと厳しくて、もっと逞しくってハードボイルド。
毅然とした立ち姿にボーッと見とれるしかない。


2007-05-17「wild world」
今日もバタバタで疲れました。
が頑張りました。
なぜなら明日から香港旅行!
実に11年ぶりの海外旅行。
今回で3回目の海外旅行となるわけだが、なぜか香港2回目。
縁があるのだろう。
大体、僕は「香港顔」なのだ。
前に行った時は現地の人から道を聞かれること3回。
駅ではなぜか女子学生に「小銭が無いから両替して下さい」(広東語で)と頼まれたり、ガイドさんからも「アナタ、ホンコンジンニシカミエナイネ」と言われたもんだ。
そんな訳で行ってきま〜す


2007-05-20「香港ブルース」
とりあえず2泊3日の香港旅行から無事帰宅。
ほぼ雨…。
そんな訳で明日は仕事。
香港話はまた後日ということで。


2007-05-21「ホンコン・ナイト・サイト」
机の上に無造作に置かれた書類の山。
一気に日常に引き戻される。
実質1日、それも代休とっただけなのにここまで容赦ないと逆に痺れる。
でもさすがに今日は踏ん張りが効かない。
思考が停止してしまったので、仕事は明日じゃ、ボケッ!と残業もそこそこに帰宅。
で香港話をちょこちょこ書いていこうか。
題して「香港と私」。
まずはその1。
不思議と縁のある街、香港。
まずは父の話からになる。
僕が小さい頃、父はしょっちゅう中国に行っていた。
繊維会社に勤めていた父は、1960年代半ばから1980年頃まで年に1、2度1ヶ月ぐらいの長期出張で中国に行っていた。
まだ中国との国交が回復する前で、香港で下宿して中国に出向いていたんだと聞いた。
父にとっては思い出深い場所。
そして兄が香港へ転勤したのが3年程前。
ちょうどそれもあって、父は母と二人で香港旅行に出かけ懐かしい街を見て回った。
それが結果最後の海外旅行になった。
「次はさおり(僕の娘)を連れて行く」と何度となく父は言っていて、去年手術した後、その想いは大きくなっていったようだった。
元気になって正月にはみんなで香港へ。
それが父の大きな目標だった。
父の死後見つけた日記。
「定年日記」と題された日記は最後に入院する去年の12月まで休み休みではあるが綴られていて、そこにも「さおりを連れて香港に行きたい」と何度も書かれてあった。
で、まぁ、僕はと言うと、兄が住んでる間に一度は行こうと思いながら、会社休めないだのなんだの言いつつ機会を逃し続けていた。
でもその日記を読んで、お通夜の日になにがなんでも行こうと決めたのだ。
予定では兄が夏に香港生活を終え、日本に帰ってくることになっていたから、6月頃に行くつもりだったのだが、兄の帰国が早まり急いで日程を決めパスポートをとったという訳。
実は14年前に一度香港旅行はしている。
大学の卒業旅行。
なぜに香港?と当時も言われていたが、なんか行きたかったんだよね。
ディック・リーがプロデュースしたサンディ・ラムのアルバムをよく聴いていたし、香港映画にはまっていたからってのもある。
ジャッキー・チェン以降、ウォン・カーウァイ以前という中途半端な時期ではあったがサリー・イップやジョイ・ウォンなんて美人女優がいてね。
香港のあの洗練と猥雑が同居した感じに妙に惹かれたんだな。
そんな訳で、僕の海外初体験は香港。
現地人に道聞かれるぐらい香港に溶け込んだ。
で今回の旅の目的はもう一つ。
兄が香港人の彼女と正式に結婚することになった。
彼女は何度か兄が連れて帰ってきていたし、なんとか最後の最後に兄は結婚することを父に報告していた。
それは兄が結婚を決意した一つの要因でもあったんだろう。
父の葬儀の時にもいっしょに来てくれて、なれない日本で実によく動いてくれた。
兄について故郷を離れ、日本に来てくれるってんだから、それはもうこちらが挨拶に出向かなきゃいかんでしょうよ!ということで。
ここは一つ、弟としても先方のご家族に仁義切っとかないとね。
うーまだ初日に辿り着かないが、続きはまた明日。


2007-05-22「ミッキーマウスマーチ」
さて、それではサクサク行きますよ。
「香港と私」その2。
朝5時起床。
ほとんど寝られず。
どれだけ楽しみにしてるのだ、俺。
確かに家族の中で最もこの香港旅行を楽しみにしていたのは僕だろう。
ネットで香港情報を調べ、本屋でガイドブックを立ち読みし、実際に何度も香港旅行の夢を見てたんだから。
で6時過ぎの「はるか」に乗っていざ関空へ。
子供以上に興奮気味。
飛行機久々なんだもん。
関空で朝飯食べて、11時前のANA機で飛び立つ。
娘、初飛行機で大丈夫かなと思ったが、すっかり楽しんでる。
香港までは4時間。
まずはイヤホンつけて落語だ。
前の会社で営業してた頃は、月に2、3回出張があって飛行機にはよく乗っていた。
そこでいつも落語聞いてたなぁ。
ざこば師匠の「子は鎹」を雲の上で。
一眠りしようかと思ったが、映画上映が始まる。
ナンシー・メイヤーズ監督、キャメロン・ディアス主演「ホリディ」。
結局最後まで見てしまう。
実にマーケティングの行き届いたロマンティックな映画。
婦女子みなウットリってところか。
それにしても吹き替えで見てたのだが、ジュード・ロウが「ンあぁ、ンあぁ」と相槌を打つたびに、なだぎ扮するディランが思い出される。
もうなんだったら友近、なだぎで全部吹き替えちゃって欲しい。
ハリウッド映画は、「字幕版」「吹き替え版」「なだぎ・友近版」と3種出していくべき。
でまずい機内食食べて(それにしても機内食はまだ頑張れるだろう。
いや、不利な状態なのはわかるけど、まだ頑張れるって!)ついに香港到着だ。
時差は1時間で現地時間2時到着。
2時間前にシンガポール出張から帰ってきたばかりの兄と、心強い香港人の兄嫁さんが迎えに来てくれている。
馬鹿でかい香港空港。
気持ちが盛り上がるなぁ。
空港から出ると外は気温35度。
肌にまとわりつく湿気を帯びた熱い空気。
これぞ、香港でんなぁ。
母は兄嫁さんと買い物へ。
僕ら家族は兄といっしょに香港ディズニーランドへ。
実はディズニーランド初体験。
現地ではあまり評判が良くないそうだが、確かに人は少ない。
それでもやっぱり華やかで楽しい。
娘も初ディズニーランドで喜んでる。
ちょうど「パイレーツ・オブ・カリビアン」公開ということでアジア人丸出しのジャック・スパロウが。
それはそれでまた味があってよろしい。
アトラクションも長くて10分も待てばサクサク乗れる。
ジャングルクルーズにプーさん、トイストーリーとかって言っても、ひらかたパークより狭いかもというサイズなので半日もあればあっさり回れる。
一通り回って、娘もミッキーやプーさんと写真撮ってというところで天気が急転。
めちゃめちゃ天気良かったのに、一気に尋常じゃないほどの土砂降り。
逃げるようにタクシーで、兄が予約してくれているレストランへ。
チムサァチョイの海鮮中華レストラン。
母、兄嫁と合流し食事。
シャコの揚げたのとか、ロブスターのチーズ炒めとか青島ビール飲みつつ、コッテリたっぷり。
なかなか美味しい。
但し、鳥の唐揚げは「王将」の方が数倍美味いが。
さすがに娘疲れ切って、チャーハン食べながらコテッと寝てしまった。
ま、デザートのパイナップルとメロンはしっかり食べてたが。
でそこから歩いて数分、兄の住む超高層マンションへ。
70階建ての35階の部屋。
スゲー綺麗でやんの。
俺がここに1年ぐらい住みたいよ。
でマンション隣のホテルにチェックイン。
それにしても長い1日だったなぁ。
テレビはNHK衛星が映る。
ちょうどやってたラーメンズのライブ「テキスト」見ながら就寝。
そんな訳で1日目はこんな感じで。


2007-05-23「スィート・ビター・キャンディー」
さて香港話、今日はお休み。
で今日はというと昼から仕事サボッて大阪まで。
三谷幸喜作「コンフィダント・絆」観る。
舞台は19世紀末のパリ。
ゴッホ、ゴーギャン、スーラ、そしてシュフネッケル。
4人の画家が過ごした時間が切り取られている。
大爆笑巨編でも大感動作でもない。
が、ただ「いい」作品だった。
喜劇でも悲劇でもない、そうこれは「人間ドラマ」。
ちょっとほろ苦い人間ドラマ。
「笑い」が手段でも目的でもなく、もっと物語の中で血肉化してる。
泣きながら笑うような、混沌とした感情。
実際、何度も泣きながら笑わされた。
伏線に次ぐ伏線、ドキドキハラハラする展開、そしてそれが見事に完結していく爽快感-三谷幸喜作品の印象だが、今作は違う。
でもとても三谷幸喜らしい作品とも思う。
脚本、演出、その語り口の巧さ、テクニックは十分あった上で、さらにその先で感情を揺さぶる普遍的な物語がそこにある。こんな感想も実際は後付けで、休憩挟んで2時間40分の間、僕はずっとその物語の中に居た。
彼らの言葉の一つ一つに笑わされ感情が揺れていくのがわかった。
帰りの電車の中でも、いろいろ考えちゃったな。
愛情と憎しみ、本当と嘘、光と影、混沌と混ざり合う様々な感情、それはどこからやってきてどこに行くのか。
なんつってね。
でもこのビタースィートな感じに僕はやたら弱いのだ。
で特筆しときたいのは紅一点、堀内敬子さんの歌。
彼女の歌の説得力に自然と涙が込み上げてきた。
これには参った。
素晴らしかったな。


2007-05-24「MOVING THE RIVER」
「コンフィダント・絆」に揺らされた感情がまだ収まらない。
そういえば僕も昔、絵を描いていたっけ。
子供の頃から、スポーツ嫌いで人見知り、内気でひ弱だったから、いつも家で絵ばかり描いていた。
「上手だねぇ」と褒められて、またその気になって描く。
小学生の時、何度か賞をもらった。
クラスの人気者ってわけでもなく、いじめられっ子でもない、その他大勢のパッとしない子供だった僕は図工の時だけはちょっと一目置かれるようになった。
近くの絵画教室に通わせて貰って描き続けた。
ずっと好きで描いてたけど、特にそっちの道に進もうなんて大それたことは考えられなかった。
大学までエスカレーター式に入れる私立の高校に受かってからも結局絵は描き続けていて、高三になって美大を受けようと思った。
その高校で美大を受験する奴なんか僕しかいなかったけど。
好きな絵を描いて生活する-そんな淡い夢がふとよぎった。
好きに描いてただけだった絵画教室でも受験向けにシフトし、美術予備校の夏期講習を受けたりしてみた。
毎日、毎日画用紙に向かう。
デッサン、デザイン…。
でもその一年は…ひどく辛かった。
描けば描くほど自分の絵には何もなかった。
技術でそれなりに描くことは出来ても、おもしろくない絵ばかりが出来上がってくる。
自分には才能が無いと思い知った。
ちょっと器用なだけ。
ずば抜けた技術もなければ、ほとばしるアイデアもない。
好きな絵を描いて生活する-そんな淡い夢は微塵にも消え去った。
そして受験は失敗し、僕は何事も無かったようにエスカレーターに乗って大学に進んだ。
経済学部だって、本当にパッとしない。
進学を蹴って浪人してまで美大を目指すという選択は僕には出来なかった。
結局、その程度の思いだったんだろう。
それ以来、絵は描いていない。
挫折なんて言葉も勿体無い。
なんてことのない話。
街灯に群がる虫、一匹がポトリと落ちただけ。
選ばれなかった男。
才能の無い男は今日も客席に座っている。
本当につまらない話。


2007-05-25「北京ダック」
間が空いちゃったけど、「香港と私」その3。
香港二日目。
昨日は疲れたから今日は少しゆっくり寝てようと目覚まし8時に合わせてたのに、7時前にはバッチリ目、覚めてやんの。
ホテルの窓から外を見る。
眼下には九龍公園。
おぉ、いたるところで太極拳やってるよ。
公園の中にはプールがあって、まだ7時前だというのに既に賑わってる。
居ても立ってもいられなくなり、妻を起して散歩に行く。
九龍公園を抜け、ネイザンロードを真っ直ぐに。
道端に新聞や本を売る露天、近代的な高層ビルと汚れた路地、颯爽と歩く眼鏡をかけたカッコイイ女性、ダラダラと歩く短パンにランニングの親父、走り去る2階建てバス、狭い街の中に詰まってる。
いつまでも歩いてたいな。
でホテルに戻り、母と娘、迎えに来てくれた兄夫婦と合流。
チャーリーブラウン・カフェでモーニング。
チャーリーブラウン・カフェはスヌーピー好きの香港人オーナーが正規にライセンスを取り付けてオープンしたというカフェで香港にしかまだないのだとか。
ガイドブックにはまだほとんど載ってないのだが、たまたまネットで見つけた。
妻と娘はスヌーピー大好きなので、事前に兄に店を探しといてもらたのだ。
都合よくホテルから歩いて数分、みなでワイワイとモーニング。
ま、モーニングはなんてことないのだけど、細部まで凝った店内はなかなかかわいい。
妻も娘も喜んでくれたようだ。
お土産にケーキを買って一旦兄のマンションへ。
でそこから今日はオーシャンパークへ出かける。
30年の歴史を持つ香港老舗のテーマパーク。
「香港人は誰もディズニーランドへは行かない。オーシャンパークに行く」とは香港人である兄嫁の弁。
地下鉄とバス乗り継いで香港島のオーシャンパークへ。
動物園と水族館と遊園地がごっちゃになった施設。
山二つ分でとにかく広い。
30年の歴史を誇るだけあって…作りは古い。
ゲートをくぐってひたすら長いエスカレーターを乗り継ぎ、頂上の水族館ゾーンへ。
ここもガイドブックにはほとんど載ってないのだけど、こまめに調べて(どれだけ楽しみにしてたのだ、俺よ)最近1500匹のクラゲがいるクラゲ館が出来たと知った。
これ観たかったんだよねぇ。
真っ暗な館内、照明の色が変わり水槽のクラゲが幻想的に浮かび上がる。
いいねぇ。
いろいろ水槽見て回って次は動物園ゾーンへ。
その移動のケーブルカーがえげつない。
山から山へ10分近い空の移動。
レパルス・ベイを眼下にケーブルカーは進む。
高所恐怖症の母はずっと目を閉じたままだ。
でやっと到着。
ここでパンダだ!
パンダまだ見たことないんだよねぇ。
と探すもパンダ館見つからず。
聞いてみると現在工事中で7月までお休みだって!
えぇ〜と言ってるうちに雨が降り出す。
ポツポツと振り出したかと思うと一気に土砂降り。
今日もかよっ!
逃げるようにバスに乗って帰る。
兄のマンションに戻って朝買ったケーキ食べる。
どこにいてもケーキは美味い。
それにしても雨、尋常じゃない降り方なんだもん。
一旦ホテルに戻るもとても外歩こうという気がしない。
ここまで降るとキツイなぁ。
ホテル前の道、川みたくなっちゃってるよ。
でしばしホテルで待機。
夜。
ここからが今回の旅のメインイベント。
兄嫁家族との会食。
結婚式はあげないとのことなのでこれがまぁその代わり。
まさか外国に親戚ができることになるとはなぁ。
地元の人に人気だという北京料理店。
Mr.Booが出てきそうな店。
兄嫁さんのご両親、お兄さん夫婦とその息子さんと対面。
こっちは広東語わかるはずもなく、向こうも日本語わかるはずもない。
とりあえず持ってったお土産渡して、逆にお土産貰って、こうなんつーか顔で会話。
ひたすら顔で会話するしかないね、これは。
で料理が凄い。
もう山ほど出てくる。
フカヒレスープに北京ダック、ナマコやらもう山ほど。
向こうのお父さんがしきりに勧めてくれる。
言葉が通じない分、こっちは勧められたら食うのだ。
でもやたら口に合うな。
イチイチ美味い!
とりあえずお互い言葉通じないまま顔で会話でなんとか無事終了。
これからもよろしくってことで握手して解散。
その後、母のリクエストで女人街へ。
服やアクセサリーを売る露天街。
小雨が降る中、ぶらぶらと。
でホテル戻ってさすがに今日はすぐ就寝。
で翌朝もばっちり7時起床。
が朝から大雨だよ。
今日は少し街歩きしたかったんだけどな。
チェックアウトして兄のマンションで荷物を片付けてから、みんなで飲茶。
香港の人たちは日曜の朝は飲茶なんだとか。
確かに広い店内は一杯。
みんな新聞広げつつ飲茶を楽しんでる。
しかしメニュー見てもさっぱりわからん。
兄嫁さんがさっさと見繕って注文してくれる。
まずはお粥。
おぉ美味いぞ!
シューマイにエビ餃子、ゴマ団子に焼豚まんやらいろいろと。
これまた美味い。
で、6人で腹一杯食べて3000円ほどってんだから安い。
とりあえず食べることに専念したような旅になったな。
帰りの時間まであとわずか。
少し散歩するもやっぱり大雨。
そして帰りの時間。
お土産物買う時間なかったな。
空港で買おうと思いつつ、着いたらそんな時間もないや。
あーもう2、3週間居たいなぁなんていや後1日でもいいから。
そして雨の香港に別れを告げる。
香港かぁ。
また行くことあるかなぁ。
っつーか海外旅行なんてこの先行けるのか。


2007-05-26「峠の我が家」
昨日は久々に夜更かし。
貰い物の梅酒をロックでチビチビ飲みながらダラダラと過ごす。
松本人志が表紙の「Cut」誌と、北野武が表紙の「映画秘宝」を読む。
僕らの世代は結局この二人から逃れられない。
ここんとこ聴いてるのはPREFAB SPROUT「STEVE McQUEEN」。
この前出た2枚組の再発盤。
1枚はPaddy McAloonによる新録アコースティックバーション。
ある時期から「洋楽まで追っかけるのムリ」と邦楽一本に絞ったのだけど、PREFAB SPROUTは高校生の時から聴き続けてる。
オリジナルも新録もちょっと胸が熱くなるぜ。
完璧主義のロマンティスト、Paddy McAloon若き日の面構えがいい。
貯まったHDDもチェック。
古田新太と生瀬勝久のシットコム「ホレゆけ!スタァ大作戦」はいまだ面白いのか判断に苦しむ。
初回はサッパリだったが、長谷川京子がセーラー服で登場した2回目などはわりと面白かった。
ま、古田新太のトーク部分だけでいいんじゃないのかとも思いはじめたが。
それにしても読売テレビと関西サブカル〜小演劇シーンとの繋がりは長い歴史がある。
「どんぶり5656」から始まり「なげやり倶楽部」(中島らも司会、ダウンタウンもコントをやってた)、「テレビ広辞苑」とかね。
懐かしいなぁ。
ネット徘徊するとやはり話題は「HAS」。
去年細野さん観た時は生きてて良かったと思ったけど、YMOには実はあまり思い入れない。
僕はもう完全にYMOに乗り遅れてる。
愛聴してたのは「浮気なぼくら」ぐらいだし。
YMOチルドレン、ノンスタンダードレーベルのShi-Shonenやピチカートが僕にとってのテクノで、YMOよりムーンライダーズだったからね。
前述の通り、細野さんは大好きだし、高橋幸宏もよく聴いてたけど、ハッキリ言うと坂本龍一、よくわかんねーんだ。
いや、アレンジ仕事とかもちろん素晴らしいと思うし、アルバムも何枚か持ってるんだけど、そこまで入れ込めないんだよね。
ま、好みの問題ですかね。
で今日。
妻はバイト、娘は遊びに出かけたので引き続きHDDチェック。
「アメトーーク」(プレゼン企画。品川の小狡さはそれはそれで有りなような気がしてきた)、「時効警察」(小出早織ちゃんがやけにかわいく思えてきたぜ…)、「太田光の私が総理大臣になったら〜」(太田光にこそナンセンスでカラカラに乾いたコメディー作ってもらいたいんだけどな。
SFものでブラックでシニカルなの。
僕がプロデューサーなら爆笑問題主演で藤子F不二雄の「モジャ公」を映画化したい)。
午後から皆で実家へ。
晩御飯をいっしょに食べる。
母、膝がちょっと痛いんだと階段上り辛そうにしてる。
母と父は10歳違いで、結婚も早く若くで僕らを生んでるから、なんとなく母は若くて元気って思い込んでるとこがあるんだけど、もう60だもんな。
ゆっくりしとけと言ってもゆっくりできない人だとは重々承知してるが、無理はしないで欲しいよ。
で月曜には兄夫妻が帰国。
この家も少し賑やかになるだろう。
去年の終りから毎週のように帰ってたが、これで一先ず役目は終りかな。
これからは母が息抜きに大津に遊びに来ればいい。


2007-05-27「apple tree」
昨日も夜更かししちゃったなぁ。
で今日は寝坊。
妻と娘はご近所さん達と遊びに行ったので、1日ダラダラ。
DVD「音楽のちから」をやっと観たり(感想は後日)、部屋をちょっと掃除したり、昼からは「横丁〜」「マルコポロリ」「たかじんの〜」とひたすらテレビ。
HDDチェックは「ガキの使い〜」(随分前のオーディションネタ、ブラマヨ小杉おもろ)など。
で夕方京都へ出てライブ。
さかな@shin-bi。
2時間たっぷり、さかな。
相変わらずPocopenさん、かわいくてカッコイイ。
西脇さんとの息が合ってて、でもスリリングなギターの絡みッぷりに痺れる。
素晴らしいライブで大満足。
詳しくは明日にでも!


2007-05-28「言葉」
さて、今日は会社帰りにまた映画。
友達に只券もらったんでついフラフラと。
平山秀幸監督「しゃべれどもしゃべれども」観る。
なかなかに心優しき映画。
ぐわっと心揺さぶられるタイプの映画じゃないけど、今のコンディションにはちょうど良かった。
人の優しさに飢えきってる今日この頃。
なんて、それはまた別の話。
で映画は国分太一演じる二つ目の落語家がひょんなことから落語教室を開くことになったところから始まる。
無愛想な美女、喋れない野球解説者、大阪弁の少年。落語を通じてときほぐされていく心…てなお話。
嫌味のない国分太一は好演。
ラスト近くで聞かせる若々しい「火焔太鼓」はなかなかのもの。
でもなんつっても新宿末廣亭で、師匠役の伊東四朗が演じる「火焔太鼓」が味わい深くて最高。
さすが四朗さん、江戸前の喋りに嘘がない。
フルバージョン聞きたい!
子役の子が演じる枝雀師匠完コピの「まんじゅうこわい」もかわいかった。
それとゆっくりと映し出される東京の風景がいい。
また東京行きたいなぁ〜なんつってね。
でもなんでしょうねぇ僕も喋り下手だし、言葉でのコミュニケーションってつくづく難しいっすねぇ。
気持ちってもやっぱり胸に秘めてるだけでは何も伝わらないもんだからね。
もうそれはこの36年で痛感してる。
でも言葉にすれば終わってしまうこともあったりなかったり、むにゃむにゃと…。
ま、どっちにしろこう難しいもんです。
しゃべれども、しゃべれども…。


2007-05-29「mr.love singer」
さて、1日空いちゃったが、さかなのライブ話。
四条烏丸、駅から直結のイベントスペースshin-biが会場。
開場10分ほど前に着くと既にめんちかつさんの姿。
shin-biは音楽専門のハコではないが、程よい大きさでさかなの音楽にはちょうどいいかも。
舞台と客席が同じ高さ。
二つの椅子とアンプとスピーカー。
開演時間が来て、二人が後ろから登場する。
なにげなくチューニングして、曲が始まる。
一音出ただけでもう「さかな」の音。
ベース音を中心に音の土台を作り上げていくpocopenさんのギター。
カツカツと足でリズムを刻みながら、誰にも似ていないブルースでソウルな歌声が響く。
西脇さんのギターが繊細に彩りを添えていく。
二人のギターの掛け合い。
これがもう絶品。
二つのギター、それだけでここまで豊かな音楽になる。
二人の後ろは真っ白な壁だったんだけど、曲が変わるたびにそこに様々な景色が浮かび上がっていくよう。
何気ない街の風景。
二人の音楽には嘘がない。
新旧織り交ぜた曲がちょっと呑気なMCを挟みつつ次々に演奏されていく。
たっぷり2時間。
豊かな時間だったなぁ。
なんだろう、やっぱりいいんだよな。
うん、いいとしか思えない。
よく言われる。
君の(音楽の)趣味はマニアックで誰も求めちゃいないものだ。
多くの人は売れる音楽が好きなのだ。
売れる音楽?それは売れてる音楽のことだよ。
お金かけて大量生産して一気にみんなが買って、カラオケで歌って、2週間後にはブックオフで100円で売られてる。
それがみんなが大好きな音楽。
音楽の作り手、送り手がそう言う。
言いすぎでしょって思うかもしれない。
僕は業界の隅っこに居て、残念だけど本当にそう言われてる。
でもやっぱりどうしても僕にはそうは思えない。
ここにある音楽が、悪い音楽だとはとても思えないのだ。
小さくて、でも豊かな音楽がここにあって、心に響いている。
どうしたら伝わるかな。
そればかり考えてる。
僕の声はとても小さいが、それでも叫ばずにはいられない。


2007-05-30「黒く塗れ」
朝から冷たい雨。
今日はバス通勤。
月末。
黙々と仕事。
でもあんまり忙しくない。
右から左へ受け流すぅような仕事ぶり。
気分をすかっと変えたいのだが…。
残業もそこそこに退社。
雨は止んでるが、ビルの向こうに閃光が走る。
雷。
自殺した政治家。
まずはご冥福を祈ろう。
とりあえずはだ。
どこかの知事が「侍だ」と言った。
違うよ。
何一つ責任とってないじゃないか。
どこかで誰かがほくそえんでいる。
汚ねーなぁ。
死んでまで隠さなきゃいけない「本当」がどこかにあるんだな。
美しい国の醜い政治家。
こんな俺でも一言言いたくなるぜ。


2007-05-31「脱走ブルース」
いきなり宣伝しちゃいましょう。
西村哲也さんの新作「ハンナと怪物達」が[コチラ]で発売中です!
ちょっと出遅れちゃいましたが昨日「正規盤」が我が家にも届きました。
いやー名盤です。
西村さんの様々な面、ギタリストであり、コンポーザーであり詩人であり、ヴォーカリストであり…が堪能できます。
ユーモアとハードボイルド、大人の男が生きてきた時間。
アコースティックギターの音に浮かぶ荒野。
記憶の奥に置いてきた景色が映し出される。
「ひまわり」や「夢の禁じられた遊び」なんて曲は、映画を見てるような気分になる。
このアルバムについては多分これからも聴き続けるだろう。
そしてしつこいぐらいに書いていくだろう。
そう小さな声で叫ばしてもらおう。
で腹減らして帰ったら、晩御飯はししゃもと冷奴だけだった。
…朝御飯かっ!いや、ししゃも好きだからいいんだけどね。


2007年6月上旬の日記へ


今あなたがご覧になっているHPは「OFF! 音楽と笑いの日々」です。
引き続きお楽しみ下さい。