2006年11月下旬

2006-11-16「横浜たそがれ」
昨日、今日と出張で横浜。
まずは昨日の話。
とにかく気持ちのいい天気。
久々の出張でちょっと楽し。
京都駅でおやつ用に阿闍梨餅を買って新幹線に乗り込む。
ムーンライダーズ「MOON OVER the ROSEBUD」をじっくり聴く。
うん、こりゃ名盤だ。
で軽く寝て、横浜ということなので柳家喬太郎師匠の名作「純情日記横浜編」を聞く。
新幹線で聞く落語は落ち着いていいんだよねぇ。
天気もいいので富士山がきれいに見える。
こりゃ気持ちいい。
で新横浜着。
前の会社にいた頃はよく来ていた。
新横浜駅近くのレンタカー屋で車借りて、そこから3日間とか4日間とか神奈川県中を走り回って営業していたもんだ。
懐かしいけど、戻りたくない…。
新横浜駅は大改装中で、よく行っていたとんかつ屋とかもなくなってしまっていて残念。
で新横浜プリンスホテルでの同業者が集まる年に一度の全国会議に出席。
午後2本の講演をみっちり聞いて、夜は懇親会。
社交性0なので、なかなかこういうのは苦手なんだが、まぁそれなりに僕も大人になった。
その後はホテル最上階のバーで二次会。
滋賀では見れない夜景を見つつ、皆でワイワイと。
後は部屋に戻って寝るだけ。
シャワー浴びて浴衣に着替えてぼんやりテレビ。
韓国チャンネルってのがあって、よくわからない韓国のゲームバラエティ番組を見る。
意外におもしろい。
韓国のバラエティも日本と同じで笑いどころは字幕が出るんだな。
で就寝。
で今朝。
ホテルの朝食ってだけでテンションあがる。
和洋折衷というか和洋混沌とした朝食をモリモリ食べる。
貧乏性というか貧乏だから、あれもこれも皿に載せちゃう。
ご飯食ってんのにパン持ってきちゃうとかね。
で午前中は会議。
いろいろ意見交換などなど。
それからバスに乗せられ中華街へ。
重慶飯店で昼食。
うぅ、美味い。
ここでもモリモリ食べる。
その後、放送ライブラリーで軽くオリエンテーション、一通り案内してもらって終了。
そのまま帰ってもいいのだが、折角放送ライブラリーまできたのだから居残る。
「堺正章」で検索して「カックラキン大放送」を視聴室で観る。
残念ながら末期の放送分で五郎じゃなくてトシちゃんのだった。
ゲストに出てたのがデビュー当時のバブルガムブラザーズ。
伊藤銀次作曲の超名曲「忘れじのエブリナイト」(シングル持ってます!はっきりいって「Won't Be Long」の1000倍名曲。最近なんかよくわからない人たちがカバーしてるが、ギャグじゃなくマジでやってることに驚く。あの曲はなんつーかな、ブラザー・コンがベタをテーマに歌謡ディスコというかザ・ゲーノーカイ的なうすっぺらでバブリーな世界観を半ば開き直って歌った歌なんじゃないの。とりあえず「いいとも」のテレフォンショッキングでRIKACOに繋ぐみたいなブラザーコンだからの曲でしょ。少なくともブラザートムはこの曲大嫌いだと思うな。露出過多な女とネックレスした色黒の男が「オリオリオリオーヤリヤリヤリヤー」ってかっこつけて歌ってる姿みたら普通笑うやろ!っつーか、なんでみんな笑ってないねん。…ま、それは別の話)を久々に聞けて嬉しかった。
それと現・薬丸夫人の石川秀美。
めちゃカワイイ。
ちょうどラビット関根から関根勤に改名したばかりの頃の関根勤が今では考えられないぐらいのダダすべりしていて、悲しくなった。
マチャアキ、ナオコはさすがに息が合ってるが、観客ほとんどがトシちゃんファンという中で、やっつけ仕事に徹してる感じ。
どうせならゴロンボVSカマキリとか全盛期の回を保存しといて欲しいなぁ。
それから10年前のドラマ「3番テーブルの客」。
三谷幸喜作の一本の脚本を毎回いろんな監督が演出するというドラマで関西では放送してなかったんだよね。
当時凄く見たかったのを思い出し見てみる。
河野圭太演出、生瀬勝久主演の回。
レストランでウェイターとして働く男。
そこに別れた妻が客として現れる。
男はとっさに自分は音楽家として成功していると嘘をついてしまい…という三谷お得意の世界。
嘘が嘘を呼び辻褄合わせに翻弄される男というプロットは「有頂天ホテル」でも使われている。
しかしこんなとこにいたら時間がいくらあっても足りない。
外に出るともうすっかり暗くなってる。
中華街と山下公園を一応早足で回って新横浜に戻る。
今から大津に帰らなきゃなんないのが面倒臭いなぁ。
で崎陽軒のしょうが焼き弁当食べつつ新幹線で戻ってきて、今日記書いてる。
長い一日だったなぁ。


2006-11-17「鼻紙」
一息つく間もなく夜。
金曜だ。
会社を出てちょっとパルコへ寄り道。
紀伊国屋で「invitation」誌を立ち読み。
ヤン富田、小山田圭吾、カヒミ・カリィの鼎談。
ヤン富田氏が「〜若い頃、音楽で人生が変わった。だから恩返しがしたい〜」と言っていて、その青い発言にグッとくる。
何十年と音楽をやり続けて、なおこの発言。
音楽の力を信じてるんだな。
最近よく思うんだが、やっぱり音楽にしろ映画にしろ、そのものに対する愛や想い入れがないとダメだ。
それが基本だもの。
愛がなく作られた音楽は醜い。
わかるよ、それは。
でタワーでSAKEROCK「songs of instrumental」購入。
いつものようにトボトボと帰宅。
話変わるが、藤原紀香結婚の報を聞いて、ほとんどの男子は「イヤラしいこと」を考えてると思う。
彼女の職業はズバリ“ナイスバディ”なのだ。
ここんとこを誰もちゃんと言わないので、ハッキリ書いておこう。
ま、婦女子はドン引きでしょうが。
昔、水沢アキの結婚会見(…古いよ)で「彼女のどこに惹かれましたか?」と質問された外国人夫が「バディ(きっぱり)」と答えてたのを聞いて、なんつーんでしょうか、さすが肉食人種、チンコ基準で物事を考えてるなぁなんて思ったもんだ。
…なんだ、そりゃ。
私は一体、何を書いてるんだ。
話また変わるが、今「僕らの音楽」でチャーと布袋寅泰の共演を見てるんだけど、僕の最初のギターヒーローは布袋さんだった。
意外でしょ。
中学生の頃、Boφwyの楽譜買ってきてフォークギターで練習したもんだ。
明らかに無理があったが。
ロックが似合わないなぁと自分で思ったもの。


2006-11-18「Lullaby」
9時起床。
妻と娘はご近所の奥さん&チビッコ軍団でひらかたパークへ。
で休日出勤。
朝から昼またいでひと会議。
でそのまま父が入院してる病院へ。
来週には退院できそう。
母を乗せて実家まで。
二人で夕飯。
美味しい。
で帰宅。
雨の高速をキリンジ聴きながら。
「柳のように揺れるネクタイの」がもう身につまされる。
ガキにゃわからんだろうな、この感覚は。
テレビで「東京タワー」チェック。
脚本が土田英生氏と聞いて俄然注目度UP。
…ま、ドラマ化無理があったかな。
大泉洋はじめ俳優さんは皆良かったけど。
超私的な話だけに一人のペンで書かれる小説の濃度と比べると、どうしても薄まるやね。
巧くまとめるほど、焦点がぼやけてしまう。


2006-11-19「腐った林檎を食う水夫の歌」
9時起床。
朝から自治会絡みで来客。
要件済まし、買い物。
西大津ジャスコの本屋で平積みになってる「ムーンライダーズの30年」発見し即購入。
しかしあと5冊ばかり残っていたが需要あるのか?
他人事ながら心配である。
滋賀のムーンライダーズファンは西大津ジャスコの旭屋書店へ!
で帰ってスパゲティの昼食。
テレビ見て一休み。
で大阪へ。
ムーンライダーズ「OVER the MOON 晩秋のJAPAN TOUR 2006」@なんばHatch。
なんばHatchは初めてだ。
広いなぁ。
関西のみならず全国からファンが集まってるな。
そこかしこで交わされてる会話が、もうムーンライダーズ愛されてるなぁって感じで嬉しい。
前から4列目のど真ん中という良い席。
うぅ楽しみだ!
でまだツアー途中なので書きませんが、とにかく燃えた!
演奏、演出、スゲー良かった!ムーンライダーズ、30年目にしてやんちゃでパンクなロックバンドぶり。
正直、途中20年に及ぶムーンライダーズファンとしての自らの歩みを思い、泣けてきた。
だって、あんな曲やあんな曲やるんだもん。
授業サボッて鴨川べりでムーンライダーズをウォークマンで聴いてた17歳の俺よ、35歳になってその曲を生で聴くことになるなんて想像できたかい?
まだムーンライダーズファン続けてんだ。
どーよ。
お前がそーさせたんだぜ。
言っといてやろう、今でもムーンライダーズはパンクで過激なロックバンドなんだ。
17歳の俺よ、35歳の俺は人畜無害の呑気な男だが、心の中には今もパンクで捻くれた少年が住んでる。
ムーンライダーズ聴くと、今でもギシギシと胸が軋む。
自分の耳を信じろ。


2006-11-20「琥珀色の骨」
月曜。
霧を吹きつけたような雨。
頭も身体もだりーなぁ。
なんだかなぁという感じのまま夜。
帰り道、ムーンライダーズ聴いて気持ち奮い立たせる。
というかもっと狂ってもいいな、俺は。
これから先の人生は、モラルの箍を緩めていくぞ。
…なんて、それが出来ないのがまた自分なわけで。
でも昨日、ムーンライダーズ観て思ったな。
そんなに自分で自分を押さえ込まなくてもいい。
「こうあるべきだ」なんてすぐ型にはめてしまうのは悪い癖だ。
Y字路の真ん中で/一人ぼっちで死んでくのかい
中沢新一「三位一体モデル」、数日前に読了してんだが、しっくりこない。
自分の中で咀嚼しながらここ数日物事を考えてる。
ちょっとかすってきたかな。
もう一度読んでみよう。


2006-11-21「インストバンド」
今日も気がつきゃ12時間終了。
窓の無い部屋でひたすら仕事してると、身も心も疲れきるなぁ。
うーん、この先に何があるんだ?とか考えてしまう。
ま、こういう時期もある。
今日聴いてたのはSAKEROCK「Songs of instrumental」。
心、ほぐしてくれるなぁ。
いい音楽だ。
時代も国境も世代も越えていく、小さくて柔らかな輝きがある。
懐かしさを感じるけれど、これは今の音楽だ。
2006年の今、生まれた音楽であるというところに希望がある。
もうたくさんだ-って思うことがある。
騙しあい、憎みあい、殺しあう。
誰かが-優しい人から死んでいく-と言った。
悲しいニュース、醜いニュース、テレビは本当のことを言わない。
ラジオから聴こえてくるのは愛のない音楽。
見ないフリ、聴こえないフリ。
いや、ホントに見えてないんだな。
あぁ、もうたくさんだ-と思う。
でもこうして音楽が生まれた。
小さな希望の光。
まだ捨てたもんじゃないな-なんて思う。
いい音楽だ。


2006-11-22「スペードのエース」
今日は朝からカーネーション「WILD FANTASY」聴く。
やっぱりなんかここ一番聴きたくなる。
気合のソウルパワーってやつだ。
もはやカーネーションの音楽は自分史でもある。
常に傍にあってその時々の感情の揺れがメロディーとシンクロする。
こういう音楽と出会えたことは幸福である。
なんだかなーって思うこともある。
自分ばかりがハズレクジ引いてるみたいな気分になったり。
でも生きてる。
ここに生かされてる意味。
あらゆる可能性の中、ここにいる。
時代や場所、ちょっとしたズレで今出会ってるなにもかもと出会えてなかったかもしれない。
もしかしたら不条理な死に直面していたかもしれない。
俺は最高の当りクジを引いたのだ。
だから愛すべき人や愛すべきものをちゃんと大切にしなきゃなんない。
譲れねぇモノってのがある。
ま、イロイロとね。
で夜はちょっと早い忘年会。
愛すべき友人達と。
奮発してすき焼き。
美味いよ、やっぱ。
肉だな。
たまには肉喰わなきゃな。
話イロイロ。
人生楽しいことばかりじゃないが、話できる友達がいることがなにより嬉しい。
保証人にはなれないが、あばらの2、3本ならいくらでもくれてやる。
そんな風に思ってる。
なんてな。
バカ話しかしてないが。
駅からの帰り道もやっぱカーネーション。
「PARADISE EXPRESS」。
極楽行きの特急。
21世紀最初のマスターピース。
そう、考え込む前に、俺を見て笑って。


2006-11-23「結婚のすべて」
8時起床。
妻は既にバイトに出かけ、洗濯物がドンと置いてある。
俺も今日、仕事なんだが…。
あっ、言ってなかったか。
まぁ、いい。
娘を起こして朝食。
娘も今日はキッズクラブのため学校へ。
学校まで送っていって、洗濯物干して、娘の昼ご飯用におにぎりやら卵焼き作って、会社へ。
朝から一仕事だな。
で打ち合わせやらなんやらひとしきり仕事して夕方終了。
ちょっとパルコ覗いて帰宅。
帰るとメシの用意が…できてない。
結局、やっぱり、そうなのか。
そのまま台所へ…。
今日は早く寝よう。


2006-11-24「馬の背に乗れ」
今日もまた帰ろうとすると仕事が積み上げられていく。
時間調べてた映画はどれもこれも間に合わず。
そして誰もいなくなる。
結局また壁に向かって黙々と働く。
ディスクマンに入れていたカーネーション「WILD FANTASY」を抜き出し、会社のCDラジカセにセットして爆音で流す。
いつもクソみたいな音楽ばかり流されてスピーカーもかわいそうだからな。
「SOUL POWER」を注入だ。
外に出ると、さすがに寒いな。
通りにあるレストランカフェはすっかりクリスマス気分だ。
キレイな灯りがキラキラしてる。
まるで自分とは無関係に思える。
雨が夜更け過ぎに雪に変わろうが、知ったこっちゃない。
それより腹が減った。
帰ってテレビつけると長澤まさみちゃんが機関銃をぶっ放していた。
長澤まさみちゃんになら蜂の巣にされてもいい。
…また、そんなこと言ってる。
夕飯を食べて、風呂に入って、部屋でムーンライダーズを聴く。
「Vintage Wine Spirits,and Roses」が沁みる夜だ。


2006-11-25「ロープウェイから今日は」
9時半起床。
起きれない。
ホット玉子サンドを作って娘と朝食。ほどなくして友達が誘いに来て娘は外へ。
リビングでHDDチェック。
「リンカーン」「ダウンタウンDX」「くりいむナントカ」「草野キッド」「ガキの使い〜」「おっさん劇場」「タモリ倶楽部」etc。
なんだ、この偏ったセレクトは。
午後、父が退院したのでモロゾフのプリン持って実家へ。
京都はさすがに混んでるな。
渋滞が続く。
窓の向こう、紅葉に色づく山並を眺める。
父、顔色もよく安心。
近くに住む祖母も来てくれていた。
それにしても祖母、88歳にして実に元気。
家まで送っていく間、車中でしばし話。
足腰は若干弱くなったというものの、めちゃめちゃしっかりしてる。
つくづく身体は大切にせねばと思う。
母手製のおはぎを貰って帰宅。
ま、なんだろう、休日になるとなんか詰め込まなきゃと思ってしまう。
意味なく夜更かししてみたり。
実際は何もしてないくせに、何かしないと勿体無いような気になる。
それはそれで疲れる。


2006-11-26「I’m in the rain」
9時起床。
昨日はなんだか疲れて夜更かしせずに寝たのだが、やっぱり起きられない。
娘、今日もキッズクラブとかで友達と出かけてしまったので、映画観にいく。
滋賀会館シネマホールでパク・クァンヒョン監督「トンマッコルへようこそ」観る。
予告やフライヤーからほのぼの系かと思ってたが、ファンタジーの姿を借りた真正面からの反戦映画。
時は朝鮮戦争のさなか、敵対する兵士達が偶然辿り着いた村・トンマッコル。
戦争を知らない純粋なトンマッコルの人々。
彼らの中で、やがて兵士達は人間性を取り戻し、お互いの友情を育んでいく。
しかし-ってなお話。
ベタと言えばベタながら、冒頭からハード&リアルな戦争描写。
そこから一転して呑気なトンマッコルの暮らしがファンタジックかつユーモラスに描かれる。
「楽しむこと」と「生きること」がイコールなトンマッコルの人々、これは確かにファンタジーである。
誰もが夢見るが決して辿り着けない場所。
兵士達はその場所でいがみ合うこと、殺しあうことの愚かさを知る。
そしてその場所が踏みにじられそうになった時、兵士達は命をかけて立ち上がる。
笑って泣ける感動作なんていうキャッチコピーは安過ぎる。
争い殺しあうことの愚かさ、生み出される怒りや悲しみの大きさ。
徴兵制があり、常に戦争がリアルな韓国で生み出された寓話の深みを知る。
ま、パッキンゆるゆるなので後半まさに「涙のカツアゲ」を食らってしまった。
それにしても韓国映画はいい役者さんが揃ってるなぁ。
深い罪の意識にさいなまれる脱走兵を演じたシン・ハギュンをはじめ、天使のような少女を好演する「オールドボーイ」のカン・ヘジョもいい。
久石譲の音楽がそうさせる部分もあるが、ふとジブリ作品を思い起こさせる。
映画全体の美術や繰り返される「落下するイメージ」の映像表現とかに宮崎アニメの影響を感じた。
午後からはテレビ観たり本読んだりとグダグダ。
夕飯は鍋にする。
締めの雑炊が美味い。


2006-11-27「スカーレットの誓い」
月曜。
雨は止んだが、湿気を帯びた空気がまとわりついて身体が重い。
頭の中ももやがかかったようだ。
今日もあっという間に12時間が過ぎた。
会社を出て雨に濡れた歩道を安物の靴で蹴飛ばす。
「楽しむ」ことと「生きる」ことをイコールで繋げることは難しい。
やっぱファンタジーでしかないのかな。
いや、何言ってるんだ。
5年前より、10年前より、今のほうがずっともっと楽しいし充実してる。
それなのに足りないものばかりに目がいってしまう。
贅沢な話だ。
今日聴いてたのはムーンライダーズ「マニア・マニエラ」。
高校時代、学校の図書室で、鴨川べりで、通学電車で何回も何回も聴いたアルバム。
84年の12月に鈴木慶一プロデュースのリアル・フィッシュ聴いて、85年になって岡田徹プロデュースのPSY・Sに白井良明プロデュースのゼルダ、それに鈴木さえ子と出会って、85年10月の「ANIMAL INDEX」でムーンライダーズに辿り着いたんだっけ。
86年2月に再発されたこのアルバムを聴き、6月に「夏の日のオーガズム」、9月に「The Worst of MOONRIDERS」で11月に「Don't trust over 30」だ。
中二から高一のこの3年で出会った音楽が今の僕のほとんど全てを構成してる。
ムーンライダーズ体験は強烈なものだった。
20年経ってもまだ魔法がとけないんだから。
でこの前のライブ、「工場と微笑」に不覚にも泣きそうになった。
胸には今も赤いバラが一つ。


2006-11-28「くれない埠頭」
今日も気がつきゃ13時間たってる。
会社を出て、コンビニで栄養ドリンクを一本。
ただの気休めだ。
で今日聴いてたのはムーンライダーズ「青空百景」。
ライダーズ祭り開催中ということで。
これは87年の再発時に初めて聴いた。
もうこの頃はムーンライダーズありきの音楽生活。
「ドントラ」以降の休止期間にクラウン時代のアルバムに遡り、プロデュース作を買い漁り、愛読書は「ムーンライダーズ詩集」ってな生活だった。
それでもやっぱりこのアルバムを聴いた時は凄く新鮮で一発で大好きになった。
「青空のマリー」の突き抜けきらない青空具合、「物は壊れる、人は死ぬ、三つ数えて、眼をつぶれ」の陰りと文学の匂い、そして「くれない埠頭」のやるせなく果てしない切なさ…。
青春時代なんて呼べる代物じゃなかったあの頃、僕の気持ちとこのアルバムは完全に交じり合い溶け合った。
もし今、手元にあるCDが全部焼けてしまったとしても、ムーンライダーズの音楽は胸の奥でいつでも再生できる。


2006-11-29「淋しき心のブラスバンド」
11月も終わりだというのにやけに暖かい。
午後から会議の為、大阪へ。
新快速ですっかり寝てしまった。
乾燥しきった会議室で長い会議。
終わって出ると外はもう暗い。
折角、大阪まで出てきてるんだからと思うものの、だるい。
それでもタワーだけは寄る。
はちみつぱい「9th June 1988」再発盤購入。
にしても相変わらずタワー梅田店のレジは遅い。
5年前とちっとも変わってないな。
客がずらっと並んでるのに、ちんたらちんたらやってやがる。
時々店員同士でニヤニヤ雑談までしてやがるんだから、どうしようもない。
しかし普段人とあまり会わないから大阪の人ごみに物凄く疲れる。
ほんの3年前まで、10年も通ってたのにな。
心や身体の球体がへしゃげてしまうような感覚。
で今日聴いてたのはムーンライダーズ「THE WORST OF MOONRIDERS」。
86年に出た2枚組みベスト盤。
今日はDisk2のほう。
これもよく聴いたな。
特に「The Voice Of Bedside」と題されたDisk2の後半、「スカンピン」「月の酒場」「砂丘」「さよならは夜明けの夢に」「鬼火」「くれない埠頭」は一時期毎晩聴いてた。
先鋭的なバンドが見せるリリシズム。
そこにピタっとはまったんだな。
僕も今よりずっと繊細だったしね。
ガラスの十代-ってな頃だ。
「さよならは夜明けの夢に」のイントロを聴いただけで、息が詰まりそうだったよ。
30代にして、そのリリカル具合に「…乙女やなぁ」と呆れられるのは、多分ムーンライダーズのせいだ。


2006-11-30「こうもりの飛ぶ頃」
肩が異常なぐらいこってる。
今日もハードだった。
明日もそうだろう。
まぁいい。
7日に1日は仕事もお休みさ〜今日聴いてたのは、はちみつぱい「9th June 1988」。
昨日買った再発盤。
これ発売当時、おこづかいが足りなくて買えなかったんだよねぇ。
3枚組みで高かったんだ。
当時のこづかいは4000円。
CD一枚買って、文庫本を一冊、たまに昼休みチェリオを飲んだらもうスッカラカンだ。
月に一枚買うCD、もう音楽雑誌を立ち読みでチェックし、FMをエアチェックし吟味に吟味を重ねて買ったもんだ。
でそれからずるずる買うタイミングを失い、今回やっと手にした。
こういう盤ってあるんだよね。
でも、多分それは意味がある。
出会いには全て意味があるのだ。
なんつって。
まだDisc1の前半しか聴いてないけど、音がいい!
ギターがジャリジャリ鳴ってて好きだなぁ。
当分楽しめるな。


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