2006年4月下旬


2006-04-16「それでも一緒に」
昨日も夜更かし。
東野圭吾「白夜行」やっと読了。
ドラマはもちろん観てません(きっぱり)。
東野本5番勝負ってことで、友達に借りた東野本を年代順に読んでいたんだが、これで一旦終了。
初期の謎解きものから、ミステリーというスタイルさえ越える、読み物としての巧さ、おもしろさ、深みがグングン増していくのがわかって楽しめた。
「白夜行」は上級のピカレスクロマンって感じ。
読後感の悪さ、胸にウッてくる感じ、嫌いじゃないです。
この感じってどこかで知ってるなぁと思い当たったのが、手塚治虫の重めの長編読んだ感じ。
「奇子」とか「MW」とかあの辺りの。
で今日は朝から娘と買い物。
パルコや西武を回って、マクドで抹茶シェイク。
娘と数日前からCM見ては「飲みたいねぇ」と言い合ってたので。
うん、なかなか美味しい!
ところで、エビちゃんってなんだよ。
どこに魅力があんだか。
いや、いただけるものなら断りませんがね…。
午後から家族で父のところに。
点滴もとれて、とりあえず明日退院とのこと。
もちろんまだまだ治療は続くがひとまず良かった。
しかし今回の件はイロイロ考えさせられたな。
遠い先の話だと思ってたことを、リアルに目の前に突きつけられた。
夕方まで病院に居て、母もいっしょに買い物して食事。
運転手ぐらいしかしてやれることがないのが情けないけど。
ダメ息子で申し訳ないと思いつつ。


2006-04-17「キュートな事情」
特に忙しかったわけでもないのだが、気がつけば5時半を過ぎてる。
テキトーに残業して早めに帰宅。
彼の地、トーキョーでは先週末、ムーンライダースとポータブル・ロック(!)とシネマ(!!)のライブがあったらしい。
うー、こういうの聞くと東京に住みたいって思うなぁ。
だってポータブル・ロックだぜ!シネマだぜ!06年に普通観られるとは思わないよ。
86年にだってありえないライブだよ。
そんな訳で今日はポータブル・ロック、87年作「DANCE VOLUNTEER」聴く。
確かポータブル・ロックは正式に解散してなかったはずだから現時点での最新作。
野宮真貴、鈴木智文、中原信雄からなるポータブル・ロック。
後に「ビギニングス」というタイトルでCD化されることになる湾岸スタジオで作られたデモテープ。
小西康陽はこのデモテープを聴き、ポータブル・ロックをお手本にピチカート・ファイヴを結成したという。
三人の瑞々しく気負いの無い音楽はエバーグリーンだ。
でメジャーデビュー後2枚目のアルバムがこの「DANCE VOLUNTEER」。
はっきり言って当時、全く話題にもならなかったし、いったい何枚売れたのか?と心配しちゃうぐらいの感じだった。
87年はバンドブームで、このドキュートなガールズポップは音楽シーンから完全無視を決め込まれたかのようだった。
今聴くと確かにお行儀良すぎる感じはあるんだけど、それでも楽曲のクオリティや野宮真貴の素直にかわいい歌声は耳に心地よい。
ピチカートの野宮真貴も好きだが、ポータブル・ロックの野宮真貴も大好きだったな。
それにしても、この頃だれが野宮真貴の世界的なブレイクを予想できただろうか?
それからこの「ポータブル・ロック」っていうバンド名、最高だと思わない?


2006-04-18「スイッチ・オン(Let’s Show Begin)」
暖かいのに、春を感じさせない天候。
なんか、桜のいい時期も雨と重なって、まだ春が来てないような感じだ。
ま、人生の春の季節はもうとっくに終わったが。
で今日はやっぱりあれしかないでしょ。
シネマ唯一のアルバム、81年作「モーション・ピクチャー」聴く。
シネマは松尾清憲、鈴木さえ子、一色進などが在籍した、まさにA級の「B級バンド」。
僕がもってるのはCD選書の再発盤。
久しぶりに聴いてみたが、これ名盤でしょ。
松尾清憲はもう天才としか言い様のないメロディメイカーぶり。
まさに捨て曲ナシ。
それにあの声がまた良いんだよね。
その上に鈴木さえ子嬢のコーラスが入ると、またたまんないんだ。
「クリームソーダ・ベイビー」とか「電話・電話・電話」(ド名曲!)なんか聴くと、今でも胸躍る。
ちょっと疲れ気味で会社出て、ディスクマンから音楽が流れ出したとたん、ホントに心が軽やかになった。
マジックなんだな、これが。
もう一瞬にして音楽に心奪われて、その音だけが全てになっちゃう。
軽やかで捻くれたギター、コーラスのハーモニーは楽しくて美しい。
ポップに弾けて、突き抜けていく。
それでいてどっか切なく響く。
ポップミュージックの魅力が詰まりきってる。
最高だよ。


2006-04-19「Somewhere in the night」
今日も暖かいが、どうにもスカッとしないな。
仕事なんかほって、どっか遊びに行きたい!ってなこと思いつつも地道に働く。
どっちにしろ、どこにも行けないんだ。
会社帰り、相変わらずタワーと紀伊国屋寄り道。
タワーのポイントが貯まってたので珍しくジャズ盤物色。
川勝正幸氏が激賞していてずっと気になっていた与世山澄子「インタリュード」購入する。
で今日、聴いてたのはサンボマスター「僕と君の全てをロックンロールと呼べ」。
山口隆という人は「言葉の人」と思われがちだが、「メロディの人」だと思う。
しかし全18曲の大作、通勤の往復だけでは聞き終わらない。
そんな訳で感想は明日にでも。


2006-04-20「全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ」
今日はひたすらお仕事。
さすがに11時回ったら、やる気のメーターが0になってしまったので帰宅。
サンボマスター聴きながら夜道を歩く。
山口隆はロマンティストだなぁと思いながら。
でもロックってロマンティックなもんだからね。
そしてやっぱりこの人、メロディーの人だと改めて。
サンボマスター聴くと、なんか自分の中の眠ってた部分が奮い立つんだよね。
青臭さをいとわず、「でもやるんだよ」って気持ちになる。
で家帰る着くものの、腹減りすぎて、逆に食べる気しない。
とりあえず台所で立ったまま、ふりかけで軽く一膳腹に収める。
なんだかなー。
でも、やるんだよ!


2006-04-21「少しもさめてない」
やっと金曜、もう金曜なのか。
ま、とにかく金曜だ。
こちょこちょと仕事片付けて、今日は素早く退社。
金曜の夜だからな、とびきりの美女と夜のデートだ!
…なんてことはあるはずもなく、自治会長になっちゃったもんだから、自治連合総会なるものに出席するはめに。
前会長から、くれぐれも遅刻なきように言われてたのでそそくさと。
ま、とにかく座っとけばいいだろうと軽く考えてたんだが、学区内にある40の自治会の会長が全員出席で、各団体の会長やら、小・中学校の校長まで揃う本格的なもの。
平均年齢オーバー70、むせかえるほどの加齢臭。
参ったね、こりゃ。
机にはご丁寧に町名が書いたプレートが置かれ、とりあえず自分のとこの席に座る。
うっ、確かにこれは遅刻して入っていける雰囲気じゃないな。
全員、自己紹介させられるし、実際唯一遅刻してきた人は、後から一人で自己紹介させられてたよ。
うー、おもしろくねーと思いつつ、みっちり2時間。
外出ると、やけに寒いや。
会の間、並び居る白髪頭やら禿頭を観ながら考える。
5年後には40、10年後には45、20年後には55(生きてたら)か。
まだまだ先なのかな、あっという間なのかな。
でも考えたら20年前、15の頃のことは遥か昔でもなんでもなくて、つい昨日のことのようだ。
初めて行ったライブハウスでドキドキしてた気持ち、ロックのロマンティックさに胸震わせたり、ポップミュージックに狂ったり、実のない片想いをしてみたり、とりあえず本屋に入り浸ったり、メモ片手にレコード屋巡りしたり、胸に開いた穴に飲み込まれたり…今と変わってないや。
20年後もまだそんなことしてんのかな?
真心ブラザーズの新作「FINE」聴きながら歩く。
YO-KING氏のヴォーカルとにかく素晴らしい!
桜井氏のソフィスティケイトされたメロディーに、YO-KING氏の無骨で不器用なヴォーカルが乗る快感。
「大人になれば/夏は終わるかな/なくならない夏はないかな」このフレーズの切実さとリアリティ。
20年後もこの気持ちは消えない。
テレビで「僕らの音楽」。
サンボマスターに水道橋博士に真心まで登場!
30分じゃ短すぎるよ。


2006-04-22「情熱と衝動」
休前日はついつい夜更かしで、今朝は9時起き。
熱々の炒りたまごとご飯の朝食。
朝から昨日の自治会の資料をまとめて、回覧物なんかをわけて、配布に回る。
天気も良いので、そのまま少し散歩。
和菓子屋で、桜餅を買う。
結局、桜はゆっくり見ることもなく散ってしまったな。
帰ってヤキソバ作って娘と食べる。
午後にはまた近所のガキンチョたちがやってくる。
大人気ないのはわかってるが、ついつい不機嫌になってしまう。
あんまりうるさくすんなよオーラが出てしまう。
声のでかい、図々しい子供は苦手だ。
あっ、大人も苦手だわ。
時々様子をうかがいつつ、部屋で「リンカーン」とかビデオチェック。
しかしこの休日の昼間を無駄に過ごしてるようでイライラが募る。
妻がバイトから帰ってきたので、とにかくもう毎土曜日のこの状況に耐えられんと一言残し、家出る。
わかってんだ、クールになれよ、もっと優しくなれよって思う。
けど自分だけが貧乏くじひいてるような気になっちまう。
そんなはずはあるわけもないのに、頭ではわかってるのに、俺って欲深いクソ野郎だなって、でもこの苛立った気持ちがずっと付いて回る。
真心ブラザーズ聴きながら、とにかく歩いてみる。
図書館に寄って本の背表紙をひたすら目で追いかけてみる。
やっと落ち着いてきた。
もう夕方だ、夕飯の支度をしなきゃならない。
「草野キッド」もはじまっちゃう。
そうだ、今日は和食にしよう。
きんぴらごぼうに揚げ出し豆腐、鯖の塩焼きだ。
話変わるが、吉田豪「セメント!!スーパースター列伝」が激オモロだ。
吉田本に外れ無し。
タイトルからもおわかりの通り「プロレススーパースター列伝」(梶原一騎・作、原田久仁信・画、70〜80年代に少年サンデーに連載されたノンフィクション?プロレス漫画)の虚実入り乱れたプロレスという名のファンタジーに思いを馳せ、吉田豪が独自の人選で挑む一大インタビュー集。
ストロング小林(国際プロレスの雄、強面でありながら、「そうよぉ〜」が口癖で、ファンシーかつ温厚な人柄滲み出るインタビュー)、阿修羅・原(天龍との「龍原砲」にはロックを感じたもんだ。好きなレスラーだったな。借金問題で雲隠れなどその辺りも赤裸々に)、康芳夫(あの「オリバー君」を招聘した稀代の呼び屋。猪木対アリ戦をマッチメイクした男。現存する最も怪しい人物だと思うな)、倉持隆夫(日本テレビアナウンサー、実況担当として「全日」全盛期を盛り上げた人。このインタビューが最高にオモロ!現在スペイン在住という。それにしてもセメント発言連発!で最高)、猪木快守(アントニオ猪木の実兄、猪木より猪木な怪人物。これもスゲーオモロ)、イーデスハンソン(大阪弁を喋る外人のおばちゃん。っていまだに何してる人だかよくわからん。「全日」全盛期、観客席にいつもこの人がいた。確かにテレビ中継時、しょっちゅう映ってたな。)などなどグッとくるでしょ。
締めは田代まさしでというセメントぶり。
読んでるだけで、男騒ぎしてしまう。
ほんと、ここ数年量、質ともに凄まじくも、素晴らしい仕事をし続ける吉田豪氏には頭の下がる思い。
とりあえず本屋で「吉田豪」の名前見つけたら、ためらいなく買って良し!
それから最近知って読み続けてるのが東良美季さんのブログ「追想特急」。
たとえばこの日のとか、この日のとか読んでると、胸が熱くなる。
そしてイロイロと考える。
仕事についてとか、こうして僕が書き続けてる理由とか。
自分の中にある、なにかが激しく揺れる。
体温が上がっていくような。


2006-04-23「クリームソーダ・ベイビー」
昨晩も夜更かし。
図書館で借りてきた中沢新一「アースダイバー」、小林信彦「本音を申せば」などをパラパラ読んだり、ネット巡回したり、山積みのCD聴いたり。
テレビで山下敦弘監督「くりぃむれもん」やってたので観る。
山下監督の「リンダリンダリンダ」は昨年観た邦画ではベスト3に入る傑作。
で30代以上の男子ならこの「くりぃむれもん」ってタイトルで、思わず中腰になる人も多いのでは。
今の萌え文化の原点とも言える(のかどうだか)アダルトアニメが元ネタ。
個人的には残念ながら観たことないのだが。
いや、ほんと。
美少女審美眼には自信があるが、こと下半身に関してはその趣味なし。
学生時代はもっぱらストロングスタイルのダイヤモンド映像を実用していたクチなので、アニメに萌えってのはいかんとも理解できないのだ。
さて、婦女子をドン引きさせたところで、映画について。
「リンダリンダリンダ」でも感心したのだが、山下監督はやはり「間」のとりかたが上手い。
っつーか好み。
ワンシーン、ワンシーンを繋ぐリズムがなんとも心地よいのだ。
そして一瞬の青空とかそういった風景の切り取り方がいい。
映画はエロというよりは若さとバカさが空回る恋の甘さと切なさを描いた正統派青春もの。
不器用で誠実な想いが重なり恋が始まり、そして甘美な関係は次第に煩悩にからめとられ自堕落に落ちていき、残酷に破綻していく。
と難しく言うとなんだけど、誰でも思い当たるお話。
それをユーモアを湛えた間で見せていく。
山下監督、この人いずれ国民的大ヒット映画作ることになると思う。
声高に言うのは似合わない作風ですが、凄い才能です。
で今朝は9時起き。
朝から家族で京都の実家へ。
父、退院してきたので。
寝込んでる訳でもなく家ではもはや普段通り。
まだ十分食べられないが、それでも昼食に茶碗半分ほどのおじや、おやつに柏餅を食べる。
徐々に、徐々に慣らしていくことが大切。
で母連れて買い出し。
以前みたいに父の運転でとはいかないので、車が必要な大きめな買い物を手伝う。
で夕方帰宅。
夜テレビで「チンパンニュースチャンネル」。
チンパンジーが司会のニュース番組というていの21世紀の猿回し番組。
動物にしちゃ迷惑な話でしょうが、単純に笑っちゃった。
やらせすぎやろって気持ちに、くだらねーって気持ちが勝って声出して笑っちゃったよ。
猿オモロイなー。


2006-04-24「Left alone」
月曜はやけに眠い。
鏡の中の自分は紛れも無い「おっさん」で、軽く眩暈がする。
目の前の仕事を片付けるうちに、時間ばかりがスルリとすり抜けていく。
まったく、こんなでいいわけがない。
変わらないのは、変わろうとしていないからだ。
帰りに音楽を聴こうとしたら、ディスクマンはバッテリー切れ。
苦笑。
人生、もう折り返し点過ぎてる。
どうしてこう同じとこをグルグル回っちゃうんだろ。
また部屋の机周りが荒れてきてる。
山積みになったCD、本、ビデオ。映画のチラシが散乱してる。
結局僕はこの山の中から、何も見つけだしてはいない。
うっ、憂鬱な日記。
明日はもちょっとましな日記が書ければいいが。


2006-04-25「心音風景」
今日は自分を奮い立たせる意味でもサンボマスター聴きながら通勤。
ライブ盤みたいな高揚感があるなぁ。
先日の「僕らの音楽」で水道場博士が「自分だけに歌われているように感じる」という旨の事を話していたが、まさにその通り。
サンボマスターのリアルはそこにある。
ここにある叫びは、決して誰かのものじゃなくて、「僕」という個人から発せられている叫びであり、それは「みんな」ではなく「君」であり「あなた」という個人に向けられている。
だから心が動く。
みんなにそれなりに愛されたいんじゃなくて、本気であなたと向き合いたいって歌なのだ。
用意周到にマーケティングされた、みんなに愛される歌なんか聴きたくもない。
例に出して悪いが、スマップの新曲。
あれはスマップの「新商品」と言うべき。
完璧なマーケティング戦略、行き届いたパブリシティ、多くの人が儲かる素晴らしい製品だと思うよ。
でも悪いけど、100万人の財布を動かすことはできても、たった一人の心も動かすことは出来ない。
言いすぎですよね。
でも僕はそう思う。
でお仕事は今日もがんばった。
でひょんなことから、遊佐未森さんにご挨拶する機会に恵まれる。
ってそんなタイソウなもんじゃなくって「ファンっす」っつって握手してもらっただけなんだけどね。
88年のデビュー盤「瞳水晶」を聴いたのは高校生の時だ。
これが超がつく名盤!
どれだけ聞き込んだことか。
それ以来、全音源とは言わないまでも要所要所で聴いてきた。
10年以上前、部屋で何時間も彼女の音楽を聴いていたのが昨日のことのように思い出され、ものすげードキドキ感を味わう。
すっかり高校生に戻ってしまい、まともに顔見れず。
かなり入れ込んで聴いてた時期があったもんで。
あの澄んだ声を間近で聞き、テンションあがる。
ま、「イタイおっさんやなぁ」と思われたことでしょうが。
ミーハー心を満たし、昨日とはうってかわって躁状態だ。


2006-04-26「ホーボーへ」
今日は、なんか隙間なく仕事。
その上、会社着いたら、財布やら携帯やらことごとく忘れて出てきてて、昼休みにとりに帰ったり。
でいつもの1.5倍のスピードで仕事片付けてそそくさと退社。
でライブ観にいく。
おおはた雄一@京都・磔磔。
35歳になってダッシュでライブハウスに駆け込む。
自称・永遠の14歳とはいえ、足にくる。
でおおはた雄一ですよ。
最初に言っちゃうと、もうスゲー良かった。
CD以上のライブならではの魅力に満ち溢れた素晴らしい演奏が聴け、大満足である。
CDはCDで渋いギターと地に足ついた歌、穏やかな中に光るセンスって感じで何度かここでも絶賛してるけどライブはさらにその上を行った。
非常にリズムがいい。
この人は、リズムの人だと思ったな。
ギター一本でもはねるようなリズムが音楽をドライブさせる。
中盤のファンキージャズ的なアプローチには、身体ごと反応してしまう。
そしてやはり歌が素晴らしい。
言葉、メロディーが無理なく入ってくる。
実はこれこそ非常に難しいことなのである。
僕は20年音楽聞き続けてる。
それなりの「聴く耳」は持ってるつもりだ。
その耳にしっかりと心地よく入ってくるのだ。
彼の歌は、決して媚びないけれど、人懐っこい。
もっと多くの人に聴かれ、愛されるべき音楽だ。
例えば「おだやかな暮らし」という曲。
ふっと立ち止まって耳を傾けたくなる、そして聞き終わった後に心の中に何かが残る-そんな力がある。
磔磔という小屋の中に音楽が降り注いだ。
そうだ、高田渡の「コーヒーブルース」を演ったのは嬉しかったな。
ちょうど昨日、雑誌で高田渡の息子、高田漣が「最も親父に感覚が似ている」とおおはた雄一を評していたのを読んでいたこともあって。
あっという間の2時間。スゲーいいライブだった!って誰かに伝えたくなる、そんないいライブだった。
終演後、おおはた氏本人と少し話しする機会があったんだけど、こっちが言えることは「素晴らしい音楽をありがとう」ってことだけだった。


2006-04-27「不思議なくらい」
昨日遊んだ分、しっかりお仕事する。
時々同僚と冗談の一つでも言って笑ったりして、とにかく地に足つけて働くのだ。
やっぱり今日の音楽は「おだやかな暮らし」が聴きたくて、おおはた雄一「ラグタイム」。
必要最小限の音と言葉。
でもこんなにも豊かなのはなぜだろう。
いつでも求めすぎてしまう。
分不相応な欲望に足をとられてしまう。
ちゃんと働いていられる幸せを、笑い合える友達のいる幸せを、暖かい布団で眠れる幸せを、こうして音楽に包まれる幸せを-手のひらで大切にそっとすくいあげてみる。
その一つ一つが、かけがえのないものだ。
でもつい忘れちゃうんだよね。
なんだかなー


2006-04-28「Metall Position」
早いな。
もう月末だ。
連休を前に仕事ちまちま片付ける。
イロイロ思うこともあるが、でも、やるんだよ。
苛ついたり、腹立てたりしてしまうときは、自分のダメさ具合を思う。
とにかく僕も仕事が出来ないから、周りの人をイラつかせてばかりだ。
だから誠意を持って働くしかないのだ。
ま、金曜の夜なんだからそんな話はいい。
いや、金曜だからって何があるわけでもないんだが。
残業を終え、孤独をまとって歩く。
夜道に響く靴音が、胸の穴に共鳴してらぁ。
腹減らして11時帰宅。
布団の中から妻が「ごめん、今日おかず無いから…」だって。
とにかく誰か、俺を今すぐ抱きしめてくれ。
で今日聴いてたのは石野卓球と川辺ヒロシからなるInk「C-46」。
昔、テクノポップっていう音楽があった。
テクノって音楽は門外漢だからあまり判らないが、テクノポップって音楽が好きだった。
テクノポップってどんな音楽?って聞かれたら上手く答えられない。
僕のテクノポップとあなたのテクノポップは違うかもしれない。
「C-46」、46分カセットテープに録音して聴いてた心躍る、ちょっと笑える音楽。
コンピューターが紡ぐリズム、それは僕にとっての民族音楽だった。
そうこんな感触だった。


2006-04-29「COW」
9時起床。
朝から娘とハムスター小屋の掃除。
それからお弁当を作る。
おにぎりと、ほうれん草のソテー、ねぎ入りの卵焼き、鶏の照り焼き、めんどくさくなって後は冷凍食品で。
別にどこ行くわけでもないんだけど、天気もいいし外へ。
浜大津で地域のイベントとかいろいろやってたのでブラブラと。
会社が絡んでるイベントなんかもあって、ちょっと顔出しつつ。
午後からバイト終りの妻と合流し、弁当みんなで食べて、引き続きブラブラ。
あっという間に夕方で、夜は外食することにして「かっぱ寿司」へ。
その後、スーパーで買い物して帰ったらもう9時。
久々に家族で1日過ごした感じ。
来るべきゴールデンウィークは、まるっきり予定なし。
そうそう昨日の夜中、キャプテンストライダム「108DREAMS」を聴く。
ふと耳に引っ掛かるフレーズがあったり、不思議な詞だなと思ってクレジットをチェックすると、久保田洋司(ex.The 東南西北)が半分くらい詞書いてんだ。
なるほど納得。
それともう一つ、サウンドプロデューサーに大平太一の名前見て驚く。
大平太一と言えば、80年代後半「The REDS」(後に「マーキームーン」に改名)というバンドを率いていた人物じゃないか。
The REDSがデビューする直前だったか、NHKで放送した何かのライブイベントに出演していて、それがかっこよくって凄く印象的だったんだよねぇ。
多分、実家に録画したビデオまだ残ってるはずなんだけど。
あーもどかしい、なんてタイトルの曲だったかな。
確か2枚ぐらいしかアルバム残してなくて、ダビングしたカセットテープも実家にあるはず。
知的でラディカルなバンドで、佐野元春のシングル「警告どおり計画どおり」では大抜擢を受けてバッキングを勤めてたっけ。
そんなこと思い出して、これまた妙に納得。
シャープなギターの感じとか、クールな捻くれかたとか、確かにその流れを汲んでる。


2006-04-30「おだやかな暮らし」
9時起床。
昨日買ったバターロールとハムエッグ、ヨーグルトの朝食。
バターロール美味しくて3個食べる。
で朝からマンションの修繕委員会。
修繕工事完了で業者さんたちと屋上からずっとチェックして回る。
それから部屋の掃除を少しばかり。
机周りのCDを整理。
ちょっと気を許すとすぐ2、30枚のCDが机周りに溢れることになっちゃう。
聴き終わったらすぐ棚へ-がなぜ出来ないのだ、俺は。
午後、引き続き掃除。
娘はマンションの友達のとこに遊びに行っちゃったので、妻と京都まで買い物。
無印で味も素っ気もないメガネ購入。
味も素っ気もないとこが気に入ったから。
常時メガネ着用になって10年。
3代目のメガネ。
ものスゲー物持ちいいな。
それにしても随分暖かくなった。
外、歩いてるだけで気持ちいいな。


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