2005年3月上旬

2005年3月上旬の話・・・
冬から春になる季節。2月がわりと仕事に終われる感じだったのだが、ここでは一気に音楽寄りの日記に。知らず知らずのうちにバランスとってんだな。


2005-03-01「B.B.L.B.」
仕事で京都へ。
学生の頃バイトしていた麩屋町二条付近でちょうどお昼。
当時よく行った定食屋の前をふと通りがかったので、実に13年ぶりに暖簾くぐる。
今日の定食はカキフライ。
カキフライが5つ、キャベツにポテトサラダ、切ったみかんがちょこっと。ほうれん草のおひたし、ししとうとこんにゃくの煮物、赤だしの味噌汁には大きなサツマイモ、それにご飯がついて650円!懐かしさもあって大満足。
あの日、あの時、こんな未来があるなんて思いもしなかったな。
昼食後、少しブラッと。
世界一の本屋「三月書房」は残念ながら火曜定休。
あぁ久しぶりに会社サボって京都ぶらり旅したいなぁ。
で今日は「ちょっと用事が・・」などと言って6時半退社。
ホントはどうしても映画が観たかっただけなんだけど。
さすがに皆が仕事してる中、「映画観たいんで、じゃ!」とは大人なので言えないよね。
で大林宣彦監督「理由」観る。
いやぁ、もう「大林映画」でんなぁ。
嬉しくなるぐらいコッテコテの大林ワールド。
考えてみたら「大林映画」を映画館で観るのは98年「風の歌が聴きたい」以来じゃないか。
でこの「理由」は「大林映画」の記号、暗号がちりばめられていて、それでいて今まで観たことが無いスタイルの日本映画。
まさにアマチュア・アカデミーなインディー精神溢れる快作。
3時間近く、膨大なキャストながら破綻することなくしっかり観せられた。
画面のざらつき、淡く滲んだような光、フィルムの匂い。
これはどこを切っても「大林宣彦」な作品。
キャストも大林組総出演で、峰岸徹とか根岸季衣とかが出てきたら「きたーっ!」て感じになるなぁ。
個人的には「ふたり」「青春デンデケデケデケ」「はるかノスタルジー」(大林作品で特に好きな3本です)の柴山智加ちゃん(ってもう20代後半ぐらいなのかな)がめちゃめちゃ一瞬ながら出てたのが嬉しかった。
尾美としのりと林泰文が出てなかったのは逆に残念でしたが。
伊藤歩ちゃん(彼女のデビューは93年の「水の旅人」。山崎努が一寸法師という大林“迷”作の一つ。ガラガラの梅田ピカデリーで観たな)はいい女優さんになりましたねぇ。
宮崎あおいちゃんもナチュラルで良し(宮崎あおい、蒼井優、上野樹里、長澤まさみを「(文化系男の心をくすぐる)美少女四天王」と勝手に認定中)。
周りでも邦画を観てる人って少ないんだけど、こういう作品観ると「邦画も負けてないよっ」ってつくづく思う。
にしても何回でも観たくなるタイプの映画。もう一回観たい。


2005-03-02「不思議なリズム」
いきなりですが、清水ミチコ「歌のアルバム」がおもろい。
いや、おもろすぎる。
凄い、このアルバムはとんでもない傑作であります。
ホント教えたくないくらいに素晴らしい。
コッテコテの音楽ファン、コッテコテのお笑い好きは必聴。
ウェットのカケラも無い、カラカラに乾いたユーモア、ナンセンス。
モノマネ、ネタ、歌が最高のバランスで融合してる。
「野球中継」「イェル・ケ・クク」なんて既に何回もリピートしてるのに、まだ笑える。
矢野顕子完コピの「相合傘」も好き。
この日記読んでくれてる人、全員にお勧めしますよ。
もし、あなたが音楽と笑いを愛するなら、買って損はない。
僕が保証します。
水曜は合気道デー。
ここんとこちょっとだれ気味。
45分遅れで練習に参加。
やったらやったで結構気持ちいいんだけど、この寒さ。
靴下脱ぐのに勇気がいるんだよねぇ。


2005-03-03「ROCK ME BABY」
もう一度言いますが、清水ミチコ「歌のアルバム」がおもろい。
いや、おもろすぎる。
以下同文。
で、特に今日は(も)なんも無しな一日。
ひな祭りだなぁと思ってまっすぐ帰るが、テーブルにはラップされたちらし寿司(すし太郎使用)がぽつんと。
それも錦糸玉子無し。
即席味噌汁にお湯を注ぎ、茶を入れ一人で食う。
ケーキを食べた形跡があったので、俺の分ももちろんあるだろと冷蔵庫探すが無い。
風呂から出てきた家人に「俺のケーキは?」と聞くと、一言「無い」。
そんなもんだよ、しょうがない。
あぁ、どっか行きたい。


2005-03-04「ハッピー&ラッキー」
金曜。
なんだかんだで嬉しいね。
今日はハードに外回り、昼は久しぶりに吉野家で牛鉄鍋膳。
夜は先輩に誘われ、王将でビールに餃子。
なんだかなぁ。
帰りはセブンイレブンに寄って「妖怪人間ベムフィギュア」。
「ベラ」が出て、ちょっと嬉しい。
小さな幸せだな。
帰り道に雪が降り出す。
コレクターズ「夜明けと未来と未来のカタチ」聴きながら、ロックな生き方を模索。
なんつって。


2005-03-05「Something’s Coming」
土曜、仕事。
今日は某女性シンガーソングライターのトーク&ライブ。
ま、弁当用意したり受付でウロウロしたり、得意先に頭さげたりするよーな仕事なんだけどね。
で某女性シンガーソングライターさんはめちゃ美人でまともに顔見れなかったな。
いっぱい曲作って、いっぱいライブやればもっと良くなるアーティストさんです。
あと一歩のグッドメロディーに期待大。
がんばれ!
で後片付けとかして結局5時半退社。
まっすぐ帰ろうと会社出るが、気がついたらタワーレコードにいた。
メロウヘッドfeat.佐野元春「エンプティ・ハンズ」購入。
もうこれで帰ろうと思ったのだが、気がついたら紀伊国屋に1時間も居た。
「SIGHT」誌購入、特集は「究極のマンガ200冊!」。
江口寿史のインタビューとイラストが載ってて、イラストのほうは「2005年のひばりくん」というタイトルで描かれた究極の「美人画」でグッときたね。
「ひばりくん」と言えば、数年前から後藤真希主演で「ストップ!ひばりくん」映画化を!と言ってきたが、もはや旬を過ぎ、魅力失ったゴマキでは無しだなぁ。
そこで新たに「ひばりくん」役に推すとしたら・・「木村カエラ」ちゃんでどうよ。
これは案外、有りでしょ。
で土曜なんだから早く帰ろうと家に向かうが、気がついたら家通り越して、滋賀会館シネマホールのロビーに居た。
パク・チャヌク監督「オールド・ボーイ」観る。
・・参りました。
お見事です。
決して好きなタイプの映画じゃないんだが、唸っちゃったよ。
いや、参った。
一瞬の隙も与えず転がるストーリー、神経に突き刺さるような画の凶暴さ、それは同時に美しくもある。
純愛なんて生ぬるいものじゃない「愛」、そのセンチメンタルな詩情に泣いた。
そして後をひくラスト。
よくぞここまでのホラ話を作り上げた、見事。素晴らしい!
で10時やっと帰宅。
ポップ中毒なもので、ついついこうなっちゃう。


2005-03-06「いつのまにか晴れ」
いつものごとく、休前日は夜更かし。
で9時起床。
朝から自治会の寄り合いに出席。
一応、世帯主なのでこーいうこともしなきゃならんのですよ。
でその後、久しぶりに床屋へ。
オーダーは「とにかく短く!」。
・・・林家こぶ平みたいにされちゃったよ。
娘がまた熱。
この前はすぐに直ったんだけど。
でとりあえず病院つれてって薬もらってくる。
ホントにインフルエンザはやってるみたいだしね。
で今日はずっと家でゆっくり。
音楽聴いたり、本読んだりで穏やかに・・。


2005-03-07「ねむり」
娘、熱下がらずで学校もお休み。
夜、妻から「まだ熱下がらず、病院連れてく」のメール。
急いで帰る。
調べてもらったがインフルエンザの反応はでなかったとのこと。
でも顔赤くしんどそう。
結局、父親はオロオロするばかりなり。


2005-03-08「インパクト」
娘、とりあえず熱下がって一安心。
大事をとって学校は休ませる。
で今日もお仕事。
午後から某結婚式場のレセプション。
いろいろ説明ききつつ、模擬披露宴でコース料理食べる。
タダ飯って最高!(最低なこと言ってますね・・)
そうそう昨日はビデオで「ダイナマイト関西」観る。
松竹勢初参戦。
TKOの木下氏が力見せる。
今回は麒麟・川島氏が善戦で笑わしてもらった。
木村館長のマッチメイク、その采配ぶりは素晴らしい。
次回は東京でポイズンガールバンドとか出るらしい。
くーっ、いいとこついてくるなぁ。
それと帰り道の音楽はクラムボン「てん、」。
まだ最後まで聴けてないけど、これは凄まじいぞ。
トラックの凶暴さが尋常じゃないな。
それでいて、しっかり歌物のポップソングとして成立させてしまう原田郁子嬢のヴォーカル!凄い。
聴きこむに値するアルバム。
嬉しくなる。


2005-03-09「3月のせい」
娘、今朝は元気に学校へ。
朝から「あん!」で上海レポートする八木早紀アナのチャイナドレス姿に見とれる。
今日は随分暖かい。
でやはり花粉か、目がやたら痒い。
あぁ、うっとうしい。
昼、営業車走らせてると、やたら眠い。
春が近づいてきたんだな。
嫌いな季節じゃないんだけど、身体的にはなんだかだるくて、どうしようもない季節。
夜は合気道。
だれた身体と煩悩まみれのこのぼんくら頭を鍛えるべく練習。
本当に、俺という人間は欲深いダメ男だなぁ・・と思う。
生きてるだけで幸せなんだと、どうして感じられないのか。
そんなことを考える。
でそんなことを考えてる頭さえもきれいさっぱり洗い流したい気分なのだ、ここんとこ。
町山智浩アメリカ日記」のドキュメンタリー映画「売春窟に生まれついて」について書かれた文章読んで、胸が詰まる。
自分の甘ったれぶりを恥じる思い。


2005-03-10「hoshinoiro」
今日も目が痒い・・。
そんなことより、クラムボン「てん、」が凄いよ。
今日はモノラルバージョン聴いてたのだが、緊張と緩和が見事。
奔放なバックトラックと奔放なヴォーカルが緊張感を保ちつつ、幸福な融合を見せる。
スリリングでありながら、とても自由な空気が流れてる。
もう音に身を委ねると、こんな幸せなことはない。
素晴らしい!何度でも言う。
素晴らしいよ。
夜はお通夜。
いつかは僕のお通夜も開かれるのかな。
そんなこと考える。
30歳越えて、もう折り返し点きてるという感覚がある。
夜道をトボトボ歩く。
ただ歩く。


2005-03-11「加湿器の水」
今日もクラムボン聴きながら通勤。
う〜ん、素晴らしいなぁ・・。
やっと金曜、がんばって仕事。
タワーに寄り道したかったが間に合わず。
金曜には珍しくまっすぐ帰宅。
明日も明後日も仕事なので・・。
帰宅後、佐野元春をゲストヴォーカルに迎えたメロウヘッド「エンプティ・ハンズ」を何度も聴き返す。
深沼元昭による実に軽快でクールでドリーミーなバックトラック(最高!)に乗って、ポップヴォーカリスト佐野元春の「新鮮な」歌声が響く。
佐野元春なんて知らない、若い子らにガンガン聞いて欲しいな。


2005-03-12「スーパースター」
7時起床。
今日は仕事。
パルコでの某イベント。
ちょっとした雑用と後は何事も無いことを祈り立ち会うってだけなのだが・・。
しかし今日はとにかく寒い。
10分も外にいたら身体芯まで冷える。
でまぁ6時過ぎ終了して結局タワー寄り道。
夏木マリ「戦争は終わった」購入。
それと今朝割引クーポン付きのチラシが入っていたので、パーフェクトスーツファクトリーでネクタイを2本購入。
お洒落のセンスが皆無なのが、僕の昔からのコンプレックスなのだ。
夜、久しぶりに家族そろってご飯食べて、娘とお風呂入ってゆっくり。
そして部屋で夏木マリ聴きながら、ネット。
西寺郷太氏(ノーナ・リーブズ)の「マイケル裁判について」の文章。
これ僕からもお勧めします。
読んでみて。


2005-03-13「Dear Friend」
昨日は疲れて、夜更かしせずに就寝。
今朝は8時起き。
今日も仕事だが少し遅めで大丈夫なので。
で1件営業やって、今日もパルコでイベント立会い。
昨日に増して寒い。
雪まで降ってんだもの。
「世理奈」という女性シンガーソングライターのミニライブ。
仕事に絡むアーティストについては基本的に書かないようにしてんだけど、この人のソングライティング力は特筆するに値する。
多くは言いませんが、聴いてみて損はないかな。
で今日も休日出勤したので、ちょっと自分にご褒美ってことで和田アキ子「帰り来ぬ青春/生きる」購入。
ま、小西康陽プロデュースってことで。
それと鈴木さえ子「オリジナルサウンドケロック2」購入。
アニメのサントラで去年に続いての2作目。
なんと今作は鈴木さえ子ヴォーカル曲が4曲も収録ということで、まさにファン感涙。
ま、アニメは見たことないんだけどね。


2005-03-14「きれいな顔の女」
休み無しで月曜突入はさすがにシンドイ・・。
今日は某美術館の内覧会。
昼は古民家を再生した施設で、無農薬有機農法で作った食材を使った昼食をごちそうになる。
ご飯、味噌汁、煮物といういたってシンプルな昼食。
最後に出た干し芋が格別にうまい。
こういう食事を毎日してたら、物足りないだろうけど、健康的でいいだろうな。
帰り道の音楽は夏木マリ「戦争は終わった」。
小西-夏木コンビ、貫禄の一枚。
10年、20年、30年ずっと聴いてられる、そんな音楽。
2週間後にはブックオフで100円で売られてるような音楽が溢れかえってる中、この耐久性は貴重だ。
やっぱり、本気でちゃんと音楽として作られてる音楽は違うのだよ。
そこんとこはレコード会社に最もわかって欲しいな。
これって音楽ファンのわがままか?
にしても、夏木マリの表現力は素晴らしい。
「誘惑されて捨てられて」なんて曲を聴くと、まるで一編の映画を観ているかのよう。
カヒミ・カリィがかって歌った「アルコール」も野宮真貴がかって歌った「戦争が終わった」も、最初から夏木マリが歌うために作られた歌のように聴こえる。
素晴らしい。


2005-03-15「ナイトグライダー」
今日も寒いな。
夏木マリ「戦争は終わった」があまりにいいので、ジャズ好きのディレクターさんに聴かせる。
スタジオで大音量で聴くと、さらにいいねぇ。
ディレクターさんも気に入ってくれたので、番組でかけてもらうことに。
ヒット曲至上主義の放送業界に、謎の音楽ブローカーとして暗躍だ。
堂島孝平の新曲「ナイトグライダー」に感激!
まさにヤングシティポッパー、素晴らしい。
キラキラと輝くポップソング、最高!
胸が高鳴る。
世界はひどく悲しいけど、こうして音楽がある限り生きていける。
この気持ち、少しでも伝えたくて、こうして僕は日記書いてんだ。


2005年3月下旬の日記へ


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引き続きお楽しみ下さい。