2006年1月下旬


2006-01-16「ORANGE MECHANIC SUICIDE」
月曜日。
口内炎はやっと沈静化。
一週間、辛かったなぁ。
で早速ですが今日聴いてたのはオリジナル・ラヴ「LOVE!LOVE!&LOVE!」91年作品。
ピチカートを脱退した田島貴男がオリジナルラヴとして満を持してのメジャーデビュー。
もうめちゃめちゃ期待してレコード屋に走ったなぁ。
いきなりの2枚組、新人とは思えないふてぶてしさ。
今日はPart2の方聴いてたんだが、「JUMPIN' JACK JIVE」〜「LOVE SONG」の流れは強烈だな。
この剥き出しのソウル、剥き出しのエンタティメント。
「LOVE SONG」の激しい歌唱聴いてると、ここ最近の田島貴男の剥き出しっぷりも、既にここにその萌芽があるじゃんなんて思う。
これ、今の田島貴男が歌ったら相当カッコイイと思うな。


2006-01-17「MILLION SECRETS OF JAZZ」
朝刊の小さな死亡記事に「ローカル岡」の名前見つける。
ローカル岡、朴訥とした茨城弁で世の中をぼやき倒す芸人。
CD、ネタ本の発売もあり綾小路きみまろの次はローカル岡でしょとブレーク寸前だったのに。
僕が最初にその名前を知ったのは7、8年前だろうか。
飛行機の中で聴いた演芸チャンネル、そこにこの茨城弁の怪人物がいた。
笑った。
いや、正確には笑いを堪えるのに必至だった。
それから数年後、鶴瓶師匠司会の「いろもん」に登場しプチブレイク。
「笑点」なんかにもちょくちょく登場したので注目してた人も多いだろう。
とにかく合掌。
ご冥福をお祈りします。
今日、聴いてたのはオリジナル・ラヴ、92年作品「SESSIONS」。
まさに90年代だなぁ。
リミックスアルバムなんてものも80年代にはほとんどなかったし、アシッドジャズだなんてもう90年代としか言いようがない。
BRAND NEW HEAVIESとかもう、うわぁーって感じだ。
ちょっと恥ずかしいよな気もするThe 90年代。
しかし、92年、若干22歳だよ。
20代前半の自分なんて想像もつかないや。


2006-01-18「The Rover」
特になんてことはなく、お仕事。
夕方、大阪で会議。
せっかくの大阪、友達でも誘って飲みに行きたいとこだったが、諸事情で、いや、懐の具合がいささか厳しいので寂しく帰る。
で早速ですが今日聴いてたのはまたまたオリジナル・ラヴ、94年作「風の歌を聴け」。
久しぶりに聴いたが、なんだこれ物凄い完成度高いじゃないか。
つーか名盤。
出来すぎ。
当時オリジナルラヴは田島貴男、木原龍太郎、小松秀行の3人体制。
結果、この後オリジナルラヴは田島貴男一人になるわけだが、ま、元々オリジナルラヴは田島貴男のことで、バンドは名実ともにそうなるためのサポーター的役割だったのかな。
ある種このアルバムは一つの到達点で、ここまで出来たからこそ一人になったのかも。
デビュー当時にあったお洒落でジャジーでっていうイメージを軽く越えて、その先の地平にワイルドに歩を進めてる。
で、どうでもいい話だが、ここんとこ腹が減ってしょうがない。
原因は解ってる、弁当箱が小さいのだ。
いや、その弁当箱を選んだのは自分なんだが。
外勤から内勤に変わった時点で弁当を持ってくことにした。
これで昼飯代が浮くと思ったのもつかの間、昼飯代の分(いやそれ以上に)しっかり小遣いは減らされていた。
結局「困った時は昼を抜く」という裏技を使うことすら出来なくなり、さらに貧窮することになるのだが、それはまた別の話。
で弁当を作るというのは大変面倒なことである。
妻に毎朝作ってもらってるわけだから、それには凄く感謝している。
で感謝してるの前提に言うんだけど、妻はとにかく料理に手間をかけるということが大嫌いな人なのだ。
そんなわけで弁当のメニューはタマゴ焼き2切れ、ミニトマト、ウインナー1本と日替わり冷凍食品1個が定番。
これをわずか3分で作る。
で当初今の弁当箱より一回り大きいものだったんだが、それだとご飯:おかずの割合が、9:1ぐらいになってしまいどうにもバランス悪い。
おかずを充実させてくれとはとても言えないので弁当箱を小さくし、ご飯の量を減らすことでバランスとったわけだ。
その結果、夕方には腹が減って、腹が減ってしょうがないということになる。
ホントにどうでもいい話だな。
で今日ももう腹が減って、腹が減って、とにかく晩飯を食わせろってな気持ちで帰宅したわけだ。
基本的に平日の私の夕飯はセルフサービス形式なので、台所に無造作に置いてあるおかずをチンして(時にはフライパンに放置されたまま)、ごはんをよそい、お茶を入れ(時には湯さえ沸いていない)一人黙々と食べる。
今日は水菜とあげの煮びたしが作ってあったので、それはラッキーだったのだが、メインディッシュが焼き鮭一切れのみだった。
…まるで朝食のような夕食。
この飢え切った身体に、鮭一切れってキミ〜!とは言わない。
ま、よくあることなんだが、さすがにこの空腹状態では辛かったな。
ま、自分でなんか追加で作ればいいんだけどね、それもまたなんつーの嫌味みたいでしょ。
あー、腹減った。ってなんだ、今日の日記は!


2006-01-19「青年は荒野をめざす」
朝、雪がちらついてる。
ここのところ少しばかり暖かい日が続いたが、また逆戻りだ。
というかこれが当たり前なのか。
特に忙しかったわけでもないのに、地味に仕事がたまり残業。
相変わらず腹が減ってしかたがない。
が今日はひょんなことから夕方、サンドイッチにありつき一時空腹を忘れる。
ラッキー。
で今日聴いてたのも、またまたまたオリジナル・ラヴ。
一気に飛んで最新作「キングスロード」。
90年代後半のオリジナル・ラヴはなんとなく試行錯誤してるような感じだった。
はっきりそこから抜け出たのが03年の「踊る太陽」。
それからの田島貴男はもう怖いもの無しというか、妖しくて、剥き出しで田島貴男そのものが音楽のようだ。
でこの新作は全曲カヴァーでありながら、もう田島貴男そのもので、歌うことと生きることがイコールで結ばれるような強固な力がある。
まさに全身音楽家なのである。
こういう音楽の前ではどんな批評も意味を持たない。


2006-01-20「paingiver」
さて金曜。
今日も小さい弁当箱(なぜか先日の弁当話、反響大きい)でがんばる。
ちょうど夜、京都までライブに行く予定だったとこに、半年連絡無く引継ぎしてなかった京都の得意先からお仕事話舞い込む。
なんたるタイミングの良さ、早速夕方にアポとりそのまま直帰コースに。
その得意先からライブ会場は徒歩5分。
素晴らしい。
で年明け最初のライブは鈴木祥子@カフェ・アンデパンダン。
これまた凄まじいライブだった!
会場は普段ライブやってるとこではないのだが、音の響きがやたらいい。
鈴木祥子の歌声はいつも以上に生々しく、グッと胸に入り込む。
もう最初の数曲、「PASSION」の時点で完全にやられた。
前作「Love,painful Love」以降の彼女の曲は、もう次元が全く違っている。
誰も辿り着いていないステージにある。
この痛みはなんだ。
開いた傷、まだ熱く、真っ赤な血がどくどくと流れているような、剥き出しの痛み。
こういうの聴かされると、もうどうしてもかなわないなという気になる。
結局、男は痛みに堪えられないから、いつでもロマンティックに逃げてしまうのに。
休憩はさんで約2時間半。
吐き出された言葉と音の前で、僕はただ呆然とするしかなかった。
で会場で会っためんちかつさんといっしょに「凄かったっすね〜」とか言いながら京阪電車で帰る。
滋賀県で一番のカーネーションファン・めんちかつさんに(ちなみに僕は2番、3番以降は知らない)あの九段会館の音源聴かせてもらう。
ありがとうございます!
で帰って「時効警察」。
やっぱ、おもろい。
いきなり風呂上りの麻生久美子にクラクラする。
「いーの、いーの、ブライアン・イーノ!」なんて麻生久美子かわいすぎるぜ。


2006-01-21「ナポレオンライス」
8時半起床。
娘とのんびり「ベリーベリーサタデー」とか見ながら朝食。
うー、なぜか今更、鈴木杏樹に惹かれる。
そうこうしてるうちに、いつものように同じマンションの娘の友達やってくる。
こーなるとまた今日も一日、軟禁状態だ。
子供ら置いて出かけるわけにもいかないし、いっしょに遊ぶにも、もはやお父さんはジャマってなもんだ。
しょうがないので部屋でビデオチェックなど。
年末・年始に録画したのをいろいろと。
「ピタゴラスイッチ」のセレクション。
ロボットがアルゴリズム体操をやるのがあって、そのロボットの動きが驚異的にかわいい。
特に「くるくるくるっくるくるくるっく〜るくる〜」のとこが最高。
ヒマなので去年観た映画を思い出しながら、勝手に選んじゃおう。
「popholic ACADEMY」の発表だ。
最優秀作品賞 チャーリーとチョコレート工場
最優秀監督賞 パク・チャヌク(「親切なクムジャさん」)
最優秀脚本賞 渡辺あや(「メゾン・ド・ヒミコ」)
最優秀主演男優賞 ケヴィンスペイシー(「ビヨンド the シー」)
最優秀主演女優賞 ペ・ドゥナ(「リンダリンダリンダ」)
最優秀助演男優賞 中井貴一(「亡国のイージス」)
最優秀助演女優賞 ヴァージニア・マトセン(「サイドウェイ」)
作品賞はもう圧倒的な映画力で、監督賞はあんた上手過ぎるよ!ということで。
脚本賞は「エターナルサンシャイン」のチャーリー・カウフマンと悩んだ結果、しれっと鋭く本質を突く渡辺あやに。
主演男優は自ら監督もつとめ、思い入れたっぷりに実在の歌手ボビー・ダーリンを歌い踊り演じたケヴィン・スパイシー。
主演女優はもうぺ・ドゥナ嬢に即決。
「リンダリンダ」を熱唱するペ・ドゥナ嬢にはクラクラした。
助演男優は「パッチギ」のオダギリジョーも良かったし、「SIN CITY」のミッキー・ロークも捨てがたいが、ミキプルーンを食べてるということで中井貴一に。
助演女優は一番迷った。
これまた「SIN CITY」のデヴォン青木にするか、「妖怪大戦争」の高橋真唯にするか、「血と骨」の田畑智子も良かったしなぁ…が、ここはもう渋く抑えた演技で大人の女性を好演したヴァージニア・マトセンに。
とこんなことをこちょこちょ考えるのがまた楽しいんだな。
で夕飯はヒマなので「ブリ大根」をじっくりと。
後、ほうれん草とじゃこの炒め物。
パリッと炒めた油揚げ、鰹節も投入し、醤油、みりん、そしてゴマ油で味付け。
これが成功。
ゴマ油美味し。


2006-01-22「What Cats Feel」
昨日の夜。
娘、赤い顔してる。
「風邪ひいたんじゃない?しんどくないか?」って聞くと、大丈夫だと言い張る。
明日、子ども会のスケート教室があって前から楽しみにしていた娘。
だが、熱をはかってみると案の定、7度以上ある。
とにかく寝かして、今朝もう一度はかってみると39度を越える高熱。
すぐ市民病院に連れて行く。
緊急病棟はマスクをした人たちでいっぱい。
調べてもらうとインフルエンザだった。
そりゃしんどいよ。
おかゆを作って、食べさせる。
味見をするとその味は、むかし母親が作ってくれたのと同じになってた。
子供の頃、自分がしてもらったみたいに、スプーンにすくってフーフーと冷まして食べさせる。
僕には確かに守るべきものがあって、それはこんなちょっとした瞬間に実感する。
で娘寝かして、それから自分の昼食。
味噌ラーメン、ちょっと煮込み風に作ってみると美味し。
で妻と娘は置いて、買出しに一人スーパーへ。
娘用に冷えピタやゼリー、アイス、うどんなんかを買って、後は「今晩、何にしようかしら…」とあごに手をあてて物色。
おばはんやん。
妻からお金は預かってきたので、なんか好きなもの買ってやろうと思うも、これ貧乏が身についてんだな。
ついつい躊躇して、見切り品とかチェックしてやんの。
結局、自分用にガーナミルクチョコをこっそり一枚買っただけ。
夕方、テレビで南海キャンディーズの特番。
ゆるいなぁ。いや、キライじゃないけど。
高田純次、笑瓶ちゃんにケンコバ、山口もえ(今あえて言うけど、めちゃめちゃかわいいよね、この人)という布陣の何ともいえないゆるさ。
いや、キライじゃないけど。
夕飯、昼に残ったラーメンスープを再利用し、ミニキムチ鍋。
娘にはうどんを作る。


2006-01-23「Sparkling Gentlemen」
外は一面の銀世界。
雪がどんどん降ってくる。
さみーなぁと言いながら、転ばないように出勤。
空気が乾燥してるのか、咳が止まらない。
用心して残業もそこそこに早めに帰宅。
娘、凄い回復力。
もう熱も下がって、笑顔が見れる。
ただ、インフルエンザなんで熱が下がってもその後2日は学校休ませるようにとのこと。
ここで俺も気を抜いちゃいけないと思い、がっつり喰う。
キムチをバンバン食べて、食後にはみかんと苺でビタミン摂取。
今週末は、細野サンのライブだからな、風邪なんかひいてられないのだ!
とは言え、用心して早く寝よーっと。


2006-01-27「愛の名前」
1月24日(火)
娘、すっかり熱も下がったよう。
念の為、今日は休ませる。
でいつもの調子で会社へ。
一日、やたら寒い。
社内は建物の構造上、暖房が一向に効かずでどーにも寒気がする。
昨日に増して咳もやたら出やがるし。
でも、まぁどうにか仕事終え、帰りに映画でも観にいくかとパルコまで行くが、一向に寒気治まらず。
というか、明らかに悪寒が走っとる。
さすがに映画は断念して帰宅。
恐る恐る熱はかってみると、一気に8度越え。
もう、早めに病院行っちゃおうと、一人車飛ばして市民病院へ。
鼻の奥に棒突っ込まれて粘液搾取。
30分の後、「インフルエンザですね!」と告げられる。
ま、そりゃそうだろ、インフルエンザだった娘の横にずっといたんだもの。
薬もらって帰宅、そのまま即睡眠。
1月25日(水)
娘は今日から学校へ。
朝、熱はかってみると変わらず8度越え。
妻もバイトに出かけたので、ひとり布団の中でボケーっと。
寒気と少々の頭痛、でも吐き気も下痢もなく堪えられないほどじゃない。
ずっと寝てるのも勿体無いと思っちゃうのは貧乏性ゆえか。
とりあえずまだ見てなかった年末の「八方・今田の楽屋ニュース」ビデオで。
昼はテーブルに無造作に置かれたインスタントのおかゆ。
が、魔法瓶にお湯はなかった…。
インスタントのおかゆ、初めて食べたが案外美味いのな。
で引き続き、これまた年末に録画した「日本の話芸」、円蔵なんかの落語を環境ビデオ状態で流しながらぼんやりと。
そうこうしてるうちに娘帰ってくる。
「10人も休んでて学級閉鎖になった!」とのことで明日から今週いっぱい休みなんだと。
で、夕方になっても相変わらずボーっとしたまま。
熱は7〜8度の間をいったりきたりという感じで安定せず。
夜、うどんだけ喰って寝る。
1月26日(木)
今日も休むことにする。
熱はなんとか7度まで落ちる。
娘は今日からまた休み。
妻はさっさとバイト。
これ、なんか嫌なパターンだな。
とりあえず食欲も出てきたので、朝おかゆ作って食べる。
おい、いきなり自分で作っちゃってるよ。
ずっと寝てるのもしんどいので、とりあえず起き出してソファに座っとく。
娘に教えてもらいながらDSで「動物の森」。
娘、完全に把握してて、あっちに行けとか違うやろーとか、とにかくあーしろこーしろとうるさい。
こうして、女は強くなっていくのか。
昼、娘リクエストでオムライス作る。
ほんとに好きだな。
で自分用には鍋焼きうどん。
しかし冷凍讃岐うどん、重宝するなぁ。
もう冷凍うどんさえあれば、嫁なんか要らない!ってぐらいに。
昼、BSの番組で種ともこのライブ。
また今度ゆっくり書くけど、僕はこの人、天才だと思ってる。
で昼からは少し横になって江口寿史「正直日記」読む。
描かないのか描けないのか、この天才のグダグダぶりがなんとも。
で話変わるんだが、市が出してる広報紙があってマンションの担当になってるもんだから、我が家に一旦マンションの住人分-つっても25件分なんだが-まとめて送ってくる。
でそれを一階の集合ポストにダダダっと配るのが役目。
でちょうどそれが届いてそのまま机に置いといたら、バイトから帰ってきた妻が開口一番「配っとけよ!」だって。
思わず布団の中で「うそ〜ン…」とつぶやいちまったよ。
いや、いや、会社休んで寝込んでるのよ、その上で娘のご飯作って、自分のご飯作って、さらに洗い物-妻の朝飯分含む-も全て終えて、なおかつ早く風呂入ろうと風呂掃除までし終わってるのよ。
今更優しくしてくれとは言わんが、厳しいにも程があるやろ!
そのまま、不貞寝してやる。
しかし、逮捕された一夫多妻男。
20代の女性10人と同居て…羨ましい!
いや、いや冗談ですよ。
…催眠術、おぼえよかな。
いや、冗談だって、JODAN!
という訳で更新が無かった理由がお分かりいただけるでしょう。
心配してくださった方々、どうもありがとう。
こんな訳でした。
でここから今日の日記。
熱もすっかり下がる。
タミフル効果か。
でも念には念を、インフルエンザを撒き散らしては申し訳ないのでマスクして会社へ。
しかしマスクしてると、なんつーか自分の呼吸でメガネが曇るのな。
なんか情けない。
トイレでふと自分のマスク姿見るとこれまたなんかバランス悪い。
ヘルメットでもかぶらなきゃバランス取れない感じ。
二日も休んじゃうと、仕事なかなか調子出ないな。
こちょこちょ片付けて6時半には退社。
今日はゆっくり身体休めようと映画観にいく。
この二日で悟った、「家より映画館の方がゆっくり休める」と…。
で火曜日に行こうと思ってたSABU監督「疾走」観る。
7時過ぎの回、ロビーいつもに増して人少ないなぁと思いつつ、上映がある3番スクリーンに行くと俺一人。
上映時間が5分前まだ一人。
1分前、まだ一人。
おい、始まっちゃったよ!
今まで3〜5人ぐらいってのは何回かあったけど、ついに一人かよ!
それもまた7つあるスクリーンの中で、よりによって一番広い440席あるとこで、一人かよ!
もうど真ん中で観てやる。
夢の貸切状態じゃないか!ちょっと怖いよ!
で映画の方だが、はっきり言って病み上りには重すぎるよ。
でもねぇ、嫌いじゃないんだよねぇ、この重さ。
ストーリーは特に書かないけど、これは「祈り」の映画だな。
今、これを撮るという選択をしたSABU監督の本気(とかいてマジと読む)な姿勢。
この物語に「疾走」というタイトルをつけた原作者・重松清の想い。
嘘じゃない映画なんだよ、これは。
重いし、まるで楽しめる映画じゃないけど、SABU監督はまさに疾走するしかない、そんな気持ちに駆り立てられたんだろうな。
真っ暗な闇の中、どこに向かっているのかまるでわからないまま、でも走るしかない。
祈るように走るしかない。
答えもなければ、もしかしたら救いもないかもしれない。
でも、祈らずにおれない。
そんな映画だ。
で役者では、中谷美紀が素晴らしくってびっくり。
こんな幅のある女優さんだったっけ。
それと「誰も知らない」でもめちゃめちゃ印象的だった韓英恵ちゃんが、今回も存在感では圧倒。
前にも書いたけど、この娘は凄い女優になるでしょう。
主演の手越祐也は逆に存在感なくて、ま、それゆえに変な色がつかなくって良かったんだけど。
あとは柄本明の息子、柄本祐。
こやつも末恐ろしい。
豊川悦司、大杉漣、寺島進に加瀬亮、大人の演技者達もまたきっちりといい芝居見せてくれた。
ま、確かに重いけどね。


2006-01-28「はらいそ」
8時起床。
いつものように娘とダラダラ。
今日も娘指導の下、「どうぶつの森」。
それから、なぜか今あえて「Mr.BEAN」ビデオで。
我が家には輸入版ビデオ全巻揃ってる。
確か91年、日本初放送時にたまたま見て以来すっかり気に入って、いつ放送があるかわからないまま新聞のテレビ欄を毎日くまなくチェックしたもんだ。
当時まだネットも普及してないし、ビーンブームがくるのはそのさらに6年後なんだから。
そんな訳でタワーで輸入版ビデオ見つけたとき全巻まとめ買いしたのだ。
いまは安くDVD化されてるけど、当時DVDなんかなかったからなぁ。
そんなことはさておき、娘には割とうけていた。
で午後から京都へ。
久しぶりに一乗寺の恵文社覗く。
相変わらずいい品揃えだなぁ。
あぁこのまま本棚ごと部屋に移植したい!江口寿史「正直日記」をここんとこ読んでた影響もあって、今年は漫画にももちょっと手を出していこうと、イロイロ気になる漫画をチェック。
なんだかんだで2時間近く居てしまった。
いぃなぁ、近所にこんな本屋あったら毎日行っちゃうのに。
で叡山鉄道に乗って元田中で降りる。
それから東大路通りを歩いて南下。
マルホベーカリーで激美味のクロワッサンを買って、食べながらまた歩く。
満月本店でまだ温かい出来立ての阿闍梨餅を買い食い。
柔らかすぎる、美味すぎる!
美味いにも程があるやろってぐらいに。
で京大西部講堂へ。
今日はライブ、細野晴臣&東京シャイネス@京大西部講堂!
あぁこんな日が来るなんて!音楽の神様、ありがとう!
そわそわしながら開演を待つ。
まずはオープニングアクト、青柳拓次のソロユニットKAMA AINA。
コンピュータに合わせて様々な楽器を一人で操っていく、なんとも不思議でピースな音楽。
そして、ついに細野晴臣&東京シャイネスの登場だ。
いきなり「ろっかまいばいべいびい」。
その第一声を聴いた瞬間、すでにこみ上げて来るものがあったな。
70年代の歌(あえて「歌」と言いたい)を中心に演奏されるんだが、まるでノスタルジーを感じさせない。
むしろ僕には未来の音のようにさえ聴こえる。
細野さんのギターと歌声を、バンドが大いに盛り上げる。
この高いミュージシャンシップにも感激。
もっとフォーキーな感じかなと思ったがとんでもない。
トロピカル3部作の曲なんて思わず身体が反応しちゃうぐらいのグルーヴ。
全盛期の憂歌団真っ青のノリ具合、楽しいったらありゃしないよ。
伝説でもなんでもなくって、今、音が目の前でドンドン跳ねていく。
新鮮で躍動的な音楽が生まれているよ。
また細野さんのMCがやたらオモロイ!
1曲ごとに喋る喋る。
絶妙な間、MCから歌に入るそのタイミング。
上手い落語家がマクラから噺に入っていくあの堪らない感じ。
可笑しくって気持ちよくって最高だな。
本編最後は「はらいそ」(!)歌い終わって踊りながらはけていく細野さん!最高すぎて、涙出るよ。
鳴り止まない拍手の中、アンコール。
生「風をあつめて」を聴く日が来るなんて、想像すらしてなかったよ。
初めて聴いたのは中学生の時。
ずっと音楽ファン続けてきて良かった。
ホントに良かった。
こんな日が来るんだなぁ。
そして2度目のアンコール、ラストはスケッチショウのナンバー「STELLA」。
「Twinkle Twinkle 君はスターダスト〜」と歌われる、美しい歌。
ステージの上、僕達の上にもキラキラと星が降り注いでくるような素晴らしい演奏。
歌い終わって細野さんが言う-今日はどんとの命日。彼が死ぬ前に沖縄で会ってるんだ。東京でも追悼公演やってるみたいだけど、彼は多分今日はこっちに来てるんじゃないかな。この曲をどんとに捧げます-
音楽ってやっぱり素晴らしいな。


2006-01-29「冬越え」
10時起床。
起きれねー。
昨日の細野さんライブ、興奮冷めやらず。
つーか、冷めないで。
朝から、マンションの大規模修繕についての説明会。
屋上から地下駐車場までことこまかに。
昼、娘にうどん作って、その後さらに近所の自治会館で説明会。
やっと2月から工事開始。
管理組合のメンバーだったので、ここまでにもかなり会議を重ねた。
工事うまくいくといいが。
でその後、京都の実家へ。
旧正月で香港在住の兄貴が帰国、皆で会食することになったので。
そう言えば、昨日細野さんが「今日はカウントダウンライブへようこそ。…旧暦の」と言ってたっけ。
何食いに行こうと悩んだ挙句、なぜか「王将」に。
…なんでやねん、香港帰りやのに。
ま、俺も乗ったんだけどね。
香港の中華より王将の方が美味い!とは兄貴の弁。
でも子供の頃、「王将」に連れてってもらうの嬉しかったな。
男兄弟二人だしね、安くてボリュームのある「王将」は外食の定番だったんだ。
「鶏の唐揚げ」に「炒麺」、今日も頼んじゃったよ。
美味いわけないのに、美味いな、王将。


2006-01-30「ろっかばいまいべいびい」
月曜、雨。
久しぶりにバスに乗って会社へ。
仕事、さほど忙しくはないが、地味な仕事が地味に続く感じで、イマイチ乗らず。
もう、さっさと切り上げて帰る。
帰りの音楽はもちろん細野さん。
今日は細野箱の2枚目ね。
ライブでもやったYMO「LOTUS LOVE」気持ちいいなぁ。
作詞家としての細野サンもまた素晴らしいんだよね。
相変わらず真っ直ぐ帰れない病、タワーでCD眺めて、紀伊国屋で雑誌パラパラ。
何やってんだか。
夜、娘寝付くまでイロイロお喋り。
つくづく面白いなぁと思いながら。
数年前まで言葉持ってなかったのに、もうちゃんと自分の言葉で、自分のことを喋るんだな。
とにかくこれから先、いろんなことと出会ったり、いろんなことを感じたりして、いろんな言葉で、僕に聞かせて欲しい。
僕もそんな風に、君に聞かせられたらって思ってるよ。


2006-01-31「RAINY DAYS AND MONDAYS」
今日も雨。
でバスで通勤。
なんか雨の中、歩く気力がない。
仕事も覇気がない感じでグダグダと。
もうとっとと帰る。
真っ直ぐ帰宅。
…とはいかないのがダメ親父たるゆえん。
真っ直ぐ、滋賀会館シネマホールへ。
緒方明監督「いつか読書する日」観る。
秀作なり。
50歳になる男と女。
牛乳配達とスーパーのレジ打ちを仕事に、何もない孤独な暮らしを続ける平凡な女。
病気で余命いくばくもない妻を介護しながら役所で働くこれまた平凡な男。
坂道の多い、小さな町にひっそりと暮らす二人。
二人は密かな想いを胸に、30年以上も互いに目さえ合わすことなく別々の人生を生きている。
不器用な二人の歯車は、もうすっかり錆びきって動くことのないように思えた。
が静かにゆっくりと歯車が動き始める- ってな話。
上質のメロドラマ。
大人の物語に見えて、実はこれは大人の中にいる少年と少女の淡い物語だと僕は思った。
冷静を装ってみても、忘れたふりしてみても、人を想う気持ちってのはもうどうすることもできないぐらいに揺れてしまう。
カバンの中で牛乳瓶が揺れてぶつかり合うかすかな音。
そんな風に二人の想いが揺れてぶつかってかすかな音をたてる。
大袈裟にロマンティックに描いてないところがいい。
地に足をつけて、生活といううすのろを真っ向に生きる大人の男と女。
ヒーロー、ヒロインとは程遠いありふれた二人が、ちょっとづつ不器用に視線を交わす。
秀作なり。
で主演の二人、田中裕子(素晴らしい演技、貫禄)と岸部一徳がもうね、いいに決まってるよね。
岸部一徳のあの声のトーンが、たまらなく好き。
岸部シローじゃこうはいかない。
それと大好きな曲「雨の日と月曜日は」がいいとこで流れるのにグッときた。
それもカーペンターズじゃなくってポール・ウィリアムスのヴァージョンが!
切なさ2割増のポール・ウィリアムスのしわがれた声に泣きそうになる。


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