2005年8月下旬

2005年8月下旬の話・・・
もう解散して数年経つピチカートファイヴ。いまだに年数回ブームがくるのだが、まさにブームがきてましたね、この8月下旬は。


2005-08-16「シュルシュル」
さて、仕事。
まだお盆休みのところも多いのかな。
街がどこか休日モードになってる。
昼はあまり時間なく、コンビニでサンドウィッチとカルピスウォーター。
セブンイレブン限定「ファーブル昆虫記」フィギュアに惹かれて・・。
で今日の通勤音楽はヒックスビル、99年作品「Mileage」。
これはねぇ、もう切り札的アルバム。
どんな時に聴いても、その音楽の力で包んでくれる、そんなパーフェクトなアルバム。
これももう何回も聴いてるのに、聴く度に発見があるな。
木暮、中森両氏のギターもそうなんだけど、真城めぐみ嬢のヴォーカルは様々な表情を持っていて、そこが素晴らしい。
ソウルフルというだけには全然とどまらない、深い歌声。
母性を感じさせたかと思えば、少女のようなかわいさが顔を覗かせる。
友達以上恋人未満なキュンとくる瞬間があったりと、その歌声が様々な感情を想起させるのだ。
それにしてもこのアルバム、全く捨て曲なし。
ライブでの活動はあるものの、このアルバム以降作品を発表していないヒックスビル。
実に勿体無い。
音楽界の大きな損失だよ。


2005-08-17「GIVE THE LITTLE MAN A GREAT BIG HAND」
なんだか、今日も暑いな。
お盆も終りだってのに。
今日は何やってんだか・・的な仕事を、暑い中、外でひたすら。
でも、やるんだよ!
早速ですが通勤音楽はWilliam Devaughn「BE THANKFUL FOR WHAT YOU GOT」。
74年作で僕が持ってるのは91年のリイシュー盤。
スウィートソウルの傑作ですな。
91年の秋に出たピチカートファイヴ特集の「POP-IND'S」誌に掲載された、小西・高浪両氏による「BEST200DISC」はバイブルだった。
もうメモ書きしては、ヴァージンメガストア京都をうろついた。
でそんな中で出会ったのがこの一枚。
エロティックさよりストイックさが感じられる繊細で真摯なソウルミュージック。
乾いたリズムが生み出す静かなる熱狂。
聴いてるとなんだか神聖な気持ちになるから不思議だ。


2005-08-18「セヴンティーン」
さて、昼は吉野家で豚生姜焼定食。
なんだかなぁ・・いや、おいしいんだけどね。
舌がとろけるほどの美味いもんが喰いたいなぁ・・と。
夜は映画でも観にいくかと思ってたが結局なかなか仕事終わらず。
なんだかなぁ・・いや、別にいいんだけどね。
閉店間際のパルコにでも駆け込もうかと思ったが、今日は休みでやんの。
で今日の通勤音楽は、ピチカート・ファイヴ「ベリッシマ」。
ピチカート・ファイヴからヴォーカルの佐々木麻美子嬢と鴨宮諒氏が脱退したってニュースを知ったのは87年の終りだったか。
名盤「カップルズ」に痺れに痺れていた僕は、「どぉなっちゃうんだよぉ」とうろたえた。
ピチカートと言えば、あのウィスパーヴォイス。
ヴォーカリストが脱退って!とピチカートの行く末が全く見えなかった。
「カップルズ」は本当に素晴らしい盤だっただけに、なんて勿体無い、このまま幻のバンドになっちゃうのかと残念にすら思っていた。
でそこにまた入ってきたニュースが、新ヴォーカリストは男というニュース。
いや、ピチは趣味のいいポップバンド、テクノでありA&Mでありバカラックであり、そんなバンドに男性ヴォーカル?
その男性ヴォーカリストは田島貴男、「天才少年」と紹介されていた。
そして88年9月に発表されたアルバムがこの「ベリッシマ」。
僕は17歳で、まだ童貞だった。
いつものように発売日の前日にCDを買って、すぐに部屋で聴く。
これが「ソウルミュージック」との出会いでもあった。
頭の3曲「惑星」「誘惑について」「聖三角形」を聴いて、田島貴男は単にヴォーカリストというだけでなく、小西・高浪という素晴らしい作家を凌ぐほどの才能に満ちた音楽家であることがわかった。
いや、驚いた。
ほんとに「天才少年」だと思った。
「聖三角形」を繰り返し繰り返し聴く。
ベルベットのように柔らかでエロティックなストリングスの響き、絡みつくハーモニカの音色、ゴスペル風のコーラスが浮かび上がるエンディング。
痺れたねぇ、痺れた。
スティールパンの涼しげな響き、まさに「黒いバカラック」な高浪作「ワールド・スタンダード」、そして小西作の名曲「これは恋ではない」。
この曲の持つ、達観したような目線、無常観はその後の小西作品の基調となっていく。
「これは恋ではなくて/ただの痛み〜きみは天使じゃなくて/ただの娘」と唄われるこの曲、デートの後に何度となくこの曲が頭を巡ったことがある。
ま、童貞じゃなくなってからの話だ。
もちろん、その後これまた小西作の「日曜日の印象」まんまの日々を送ってみたりして。
夜道を「神の御業」を聴きながら歩く。
「どうにもならないこと/それは神の御業」思わず口ずさむ。
どうにもならないことばかりに翻弄されているが、それも神の御業・・・と思うことにしよう。
それともう一つ。
このアルバム、なんといってもアートワークが素晴らしい。
信藤三雄率いるコンテンポラリープロダクションの名前をハッキリ意識した最初のアルバムでもあるのだ。
で全然関係ないけど「ウ〜コンのチ〜カ〜ラ〜」ってメロディが頭から離れないんだけど、どうしてくれるのか、山川豊&木の実ナナ&黒谷友香。


2005-08-20「昨日と今日」
そんな訳で、まずは昨日の話から。
金曜、一日休暇をとる。
午前中、娘が宿題やってる間にアナログフィッシュ、ボニーピンク、サンボマスターなんかのシングルをチェックしたりしてダラダラと。
で午後から夏の家族旅行に行く。
「海に行きたい、ホテルに泊まりたい」という娘のリクエストで、近場ではあるが兵庫県舞子まで。
ま、僕は義母・妻・娘の女三代を乗せての運転手という役どころ。
なかなか、キビシーでしょ。
高速飛ばして約2時間。
まずは須磨水族館へ。
イルカショーとかラッコの餌やりとか観つつ。
暑さと疲労でイルカショーほぼ寝てしまったが・・。
でまぁなんやかんやとありまして、夜、一人ゆったり、大浴場へ。
デカイ風呂はいいなぁ・・・。
で今日の話。
昨日からテンション高めの娘は6時には起床。
普段は9時すぎまでダラダラ寝てるのに。
なんというわかり易さ。
さすが子供!
朝からひとっ風呂あびて朝食。
朝食はバイキングスタイル。
いつも「和」で攻めるか「洋」で攻めるか迷ってしまう。
ごはんに味噌汁を柱に和での組み立てを試みるも、やはり焼きたてパンやスクランブルエッグにベーコンなんてのも捨てがたい・・迷った挙句、ベーコンと漬物を同じ皿に盛ってしまうようなトンチンカンな朝食になってるもんだ。
ごはん、お粥、パンをちょっとづつ食べてみるとかね、基本卑しいんだな。
味噌汁のあと、グレープフルーツジュース飲んじゃったりしてね。
で朝9時には舞子浜へ。
海なんて何年ぶりだろうか。
うっ、海水がチメたい。
娘といっしょに遊びつつ、そーいえば子供の頃、海に連れてきてもらったなぁ・・とか思う。
小学生の頃は、夏の家族旅行は楽しみだった。
あの頃、親父は僕を遊ばせながらどんなことを考えてたんだろう。
今の僕みたいに、フラフラ揺れてたり、大人になんかなれねぇなぁと、もう大人なのに悩んだり・・なんてことはあったのだろうか。
まぁ、いい。
馬鹿でまぬけなこのボンクラ頭、波に洗おう。
午後は午後でホテルのプールでひと泳ぎ。
娘元気でなによりだが、元気すぎやしないか?
へとへとになる。
で帰宅。
もちろん車中では女三代完全に寝とりますが、運転手はそうは行かない。
水泳のあとの眠たさってのは尋常じゃないことはご存知でしょうか。
でも、やるんだよ。
あー、そう言えば子供の頃、家族旅行の帰りの車中、確実に僕も寝てたな。
申し訳ない、そしてありがとうとあの頃の親父にいまさらながら。


2005-08-21「Heroes And Villains」
8時起床。
午前中、娘は近所の友達と地蔵盆へ。
その間に床屋に行って散髪して、本屋に寄って「江口寿史 JUMP WORKS ストップ!!ひばりくん!」購入。
午後からはマンションの理事会。
実に4時間もかかる。
途中、完全に寝てしまった瞬間があって、他の理事会の方たちにバレてないかドキドキするダメ世帯主であった。
夜、ビデオで昨晩BSでやったブライアンウィルソンの「SMILE」制作のドキュメンタリー観る。
家でのリハ中、完全に心ここにあらずでうつろな目をしたブライアンを見て、妙に焦った。
がライブを終え、音楽を取り戻したブライアンに感動。
この繊細さゆえに、あれだけ美しく悲しい音楽を奏でられたんだろう。
感じすぎるということは、時に生きることの邪魔になってしまう。
鈍感であればあるほど、この世は楽に生きられるのかもしれない。
でも生き難いことを承知で、「感じる」ことを失いたくない。
そんなことを思いながら・・・。


2005-08-22「ゴーゴー女王陛下」
さて、休み明けの月曜日。
あんまり休んだ感がないんですが・・。
で通常営業でお仕事。
夏も終りだ、まだ暑いけど。
帰りの音楽は、「ベリッシマ」の次はこれでしょ「女王陛下のピチカート・ファイヴ」。
ピチカートの89年作。
これも、かの「ベリッシマ」以上に衝撃的だったなぁ。
なんせ「女王陛下のピチカート・ファイヴ」ですよ。
こんなタイトルありえなかったもの。
「オードリィ・ヘプバーンの休日」なんて曲からアルバムはスタート。
デビュー曲「オードリィ・ヘプバーン・コンプレックス」を思い出すしかないこの曲に続いて「新ベリッシマ」。
これにはマイった。
前作「ベリッシマ」の歌詞からの引用、再構築で、あのある種真面目で神聖なアルバムを自ら笑い飛ばし、おちょくるかのようなロックナンバー(激シブなギターは花田裕之!)。
小西康陽という人は、とんでもない天才だ!と、この曲ではっきりとわかった。
でこのアルバム、小西、高浪、田島の3人が3人ともそれぞれの芸風で素晴らしい名曲を書いてて、その一曲、一曲のクオリティの高さにも驚かされる。
小西作「恋のテレビジョン・エイジ」のキュートなポップセンスとクールな詞。
「TVはついてるけど/死にたくなるほど/ふたりはいつも退屈/愛してるのにね」というこの視線、この感じ・・たまらない。
野宮真貴が初参加した「衛星中継」も実にキュート。
この曲で描かれる世界、05年に感じるのは、これはまるでインターネットの世界を唄ったみたいじゃないかということ。
これは今日の新しい発見。
田島貴男は「リップ・サービス」「トップ・シークレット」とエロティックなソウルミュージックを決め、オリジナルラヴでも歌い継がれる傑作「夜をぶっとばせ」で完璧なポップミュージックを披露。
そして高浪敬太郎作が実にいい味わいがあるのだ。
「バナナの皮」は小西-高浪コンビの最高傑作だと思う。
そして「ホームシック・ブルース」でのピースフル・シンガーソングライターぶり。
現在は裏方仕事が主な高浪氏だが、ソロアルバムを切望する。
今こそシンガーソングライターとして「いい曲」を聴かせて欲しい。
とにかくこれもまた捨て曲無し。
でも89年、このセンスは桁外れに突出していた。
日本だけじゃなくて世界的にも。
この数年後、ピチカートは世界中を巻き込む怒涛の展開を見せるのだが、その最初の一歩。
「カップルズ」も「ベリッシマ」も大好きだったけど、ピチカートってホントはこんなバンドだったんだと一皮向けた印象を持ったし、一生ついて行こうと心に決めた。
うん、そうだな狂った。
このアルバムには狂った。


2005-08-23「やるせなく果てしなく」
朝、雨が降りそうな、大丈夫そうな、そんな空。
まぁいいだろうと、傘は持たずに家を出るが、やはり途中で雨が降り出す。
考え出したら切りが無い。
悪く考えようと思えばいくらでも考えられる。
モノゴトを見るとき、いつからかその裏側、その裏ばかりを読むようになってしまった。
くだらない癖が身についちまったもんだ。
疑心暗鬼の風に煽られ、不安の海に投げ出された時、「どうってこと、ねぇですよ」と錨を降ろして、踏ん張るだけのちょっとした強さのカケラが、僕の中にあるだろうか。
自分を信じるなんて簡単にはとても出来やしないけど、ただ一つ僕は運命を愛してる。
言葉を吐くことでバランスを保ってる。
よくわからないモノローグでスイマセン。
でここから通常日記。
そうそう、今日どうしても紹介したいアルバムがあります。
明日8/24に発売される加藤千晶「おせっかいカレンダー」がそれ。
滋賀県内で配布されているある情報誌にこのアルバムの紹介記事を書きました。
稚拙な文章ですが再録します。

加藤千晶「おせっかいカレンダー」
CM音楽やNHK教育の「ピタゴラスイッチ」等への楽曲提供で知られる加藤千晶、5年ぶり3枚目のアルバムがこの「おせっかいカレンダー」。
そのタイトルが示す通り、一月から始まりなぜか十三月で終わる音楽のカレンダー。
部屋に貼ったお気に入りのカレンダーみたいに、生活のそばにあって、ふっと心を優しくしてくれる、そんなアルバム。
彼女の作る音楽は、決して派手なものじゃないし、何百万枚と売れるものじゃないかもしれない。
でもここには量産型の音楽モドキとはまるで違う「本物の音楽」がある。
毎日の生活の中から、そっと生み出された音、言葉が楽しげに舞っている。
鳥羽修や高橋結子といった腕が良くって、ハートのある音楽家達と奏でられる音楽は、とても小さいけど、しっかり愛情が込められてる。
そう、街の小さなパン屋さんが作る、懐かしくて温かでとてもおいしいクリームパンみたいにね。
独特の情緒とユーモアが心の奥の柔らかな部分に触れる時、加藤千晶の音楽がそこにあることの喜びを知るだろう。
まずは自分の耳で聴いてみて。

もし、この文章で少しでも興味を持ってもらえたなら、[加藤千晶食堂]で試聴もできるので聴いてみて。
そして気に入ったら、買ってじっくり聴いてみて欲しいな。
ホント、かわいくて素敵なアルバムなんだ。
夜、いつものようにブログ見て廻る。
いつも見てる[こちら]で、ほぼ日の糸井重里の文章が紹介されてて読んでみる。
とても勇気づけられる。
こういうヒントをこのタイミングで与えられる。
やっぱり僕は運命を愛してる


2005-08-24「life-size rock」
気持ち新たに一日の始まり。
正直に真っ向から取り組む以外ないのだ。
で今日は京都営業。
またまた「いわふじ食堂」へ。
今日は「かつおたたき定食」。
きれいな薄ピンク色のかつおのたたきは絶品。
生姜とねぎ、ポン酢でもはや最強。
かぼちゃの煮つけ、水菜のお浸し、味噌汁の具は麩とわかめ。
ただひたすら味を堪能する。
そして近くの「三月書房」を覗く。
別に何を買うってわけではないのだけど、このイビツで真っ当な品揃えの「世界一の本屋」、その空間にいると、なくしかけている何かを補充しているような気分になる。
夜はイベントに顔出す。
某アーティストのライブ。
結局ライブは観ることなく、裏方仕事の手伝いに追われることになる。
で10時過ぎ帰宅。
あっ、今日も言っとこう。
加藤千晶さんのニューアルバム「おせっかいカレンダー」は今日発売。
例えばこのタイトルの呑気さにホッとするあなたなら、きっと気に入るはずの音楽。


2005-08-25「LOUDLAND!」
台風が近づいてるらしいが、特に何もない。
夜、大阪まで試写会に行こうかと思ってたのだが、何だか大阪まで出るのがしんどくて止める。
それでも会社帰り、無性に映画が見たくなる。
つーか、映画館の暗闇が恋しくなる。
で家の前をスルーして、滋賀会館シネマホールへ。
JIM JARMUSCH監督「COFFEE AND CIGARETTES」観る。
上映5分前で客は僕一人。
ついに貸切状態か!と思ったら3人入ってきた。
それでも計4人なんだから、採算とれてんの?とちょっと心配になる。
で映画は、うわぁ、もうジャームッシュ丸出しですな。
11本のショートストーリー、小道具はコーヒーとタバコ。
様々な場所で繰り広げられる会話はどこかぎこちなく、噛み合わない。
コーヒーとタバコが取り持つ微妙な「間」が描かれるわけだ。
個人的な好みで言わせて貰うなら、もっとベタでも良かったな。
ちょっと鼻につく感じがあるんだよね。
確かにセンス良くってかっこいいんだけど。
音楽は抜群だし、ケイト・ブランシェットやトイギー・ポップ&ム・ウェイツなんかの話は完璧だと思う。
でこれ日本版も作って欲しいな。
コーヒーとタバコじゃお洒落すぎるから、僕ならここは「あんみつ」に置き換えたい。
なんで「あんみつ」を喰ってしまっているのかも含めて話に出来るんじゃないか。
もう組み合わせの妙だけが命みたいな風に。
例えば、談志と円楽とか、役所広司と杉作J太郎とか、伊東四朗と松尾スズキとか、山川豊と哀川翔とか、横山剣と田島貴男とか、中井貴一とバッファロー吾郎とか、小泉今日子と中島美嘉とか・・なんかイマジネーション膨らむ組み合わせで。
こんな映画があったら絶対観る。
なお掲載している画像と「COFFEE AND CIGARETTES」はなんの関係もございません。
にしてもこれぞ日本映画の愛すべき部分だよな。
どうみてもダチョウ倶楽部の竜ちゃんにしか見えない西田敏行には頭の下がる思いだが、ここでの笑いのツボは解りにくいかもしれませんが、むしろタキシードを着て、高嶋忠夫ばりに親指を突き出す三国連太郎だ。
その軽い微笑み具合が最高!ぜひこのチラシを探しにだけでも映画館に行ってください。


2005-08-26「テーブルにひとびんのワイン」
夜中、暑いのと痒いので何度も目を覚ます。
なんでこんなに蚊にくわれてるのか?
でもう夏の終りなのに今日はやけに暑いな。
いきなり夜の話。
今日は京都で大好きな友達と飲む。
日本酒とメガネの会だ。
ここんとこちょこっと、へこんでたんだけど、おいしい料理と日本酒とオモロな会話で一気に吹っ飛ぶ。
「ロマンチックすぎる、乙女度高すぎ!」と突っ込まれつつ、それもまた楽し。
なんかもうぶっちゃけトーク全開で、全部見透かされてて、ちょこっと傷ついても、それを越えるオモロでなんか吹っ切れたな。
ベロベロに酔っ払う。
そう今日聴いてたのはピチカート・ファイヴ「プレイボーイ・プレイガール」。
多分このアルバムって「ベリッシマ」や「女王陛下〜」や「月面軟着陸」や「女性上位時代」に比べると、衝撃は少ないしあまり語られることもないだろう。
ある種、倦怠期的な作品ではあるのだが、ここに収められた楽曲の素晴らしさは特筆に価する。
作家・小西康陽の本質が伺える作品ばかり。
窪田晴男のホーンアレンジが効いた「新しい歌」、ブレッド&バターが美しいハーモニーを聞かせる「不思議なふたつのキャンドル」、ソフトロック直系の「大都会交響曲」も、とにかくもう生理的に好きとしか言えない楽曲ばかりなんだ。
その中でも特に、特に好きなのが「きみみたいにきれいな女の子」。
このロマンティックに過ぎるタイトル、女性に対する幻想に近い崇拝は、女子からすれば「アホか」と呆れられるかもしれないが、もうどうしようもない。
これは青春時代丸っきりモテなかった男の宿命なのだ。
こんな曲は決して福山雅治には作れないだろう。
作れっこないや。
「きみみたいにきれいな女の子が/どうして泣いてるの/きみみたいにきれいな女の子は/他にいないのに」だなんて!
このフレーズを聴く度に思い出す女の子が一人。
彼女はいつもちょっと悩んでいて、僕は人のいいおじさんとしてありふれた慰めの言葉を少しと、この歌をこっそり捧げた。
いつものようにただの片想いなのだけど、それでも僕はこのフレーズを捧げずにはいれなかったのだ。
彼女は今ごろ、何をしてるのかな?
多分僕のことなんか、もう丸っきり忘れてるだろうけど。
ん?この歌が発表されたのは98年。
僕が結婚したのが95年だから・・あれっ?
この話はオフレコで・・。
こんなことばっかり言ってるから「乙女でドM」とか言われんだな。
ごめん、今日はベロベロに酔ってる。


2005-08-27「眠そうな二人」
朝、起きれない。
二日酔いとまではいかないが、なんだか頭がボンヤリ。
妻と娘は出かけてしまったので午前中は一人。
それをいいことにただ、ただ、ボンヤリ過ごす。
午後、夏休み最後の土曜日ということで、娘と市民プールへ。
ガラ空きの市民プールで2時間ばかり遊ぶ。
スイミングスクールに通ってる娘は、きれいなクロールで25mを泳ぎきる。
凄い。僕がクロールで25m泳げたのは小学6年生の夏だったっけかなーと、プールに浮かんでボンヤリ考える。
夏の終り、空の青さもなんだかボンヤリしてる。
プールから出て、マクドでシェイク(僕はチョコ、娘は今だけのマスカット)飲みながらだらだらお喋り。
プールの後は眠くなるなぁ・・。


2005-08-28「GO GIRL」
昨日の「アメトーク」。
メガネ芸人集合、ってくだらなくてオモロ。
朝は8時起床。
朝からマンションの理事会。
イロイロとあって大変。
結局4時間会議で途中抜け。
で急いで娘のピアノ発表会へ、ビデオ持って。
口をへの字にして娘登場。
夏休みの間、毎日ほぼ泣きながら練習していた娘。
朝の段階でもやっぱりミスは残ってたのだが、それでもしっかり弾いていた。
でも凄いもんだ。
僕はピアノ弾けないから、両手でしっかりピアノ弾ける娘に、素直に凄いなと思う。
そう、尊敬してもいい。
君は素晴らしいよ。
帰宅して「漫才アワード」の決勝戦だけ見る。
麒麟、NON STYLE、アジアンの3組。
結果、優勝・麒麟だったが、僕が決勝戦だけ見た限り、NON STYLE、アジアン、麒麟の順だった。
24時間テレビは、武道館で宙吊りにされている円広志だけ観る。


2005-08-29「ある晴れた日に」
昼間はまだ暑いとはいえ、8月も終り、見事に涼しくなってくもんだな。
仕事、9月からちょっとした移動ありイロイロと思案。
しばらくはちょっと中途半端な感じもあるが、新たに一歩、階段を上がる心境で。
夜、得意先さんの送別会へ。
仕事先の中でも特に仲良くしていた方が退社することに。
僕より随分若いんだけど、ほぼ入社時期もいっしょ、趣味が合うこともあって、気楽な付き合いをさせてもらっていたから、ちょっと寂しい。
人は運命を選んでるんじゃなくて、運命に選ばれていくんだと思ってる。
これは経験の上で、実感としてそう思ってる。
だからきっと彼もまた運命に選ばれたのだろう。
人はさよならを言う為に出会ってしまう。
でも出会わなければ、さよならすら言えないのだ。
とかなんとか思いながら、送別会の後、一人歩く。
さよならだけが人生なのかな。
それでもやっぱり僕は人と出会うんだろうな。


2005-08-30「青空は天気雨」
昼、久しぶりに温かいうどん。
美味しい。
少し残業して会社を出ると、ひどい雨。
僕の役立たずな折り畳み傘じゃ、ずぶ濡れになるのもしょうがない。
半分諦めて歩き出すと、バス停の前でちょうどバスが止まる。
小さなことだけど、ついてると思うことにする。
おかげでずぶ濡れにならなくてすんだ。
今日聴いてた音楽は、PSY・S「Mint Electric」。
87年作の3枚目。
PSY・Sが大好きだったとよく言っているが、正確にはこの3枚目までのPSY・Sが大好きだったんだ。
4枚目以降のPSY・Sは、ライブを精力的にこなし、セールス的にも成功を収めていくんだけど、僕の耳には「大人」になりすぎた音だった。
なによりメロディにマジックが感じられなくなってしまったのが寂しかった。
でこの「Mint Electric」は、言うなれば「思春期」の音だ。
彼等の代表曲とも言える「Lemonの勇気」。
いつになくストレートなサエキけんぞうの詞、正統派ロックギターはいまみちともたか。
チャカの歌声は気恥ずかしいぐらいに、真っ直ぐで真っ正直で。
ホントは好きなタイプの曲ではない。
僕は多分に叙情的でウェットな男だけど、表現としては基本的にカラカラに乾いたPOPが好みなのだ(もちろん例外もあるけど)。
でもやっぱりこの「Lemonの勇気」を聴くと特別な感情が呼び起こされる。
17歳だった僕は、この曲を聴いてたまらない気持ちになっていたのだ。
「のどをうるおす愛が/枯れてしまっても/光感じる瞳ひらき/見つめるのさ」だなんて、今聴いてみてもくさい言葉だと思う。
でも、いつも下を向いて歩いてたあの頃の僕にとって、この曲は確かに「光」だった。
てなこと思って、もう何回目のリピートだろうってぐらい聴いてしまう。
それと「ガラスの明日」って曲が大好き。
胸躍るな、これは。


2005-08-31「最後はヌード」
8月も最終日。
夏も終りと言うわけだ。
後何回夏を過ごす事になるのかわからないけど、とにかく05年の夏は終わった。
イロイロあったのか、そうでもなかったのか、感情はいつもフラフラと揺れてるけどね。
実に3週間ぶりに合気道へ。
いきなり2時間はキツイッっしょ・・ということで1時間遅刻して。
それでも十分、汗かく。
脳みそを丸洗いしたくなる時がある。
考えすぎのこのボンクラ頭が邪魔くさくってしょうがない。
もっと素直な心持ちで毎日過ごしたいものです。
いや、何があったって訳じゃない。
ただそう思うこともあるのだ。


2005年9月上旬の日記へ


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