2005年4月上旬

2005年4月上旬の話・・・
なんつってもここは「あがた森魚」。
ついに辿り着いたかとちょっと感動したな。
様々な偶然と必然、出会いが連れてってくれた場所。


2005-04-01「あの日あの場所で」
4月1日である。
ま、別に何もないけどね。
にしても朝見る番組がないなぁ。
昼は久しぶりに「天下一品」でこってりラーメンと豚キムチ。
うっ、濃いな。
夜は課で飲み会。
上品なお店で穏やかに。
こういう穏やかな感じは嫌いではない。
酒の席っていまだにどう振舞っていいのかわからない。
ただ空虚に盛り上がる飲み会ってのは苦手。
酔った勢いでというか、酔ってることを言い訳にしたら、何しても許されると思ってる人と呑むのはイヤ。
仕事の話する人、説教しだす人もつらい。
楽しいの基準は人それぞれ。
ま、その基準が近い人と過ごすのが結局心地いいんだろうな。
通勤の音楽は加藤いずみ97年作「Sad Beauty」。
けすいけさんのブログで素晴らしいレビューを書かれてて、それ読んだらふと聞き返したくなったので。
カーネーション、上田ケンヂプロデュースで名盤。
ささくれたバックトラックに乗る彼女の歌声の可憐なこと。
「Sad Beauty」ってタイトルが持つ印象。
はかなさと強さが同居する不思議な感覚。
改めて聴いてこれはとんでもない名盤だと思う。


2005-04-02「太陽コロゲテ46億年」
8時半起床。
豆乳パンといちごの朝食で、後はダラダラと。
「ドレミノテレビ」の特集をやってたので見入る。
大野由美子や鈴木正人など錚々たるアレンジャー陣。
UAいや「うぅあ」の唄声一発で、そこに世界が広がる。
素晴らしい。
これを聴いて、将来音楽家を目指す子供が何人かでてくるだろうか。
伝える努力を惜しんではいけない。
で、今日はライブ観にいく。
水口文化芸術会館ロビーエントランスでのあがた森魚with武川雅寛。
あがたファンの友人を乗せいざ水口へ。
ちょっと早く着いたのでパスタで腹ごしらえ。
ペペロンチーノうまし。
万全の体制で会場に。
自由席だったので一番前の真ん中にガツンと陣取る。
おぉ、こんな間近で観るなんてはじめてかも。
でライブスタート。
前座の地元素人バンドの“困った”演奏に苦笑つーか、もう・・(以下自粛)。
で改めてあがた森魚、武川雅寛登場。
おぉ2mないぐらいの至近距離にお二人が!
素晴らしい!!
大感激のライブでした。
もう、泣きそうになる瞬間が何度も。
あがた森魚はあがた森魚としかいいようのない存在感。
あらゆる感情が渦巻く大きな塊が、音楽の波動となって、その歌声からギターからピアノから胸を打ち抜く。
そして武川雅寛のヴァイオリン、マンドリン、トランペット、ギター、口笛etcが実に、実に・・もう言葉なんかじゃ追いつかない。
音楽で会話する二人の抜群のコンビネーション。
剥き出しの音楽がそこにあって、それを受け止められる幸せ。
これぞ、音楽の喜び。
大切なもの、大切にすべきこと、自分がすべきこと・・あがた森魚は30年以上変わらぬ純真さで真っ当に答えている。
音楽の魂、ブレの無い魂の音楽。
胸が熱いよ。
ラストに生「大寒町」。
素晴らしい!
あまりに良かったので01年作「佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど」購入。
友人に至っては、何枚買ってるのよ!と突っ込めるほどの大量買い。
早速買ったCDをカーステレオにセットし聴きながら帰る。
とても幸せな気分で二人して「良かった〜」連発。
34年と3ヶ月生きてきた、その中のわずか1時間ちょっとの出来事。
偶然が引き寄せ合って生まれた時間。
いつか、この時間が必然だったと思う日が来るだろう。
音楽ファンで良かった。


2005-04-03「楽しいとうれしい」
9時半起床。
フレンチトーストの朝食。
今日は一日のんびりと過ごすことにする。
昨日の余韻冷めやらず、朝から武川雅寛96年のソロ作「くじらのハート」流して、雑誌読んだり、書き物したり。
続いてガカンとリョウメイ01年のライブ盤「東海道五次」聴いて、同じくガカリョウDVD「[江戸ィな僕らのコラボリズム]」観る。
DVDは先日ネットで購入して、もう観終わるのが勿体無いのでちょっとづつ観てたのだ。
ポカスカジャン、ナポレオンズ、三遊亭好太郎とのコラボレーション、三者三様とてもおもしろい。
こういうライブがあるというだけで、東京に住みたいなぁと思う。
その現場に居たらどんなにか幸せだろうか、DVDでもこんなに楽しいんだから。
やっぱライブにはドンドン行かなきゃ、と昨日のライブ観て痛感。
今年は「本業・ウォッチャー」という覚悟で望むぞ!
昼はヤキソバとハムエッグ作って食べる。
昼からもビデオ観たりひたすらダラけて昼寝までしてしまう。
で夕方はマンションの理事会に参加。
一応社会人として・・。
あくまで本業はウォッチャーだけどね。


2005-04-04「億光年の岩で転げてる」
月曜。
スナックパンとオレンジジュースの朝食。
会議、来客と続いて3時になって昼食。
松屋で豚めし。
客は僕一人だったが、食べ終わる頃には6人に増えていた。
もしかして俺って福の神か?など思いつつ。
帰りの音楽はあがた森魚「佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど」。
なんなんだろうこの透明感は。
物凄く個人的なことしか歌ってないのに、まるで嫌らしい自己顕示欲が感じられない。
この感触ってどこかで感じたことがあるな・・と考えて思い当たったのが横尾忠則「コブナ少年」の読後感。
個を語ってるのに、結果としてエンターティメントになってる。
個人の記憶なんてのは氷山の一角に過ぎない。
人間はその脳の中に太古からの記憶を持っている。
個をつきつめることで、その人間がもつ深い記憶の領域、アカシックレコードに触れる。
そこで生まれた音楽は、聴く人の深い記憶を揺さぶる。
あがた森魚の音楽を、僕は生まれるずっと前から知っていたのだ。


2005-04-05「午後のレディ」
朝食はスナックパンと牛乳にハムエッグ。
もちろん、ハムエッグは自分で作りました。
昼、某飲食店を取材。
今から15年ほど前、桂文珍、由紀さおり司会の「おもしろサンデー」という番組があったのだが、そこに「サンデーレポーター」と呼ばれる素人レポーターが何人か出ていた。
皆、かわいくて当時大学生だった僕は毎週チェックしていたものだ。
でなんとその店の女将、見覚えあるなぁと思ったら「サンデーレポーター」の一人だった。
思わず「観てましたよ!覚えてますよ!」と自己申告。
「そんなん覚えてるなんて人、初めて」と女将さんにニッコリされ、ちょっと嬉しい。
・・アホや。
今日もあがた森魚聴く。
音楽ファンになって20年。
「あがた森魚」の名前は随分前から知っていたが、今になってここまではまるとは。


2005-04-06「あなたから遠くへ」
夜中、鼻が詰まって息苦しくて、何度も目覚める。
ついに来たな、花粉症。
今朝もハムエッグ作って食べる。
なぜハムエッグかというと、貰い物のハムが賞味期限切れになっちゃったので急いで食べてんだよ。
で今日は一日、鼻がムズムズ。
なんだか頭が痛い。
京都営業、麩屋町二条の定食屋でとんかつ定食も、イマイチ調子悪く十分味わえず。
あまりにしんどくて、外回り切り上げて社に戻る。
うー苦しい。
結局、合気道休む。
それにしても、なんなんだろう渡辺満里奈結婚の報に漂う「がっかり感」は。
渡辺満里奈まさに同学年なんだが、おニャンコクラブでの鮮烈デビューの頃のことはまるで記憶に無い。
その頃、夕方5時はテレビの無い部屋でレコードを聴くのが日課だったから、「夕焼けニャンニャン」自体観た記憶がほとんどないのだ。
が90年に入って彼女が放ったアルバム「a peace of cake」に収録されたフリッパーズギター作の「大好きなシャツ」「レイニーカインドオブラブ」はもう何回聴いたか。
ボーダーのシャツを着た当時の彼女は憎らしいほどかわいくて、文化系男子はもう全員が全員、胸を打ちぬかれたものだ。
フリッパーズギター解散は彼女の取り合いが原因!?という都市伝説も今となっては懐かしい。
小沢健二が92年、彼女に書いた「BARTHDAY BOY」という曲は今でもたびたび聴く大好きな曲。
カップリングの「夜の日時計」はオザケンもファスートアルバムでセルフカバーしたぐらい名曲。
そうそう91年作「mood moonish」もソフトロックな名盤。
アートワークも最高・・とこれ、結構ファンですね、僕。
しかしそんな文化系男子の憧れだった渡辺満里奈が、結局元ジュンカッツ、現ネプチューンと結婚かよ・・。
いや、別にいいんだけどね。
野菜スティックセクハラ事件ぐらいしか思い浮かばんもんなぁ。
なんだか、ガッカリですなぁ。
しかし、世の中って得てしてそういうもんですね。
あんなに大好きだった彼女が、よりによってあんな奴と!ってことはよくあるんだよ。
結局、シャイをきどる文化系男子の想いなんてものは、常にスカイフィッシュを通じて宇宙と交信している女子((C)みうらじゅん)にとっては、何の意味も価値も無いのである。


2005-04-07「スパークリングジェントルマン」
今朝もハムエッグの朝食。
明日もハムエッグの予定。
今日も鼻が詰まって苦しい。
もう、鼻が詰まってるだけで憂鬱度6割増。
何喰ってもおいしくないや。
会社帰り、久しぶりにタワーと紀伊国屋に寄り道。
雑誌「ダ・ヴィンチ」蒼井優ちゃんの表紙に見とれる。
文庫本を読む女性の姿にグッとくるのは、僕だけじゃないだろう。
通勤の音楽はムーンライダーズ86年のライブアルバム「THE WORST OF MOONRIDERS」。
86年はちょうどライダーズ10周年の年。
そうか来年は30周年なんだな。
30年分の20年聴いてるわけか。
当時高校一年生、17分に及ぶ「夏の日のオーガズム(It's very very long orgasms)」を聴いた時の驚きと感動たるや・・。
このマッドでラジカルでそれでもポップな音に犯された耳には、ヘビメタもパンクも行儀良くて真面目すぎておもしろくもなんともなく聴こえた。
名曲「大寒町」を最初に聴いたのもこのアルバム。
あれ以来、僕の鼻歌チャートの一位はずっと「大寒町」。


2005-04-08「青空のマリー」
朝食は予告通りハムエッグ。
やっとハム無くなる。
今日も一日バタバタと仕事して終了。
週末の夜、映画を一本観る。
アレクサンダー・ペイン監督「サイドウェイ」最終日の最終上映に。
小説家志望のさえない中年男マイルスと結婚を一週間後に控えた親友のジャックがおいしいワインを求めて旅をする。
ワイン通のマイルスは別れた女房に未練たらたらの「負け犬根性」が染み付いた後ろ向きな男(この時点でもう共感してしまうのだけど)。
ワインよりナンパが目的のジャックは、いじけ癖のついたマイルスとは正反対。
結婚までの1週間を大いに遊んでやろうと企む。
そんな二人が過ごす一週間の出来事。
マイルスは自分と同じくワイン通の魅力的な女性・マヤ(演じるヴァージニア・マトセンが素晴らしい!)と出会う。
二人がワインを飲みながら、ワインについて語り合うシーンが美しかった。
二人は「ワイン」を語りながら、実は自分を語っている。
共通言語を持って二つの魂は惹かれあう。
けれど後ろ向きな男は、あと一歩をうまく踏み出せないでいる。
一週間の旅が終り、マイルスはまたいつもの退屈な日常の中。
世界中から置いてけぼりをくらったかのような毎日。
人生は基本的にブルーだ。
退屈で憂鬱で泣きたくなるほど世界は悲しい。
でも生きていて良かったと思える夜がある。
惹かれあう二つの魂は、いつか優しく一つに溶け合う。
しみじみといい映画。
男は、結局女性に褒められたいだけなのかもしれないなぁ。
ママに褒められたい甘えん坊のガキ。
たった一人でいい、自分のことを理解して褒めてくれる女性がいたらそれでいいのだ。
しかーし、これが難しいのだな。
映画観終えて、深夜12時前の湖岸を一人歩きながら、このさまよえる魂はどこに向かってるのか?と想う。
ディスクマンからはムーンライダーズの「青空のマリー」が流れてる。


2005-04-09「ナチュラル」
9時起床。
朝から娘はシルバニアファミリー広げて人形遊び。
僕はテレビ観たり雑誌読んだりダラダラと。
昼に買い物に出たぐらいで、もうずっとだらける。
何してたのか思い出せない・・。
夜は自治会の会合に出席。
こんなことも一応しなければいけないんですよ。
娘はひたすら人形遊び。
よくもまぁ飽きないものだと感心。
ダメ、今日は。
完全に脳みそまでストップ。
さっさと寝ます。


2005-04-10「Emptyhands」
8時起床。
朝からちょっと仕事に。
で2時間ばかし後、帰宅。
昨日の「めちゃイケ」ビデオで。
磯野貴理子オモロ。
スパゲティミートソースの昼食。
パスタ湯がいて、缶詰のソース温めるだけなんだけど。
午後になって両親来宅。
先週、兄貴が住んでる香港に遊びに行ってきたとかで、おみやげ持ってきてくれる。
香港かぁ、もう10年以上前に一度行ったなぁ。
当時香港映画に凝っていて、サリー・イップとかジョイ・ウォンとか好きだった。
香港でも結局CD屋に行ってフェイウォンのアルバムをジャケ買いしたり、サンディ・ラムとか懐かしいなぁ。
で午後、また少し仕事。
なんつーか中途半端な感じで。
3時間の後、帰宅。
「サザエさん」観ながら夕食。
ワカメちゃんの声変わってから初めて観たが、随分大人っぽい声だな。


2005-04-11「春の嵐の夜の手品師」
朝食はスナックパンに牛乳。
味気ない。
昼は吉野家で豚丼。
これまた味気ない。
とりあえず吉ブーストラップは入手したが。
で帰り道の音楽は、またまたあがた森魚だ。
「いとしの第六惑星」聴きながら、桜が満開の公園を歩く。
どこか違う星に通じる抜け道があるんじゃないかって気になる。
音楽よ、僕をどこか遠くにつれてってくれ。


2005-04-12「pissin’ till I die」
雨。
満開だった桜も、その花びらをアスファルトに散らす。
今日もそれなりに仕事。
昼は近くの喫茶店でピラフ。
子供の頃、母親が作ってくれた「焼き飯」にはタマネギとポールウィンナーだけが入っていた。
なぜだかふと思い出す。
帰り道の音楽は、やっぱりあがた森魚。
雨の中、聴こえてくるのは「大寒町」。
ま、今日はさほど寒くは無いが。
家着いて、急にムーンライダーズ01年のシングル「kissin' you till I die」聴きたくなって、繰り返し聴く。
武川雅寛のメロウなヴォーカルに、鈴木慶一の不器用なラップが絡む。
やけに胸にしっくりくる。


2005-04-13「体温と汗」
朝見る番組がなくなった・・と嘆いていたが、ついにNHKの朝ドラ「ファイト」を観はじめてしまった。
土曜日に1週間分まとめてBSで放送してたのを観てしまったので・・。
主演の本仮屋ユイカちゃんは「スウィングガールズ」でもいい味だしてたが、これで一気に国民的アイドルになるんだろうな。
爽やか過ぎて、完全に親目線で見てしまう。
でいきなり夜だが、合気道。
久々に2時間みっちり。
今、こうしてキーボードたたくのも辛いぐらい腕が痛い。
今日は思うように身体動かず。
どうも頭で考えるとダメだなぁ。
肉体が勝手に動くレベルに行くのにはまだまだ時間かかりそう。
練習後は部長らとロイホでビール飲みつつウダウダと2時間。
帰りの音楽は、週末のライブに向けてカーネーション「505」。
やっぱカーネーション、男泣きのロック。
最高!


2005-04-14「LONESOME BLACK BEAR」
朝食は塩鮭とご飯。
久々の米飯朝食。
ま、昨日の残りなんだけど。
営業車で激走中、ふいにカーラジオから流れてきた岡村靖幸「イケナイコトカイ」に感動。
男のダメさ加減、ロマンティックでセンチメンタルで最高。
もう何回も聴いてる曲だけど、名曲は聴く度により深く胸に響くもんだ。
殿堂入りの一曲。
会社帰り営業の皆で呑む。
お好み食べてビール酌み交わし、冗談言いながら。
たまにはこういうのも悪くない。
仕事だとかなんだとか色々あるけど、結局は「人間」なんだな。
帰りの音楽はカーネーション・直枝政広の傑作ソロ「HOPKINS CREEK」。
岡村ちゃんといい、直枝さんといい、センシティブな男心を真っ向から唄う姿はロックとしか言えない。
こんな男になりたいなぁ、僕も。


2005-04-15「COCKA-DOODLE-DO」
通勤音楽はカーネーション「LIVING/LOVING」。
僕にとっては墓場まで持ってくCD。
03年の夏、人生の転機にずっとそばにあった音楽。
春の風が吹き荒れている中、やるせなく果てしない人生を愚か者は走る。
あらくれて、あらくれて永遠と一秒のためのDIARYを記すのだ。
昼、営業で京都へ。
二条麩屋町付近、ちょっと三月書房に寄り道して鋭気を養う。
ぼんやり本の背表紙を眺めながら、俺はどう転んでも「ビジネスマン」にゃなれねーな、と思う。
金曜の夜は、「家帰りたくない病」が出てしまう。
いつものようにタワーと紀伊国屋に寄り道。
本が好きなのか、本屋が好きなのか、よくわかんないよ。
滲んだ月を睨み、桜吹雪が舞う夜の町を歩く。
時々、このまま歩き続けてどこか知らない世界に迷い込みたいと思う。
と、そんなことばかり言ってても仕方ない。
帰宅してクドカンの「タイガー&ドラゴン」観なきゃ。
それに明日は待ちに待ったカーネーションのライブだ。
音楽は鳴り止まないのだ。


2005年4月下旬の日記へ


今あなたがご覧になっているHPは「OFF! 音楽と笑いの日々」です。
引き続きお楽しみ下さい。