2005年1月下旬

2005年1月下旬の話・・・
なぜか、やたら「マーラーカオ」について語ってますね。それと想い出のCD話も多い。ま、もともと懐古趣味な男なので。


2005-01-16「なんとなくなんとなく」
9時起床。
娘は昨日からばあちゃんのところにお泊り。
妻は既にバイトへ。
「おじょママ」とか見ながら、焼き魚、みそ汁、ご飯の朝食をゆっくりと。
映画でも観にいきたいとこだが、今月既に遊びすぎなので自粛。
部屋で音楽聞きながらHP更新したり本読んだり。
至福ですな・・。
で昼から娘迎えに京都の実家へ。
途中、京都のショッピングモールで買い物。
かっこいいシャツがあったので、思わず衝動買い。
・・・妻に頼んでカードで。
ここが情けないところなんですが。
で実家で夕飯。
かやくご飯に刺身、かぼちゃの煮つけ、だし巻き玉子。
今日はのんびりした休日。


2005-01-17「胸が締め付けられる」
月曜。
外は雨。
憂鬱度2割増ってとこだな。
昼は吉野家の牛カレー丼。
おいしいカレーが食べたいなぁと思いつつ・・。
一日の中で多くの音楽を聴くが、そのほとんどが同じ音してる。
とてもクリアな音だがまるで魅力を感じない。
正直、辛くて耳が堪えられなくなる時がある。
今日、まさにそんな感じで、会社を出て急いでディスクマンのスイッチを入れる。
帰り道の音楽は神森徹也「光と影」。
冬の匂いがする、ひとりの音楽が好きだ。
これはそんな音楽。
ほっとする。
月9ドラマ「不機嫌なジーン」。
小西康陽が音楽をしてるというのでちょっとチェック。
竹内結子ちゃんを見てると、昔好きだった女の子のことを想い出す。
ちょっと面影が似てて・・そんなことはどうでもいい。
あまり印象的な音楽ではなかったな。
結局、すぐ風呂に入ってしまう。
考えたら月9ドラマって今まで見たことないや。


2005-01-18「HOW ABOUT YOU?」
朝食はご近所さんから頂いたクリームパン。
なめらかなカスタードクリームはちょっとひつこかったかな。
昔からクリームパンは大好きだ。
子供の頃食べた近所の焼きたてパンの店・バードクレールのクリームパンが今でも僕にとってはNo.1。
カスタードクリームはなめらかではなく、むしろホロホロとした感触(表現が難しいな)で甘いんだけどしつこくない。
とりあえず、焼きたてパンの店に行くと、必ずクリームパンは買うことにしている。
しかしなかなかこれというクリームパンに出会えないでいるのだ。
そうそう昨晩、大槻ケンヂ「ロッキンホースバレリーナ」やっと読了。
去年から読んでたんだけどね。
大槻ケンヂの小説は、はっきりいって無駄が多くてスマートではない。
むしろ下手なんだけど、それでも(特にロックバンドを題材にした小説では)大槻にしか書けない「熱」があってその下手さすらどうでもよくなるのだ。
昼食は中華屋で天津飯。
しかし中華屋で食後に出されるコーヒーって微妙だな。
今日の帰り道の音楽は、急にジャズが聴きたくなってannie ross「sings a song with mulligan!」。
大学生の時に買ったCDだ。
ANNIE ROSSの歌声とGERRY MULLIGANのサックス、僕が思うジャズのイメージそのままだ。
大人で洒落ててロマンティック。
僕は無粋なコドモ大人だから、余計憧れる。
夜道を一人、クラゲみたいに漂いながらジャズに浸る。


2005-01-19「The King Of Rock’n’Roll」
今日の通勤音楽はPREFAB SPROUTのベスト盤「38 carat collection」。
洋楽は弱いんだが、PREFAB SPROUTだけは高校生の時に「From Langlet Park To Memphis」を聴いて以来ずっと聴いている。
完璧主義のロマンティスト、パディ・マクアルーンの書く曲は完璧な美しさを保っている。
ここにある音楽は、コンビニで垂れ流される音楽モドキの商品とはまるで違う。
音楽の輝き、それを感じられる幸せ。
毎週水曜日は合気道の日なんだけど、今日は道場の新年会。
駅前の居酒屋で大いに飲む。
普段は当然練習なので、こうしていろんな人とゆっくり話しするのは初めて。
仕事離れての飲みでちょっと飲みすぎてしまう。
途中、トイレに行って吐いてしまったのだが、その後少し記憶が飛ぶ。
倒れて後頭部を打って、お店の人が大騒ぎになった・・らしい。
廊下で寝てて起き上がった記憶はうっすらと。
水をもらってしばらくボケーっ座っていた。
飲み屋で倒れたのは新入生歓迎コンパ以来か。
とりあえずお尻がやけに痛い。
こけては起き、こけては起きを何度か繰り返していたよう。
帰りには復活してちゃんと歩いて帰ってきました。
こうして日記も書けてるし。


2005-01-20「人はそれを情熱と呼ぶ」
ラジオにサンボマスター。
「売れることが目的じゃないんですよ、音楽こそが目的なんですよ」「客が二人しかいない時も『俺達かっこよすぎて客が二人しかいない』って言ってましたよ」「最初、俺達を見て皆笑ってましたよ。でもだんだん皆笑わなくなったんですよ」などなど山口隆の、その青臭さ、その愚直さに感動。
中学22年生の、この34歳の青二才はサンボ師匠の魂の音楽に、心を震わせるわけですよっ!
昼食はジョイフルの日替わり399円。
今月も財布の中は寂しいぜ。
でも、やるんだよ。
自分を信じることは、とても難しい。
回りの人達の言葉は、天使のささやきなのか悪魔のささやきなのか。
惑わされて、ぐらついて、自分がすべきことは何なのかを見失ってしまう。
帰り道の音楽は、今日もPREFAB SPROUT。
コートのポケットに手を突っ込んで、背中を丸めて一人歩く。
今日の風はやけに冷たく頬を突き刺す。
25分の帰り道、頭の中で考えることは、考えても仕方の無いことばかり。
胸の奥にふつふつと浮かぶ押さえ切れない何か。
その何かが、ずっと引っかかってる。


2005-01-21「I Remember That」
金曜。
営業先の近江八幡は雪景色。
昨日、珍しく前の会社の後輩からメール。
近くに来たこともあり連絡とって昼ごはんいっしょに。
2年程前、毎日15時間ぐらい顔つき合わせて仕事してたI君、M君と「さと」で日替わり食べつつ会談。
転職して1年ちょっと。
いろいろ話し聞くとえらいことになってる模様。
一抜けした身としては、何と答えて良いものやら・・。
そのままちょこっとかっての仕事場に顔出す。
いっしょに働いてた子達はほとんど辞めていて、少し寂しい。
お前が最初に辞めたんじゃねぇかよ・・と思いつつ。
お世話になった所長とコーヒー飲みながら話。
一番ハードに働いてた頃、2ヶ月休み無かったり、2週間で7キロ痩せたり、朝の8時から夜の11時まで働いて、その後2時まで呑んだり。
どんなことでも、思い出になっちゃうもんなんだな。
夜はいつものようにタワー&紀伊国屋に寄り道。
「ミュージックマガジン」「ストレンジ・ディズ」「Cut」「映画秘宝」「クイックジャパン」雑誌一気読み。
「クイックジャパン」でサンボマスター・山口氏が「日本語のロックアルバム」を100枚選ぶって企画。
うち70枚ぐらい僕が好きなアルバムとかぶってる。
やっぱり、という感じ。
ピチカートとスライダーズを同時に選んでるなんざ、わかってらっしゃる。
帰って「金スマ」岩井志麻子編見る。
普通なら絶対見ない番組なんだけど。
浅草キッドの水道橋博士が「WEB Davinci」で書いてる岩井話が最高で、その水道橋博士が解説を書いてる「東京のオカヤマ人」を読み始めたところってのもあって。
呼ばれてる感じがあるんだよな。


2005-01-22「Big Kitchen」
昨晩、04年のベストソング集めてCD作ろうといろいろ悪戦苦闘してたら3時。
結局、作成ソフトの不具合で完成できず。
CD-R3枚も無駄にしちゃったよ。
で9時半起床。
朝から娘とハムスター小屋の掃除。
やけに餌の無くなり具合が早いな、と思ってたら寝床に大量の「ヒマワリの種」を隠し持ってやがった。
もう、掃除大変なんだから。
最近「Dr.スランプ」にはまっている娘のリクエストで、TSUTAYAまでアニメ版「Dr.スランプ」ビデオ借りに。
05年にアラレちゃん見ることになるとは。
昔から思ってるのだが漫画とアニメは全く別物。
この「Dr.スランプ」も原作のリズム感、クールな絵面が、全く再現されていなくて残念な出来。
いや、もう20年以上前の作品に文句言うことも無いが・・。
娘も「声のイメージが違う・・」との感想。
あっ、それ俺もアニメ版最初に見た小学生5年の時、思ったよ。
昼は、伊藤ハムのポールウィンナー、ミックスベジタブル、じゃこと卵で作るピラフ。
おっ、今日はバツグンのパラパラ具合、バターしょうゆの味付けも上出来。
で娘をスイミング教室に連れて行く。
待ってる間に石田衣良「うつくしい子ども」読了。
語り口の上手さ、スマートさはさすが。
少年犯罪という重い内容を題材にしながら、読後感はやけに爽やか。
闇を描くより、その先に続く「生」に重きを置いてるからだろうか。
ただ、優等生過ぎる小説で、そこがちょっと物足りなかったりするのだが。
帰って、吉田豪のインタビュー集「人間コク宝」、ROLLYのインタビュー読むが、事実は小説より奇なり。
ハードコアすぎる家庭環境などは石田衣良でも思いつかないだろう。
こっちは濃すぎるよ!好きだけど。
気分転換に夕飯作り。
冷蔵庫を開けて食材チェック。
大根、白菜、豚肉etc。
白菜と油揚げの煮びたしと豚汁を作る。
業務スーパーで買った「冷凍きざみ油揚げ」はもはや必需品だぜ。
フリーズドライの「たこ飯」の素も使っちゃおう。


2005-01-23「深呼吸」
昨晩はPCにトラブル発生。
必死の思いでなんとか復旧。
結局夜中4時前まで。
にしても今やPC無しでいられなくなってるな。
自分の脳みその外付けハードディスクみたいなもんだ。
これはこれで、まずいね。
普段、本やCD、山のような情報に囲まれて暮らしてる。
でもこんなもの無くなっても大丈夫だって気持ちも持っとかなきゃね。
朝は8時起床。
娘は地域の「キッズクラブ」でスケートに。
朝のうちに、買い物行ったり、ビデオチェックしたり。
年末の「オールザッツ漫才」やっと見終わる。
南海キャンディーズやっぱりオモロ。
昼になって娘帰ってきたと思ったら、すぐにマンションの友達んとこに遊びに行ってしまう。
しょうがないのでボケーっとビデオ見てたら寝てしまう。
あぁ、時間が勿体無い。


2005-01-24「SOMETHING ON MY MIND」
昨日はテレビで「友へ〜チング」見る。
学生服を着るユ・オソンやチャン・ドンゴン。
さすがに無理が・・。
しかし韓国フィルムノワールって感じで、なかなか良し。
韓国映画は幅があるね。
月曜の朝は起きるのが辛い。
朝食は山崎パンの「中華紀行・マーラーカオ」。
説明文によれば「中国の茶楼(レストラン)でデザート菓子として食されている蒸しカステラです。三温糖・かくし味の醤油を加えた独特の味わいの生地に、レーズンをトッピングしました。」ということだが、これがウマイ。
数年前、友達から「激ウマ!」と聞き、早速食べてみたらホントにおいしくて、見つけるたびに買ってる。
でもあんまり売ってないんだよね。
帰り道の音楽はTHE PALE FOUNTAINS「pacific street」。
ネオアコが急に聴きたくなったもんで。
84年まさにネオアコブームの頃に出たアルバムなんだけど、僕が聴いたのは90年頃。
青春の音がしてるなぁ、青くて、とんがってて。
今はもう忘れてしまった気持ちが、ここにはあるような気がする。
そんなアルバム。
帰ってテレビに中森明菜。
まさに世代なんだけど、あんまり思い入れないんだよね。
ま、単純に「好み」じゃなかったってことだな。


2005-01-25「水晶のピラミッド」
今日も朝食は「マーラーカオ」。
ほどよく下品な甘さが良い。
トッピングのレーズンも効いているね。
今日の帰り道音楽はShi-Shonen、86年作品「2001年の恋人達」。
あの頃、2001年はまだずっと遠い未来で、ちっぽけな世界でうずくまっていた僕には「2001年を生きる自分」なんてまるで想像も出来なかった。
そして、今や2001年は過去だ。
2001年の僕は、1986年の僕よりちょっとは大人だったろうか。
そんなことを想いながら、2005年の僕は「2001年の恋人達」を聴く。
1曲目「KISS KISS KISS」のカラフルなイントロを聴くたびに、僕は1986年の夏、ターンテーブルにこのアルバムを乗せて針を落とした瞬間のワクワク感とドキドキ感を想い出す。
音楽は僕にとって「タイムマシン」であり「どこでもドア」であり「タケコプター」なんだ。


2005-01-26「Spaced Cowboy」
朝食は「マーラーカオ」。
ホントにこれはねぇ・・ってもういい?
今日は仕事で、某和菓子屋さんへ取材。
最中とか甘味を頂戴しほくそ笑む。
しかしこのまま行ったら糖尿病必至だな・・。
今日は合気道ディだったが、仕事の都合で間に合わず。
残念な気持ちと、この寒さゆえ間に合わなくてホッとした気持ちも。
男心は複雑なのだ。
今日の帰り道音楽はスライ&ファミリー・ストーン「暴動」。
71年作品。
俺が1歳の時に作られたのかぁ・・すげぇぜ、この音。
“黒い”音、ぶっとくて、しなやかで腰にクる。
僕が最初にこのアルバムを聴いたのは大学生の時だが、この音の組み合わせ方、聴かせ方、いまだに聴くたび新鮮な驚きがある。
天才としか言いようがないよ。
改めて訳詞など読んでみるとかなりメッセージ色も強くて、やりきれない絶望を吹き飛ばそうとする切羽詰った想いがこの奇跡的な音を生み出したのかぁなんて考える。
それにしても「Runnin'Away」があまりにも気持ちよくって何回も繰り返してしまう。


2005-01-27「TOKYO’S COOLEST SOUND」
マーラーカオは食べきったので、今日の朝食はミニあんぱん。
今日は京都営業。
昼、たまたま通りかかったオムライス屋さんに入って、オムライスを。
チキンライスにふんわり卵、トマトソースというシンプルなの。
食べ進むと真ん中にポーチドエッグが入っていて、割ると中から黄身がトロッと。
チキンライスと絡まってなんともウマイ。
今日はあのサンボマスターが来社。
一ファンになってスタジオを覗き見る。
レコード屋に行けなくてまだニューアルバム入手できてないんだよねぇ。
明日は買いに行くぞ!
今日の帰り道音楽はピチカート・ファイヴ91年作「女性上位時代」。
昨日、スライ聴いてたらやけに聴きたくなったんだよねぇ。
もう、このアルバムは好きすぎて、なんていったらいいかわからない。
「月面軟着陸」という衝撃作にして大傑作を作って、田島貴男脱退。
いったいどうなるピチカート!と思ってたら、野宮真貴が加入。
ポータブル・ロックも大好きだったので、このニュースには驚いたと同時に嬉しかったな。
そして怒涛の91年。
「5×5」と銘打っての5ヶ月連続リリース。
今でこそ○ヶ月連続リリースって珍しくないけど、当時このやり方は画期的だった。
「カッコイイ!!」ホントにそう思ったね。
このシリーズはCTPPのアートワークも絶好調でジャケを何時間も眺めてたよ。
こんなに発売を心待ちにしたアルバムはない。
曲も全曲最高。
「私のすべて」は小西作の最高傑作かも、スライのサンプリングと細野さんのベースがうねる「大人になりましょう」はいまだに自分の心のテーマソングだ、「サンキュー」は今こそ聴かれるべき、ピチカートを世界に知らしめた「トゥイギー・トゥイギー」はクラブミュージックの歴史すら変えた、「しりとりをする恋人たち」の絶妙な構成は今聴いても鳥肌もの、そして究極のラブソング「きみになりたい」、はっきり言ってこのフレーズ何人かに使っちゃったよ・・相手にされなかったけど・・。
・・とまぁ何百回と聴いたね、つーか現在進行形で聴いてる。
聴いてingですよ。
よくわからんが、それぐらい興奮してしまうのです。
この時代のピチカートに影響受けなかった人間なんているのかよ!?と思う。
話変わって、今日は「どんと」の命日だった。
いや、それだけ。


2005-01-28「週末ソウル」
金曜。
昼、彦根のFさん(この人がまた強力なキャラで、よく言えば憎めない好人物、悪く言えばデリカシーのかけらもない、でもやっぱり愛すべき好人物)とランチ。
昨日オムライス食べたって話してるにも関わらず、「350円でおしいオムライスがあるんですよ!」と半ば強制的に古びた喫茶店に連れて行かれる。
「う〜ん、二日続けてオムライスはなぁ・・。おっランチ450円安いしこれに・・」という声をさえぎってまで、「オムライスを二つ!」と注文してしまう、そのデリカシーの無さがもう。
「このオムライスがふわふわ卵でボリュームがあって・・」と言ってる矢先にでてきたオムライスは明らかに小ぶりで卵にふわふわ感はなかった。
「あれ・・、なんか違うなぁ・・勘違いだったかな」って、おいっ!
回りの客はほぼみんなハンバーグを食べてる。
厚みのあるいかにも手ごねのハンバーグステーキには目玉焼きが乗ってて何ともウマそう。
「ここ、どう考えてもハンバーグが自慢の店でしょ」と突っ込む僕に対して「次はハンバーグにしますわ・・ダハハ」というこのデリカシーの無さがもう。
その上、会計時「オムライス400円です」って350円ってのも間違ってるじゃないの。
ま、オムライスもおいしかったんだけどね。
金曜の夜なので仕事サッサと済ませてタワー寄り道。
やっとサンボマスター「サンボマスターは君に語りかける」、ハナレグミ「帰ってから歌いたくなってもいいようにと思ったのだっ」購入。
で金曜の夜は映画でしょってことで、井筒和幸監督「パッチギ!」観る。
井筒監督といえば「タモリ倶楽部」で八百屋の店先で飲んでるとか、長靴を語ってる姿しか浮かばんが、これは傑作でしたねぇ。
68年の京都を舞台にした在日コリアン、日本人高校生の青春。
とにかく生命力に満ち溢れた映画で、とっちらかってるけど破綻してないのは監督の力量。
メッセージを押し付けるのではなく、単純な正義を振りかざすわけでもなく、ましてや答えを出すわけでもない。
人々は殴り合い、愛し合い、笑い、泣き、全てひっくるめて「生きて」いくのだ。
生きること、そのものの力強さが気持ちよく心に響いた。
若い俳優達がいい。
特に「バンホー」役の波岡一喜、「ガンジャ」役の真木よう子が印象に残った。
あとオダギリジョーがいい味だしてましたね。
彼が歌う「悲しくてやりきれない」が物凄く良かった。


2005-01-29「とにかく走る」
「パッチギ!」についてもう少し。
韓流ブームとやらで韓国という国はとても身近なものになったけど、在日コリアンについてはオープンに語られることはまだ少ない。
「パッチギ!」は68年が舞台、過去の物語ではあるが、例えば主人公が在日コリアンのヒロインに告白した後に言われる言葉や笹野高志演じる在日一世が主人公に問い掛ける台詞(あえて伏せときます。映画是非観てください)は今でも十分有効で、ある部分05年の今もまるで変わっていない。
北と南を分けるイムジン川は、在日コリアンと日本人の間にもまだ流れている。
もちろん68年に比べるとその川は狭く浅くはなっているだろう。
だがそれは「知らない」という消極的な理由からともいえる。
井筒監督は、在日コリアンと日本人との壁はなくなりました、めでたしめでたし・・なんていう結末は用意しなかった。
この問題はまだ続いてるよというところを多分に残しながら、それでも僕らは本当の意味でこの壁をなくすことができるんだ、その可能性をもっているんだということを力強く宣言した。
そしてその希望の象徴としての「音楽」。
「パッチギ!」は観ようによってはとてもとっちらかった映画かもしれない。
でもその力強い宣言、希望の光をはっきりラストで見せてくれたことで、見終わった後に爽快感を強く残してくれる。
そんな訳でお勧めします。
で土曜日。
毎週のことだが娘と寝坊で9時起床。
ウィンナーとキャベツを炒めてバターロールに挟んだ「ホットドッグ」を作って食べる。
下品なぐらいケチャップをかけて食べるとおいしい。
娘はわかりやすくておいしかったら必ず「おかわり」コールが出る。
今日は見事「おかわり」コールが出ました。
で午前中はハムスターと遊んだり、ビデオ返しに行ったり。
昼からは一人で京都に出る。
京阪電車、叡山鉄道乗り継いで「一乗寺」へ。
久しぶりにお気に入りの本屋「恵文社」覗く。
相変わらず嬉しくなる品揃え。
1週間ぐらい合宿したいぐらいだ。
とりあえず町山智浩「USAカニバケツ」と池波正太郎「食卓のつぶやき」購入。
ここにくるとなぜか「料理エッセイ」を買ってしまう。
で一旦出町柳まで戻ってぶらぶら。
鴨川を眺めながら頭の中には「悲しくてやりきれない」が流れてたよ。
で堀川丸太町で友人と待ち合わせて、いざライブハウス拾得へ。
今日は青山陽一、西村哲也、神森徹也が出演する「Land of 1000Flowers」というイベント。
ばっちり開場時間に入場してほぼ中央の席に陣取る。
とりあえず「するめ」を肴に梅酒ソーダ飲みながら開演を待つ。
でトップバッターは神森徹也氏。
昨年出たアルバム「光と影」は既に相当聞き込んでる、特に「胸が締め付けられる」って曲が最高で何回リピートしたことか。
で当の「胸が締め付けられる」が一曲目で嬉しかった。
とにかくこの人は「曲」がいい。
詞もメロディも僕の心の琴線にやたらと触れるのだ。
いっしょに行った友人に「ああいう詞、好きでしょ」と指摘される。
そうまさにビンゴ。
で続いて西村哲也氏。
ギタリスト・西村哲也のステージはもう何回か見てるが、ソロアーティストとしては初めて。
リラックスしたムードとは裏腹に「歌声」が胸にグサっと刺さる。
いや、実に「いい声」でロックな色気を感じたな。
ヴォーカリストとして相当好きですね。
でラストは青山陽一氏。
圧巻のステージ。
貫禄ですな。
アコースティックギター一本であれだけの世界を作り上げるなんざ凄い。
ギター弾き語りに関しては現役最高峰です。
これはまじで。
途中、西村氏ゲストに懐かしいグランドファーザーズの曲も。
学生の時、ライブ行ったなぁグランドファーザーズ。
あれから十数年、よもやここで聴けるとは!
いや、なんとも気持ちのいいライブ。
音楽は素晴らしい、拾得の雰囲気もいいしお酒もおいしい。
こういうライブ、月に一度は観たいねぇ。
ライブ終了後、数日前にメールいただいてたマネージャーさんに挨拶。
改めて青山氏紹介頂き大恐縮。
緊張しつつ「今日も最高でした!18の時からファンですよ!ナゴムのシングル(グランドファーザーズのデビュー盤)から持ってんですから」などと興奮気味に。
「あぁ・・ナゴム盤は聴かないで・・」と青山氏。
とにかくいつか滋賀でいっしょに仕事しましょうと言っちゃう。
あぁ、青山氏のファーストソロアルバムを聴いて感激してた19歳の俺に、自慢したいぜ。
で神森氏も紹介頂く。
「『胸が締め付けられる』聴き倒してますよ!」と興奮気味に。
なぜか「探偵ナイトスクープ」話などしつつ「今、関西で人気のお笑いは?」の問いには「南海キャンディーズ」と答えとく。
でそのまま拾得に居残って、友人とライブの余韻に浸りつつ呑む。
いい音楽、本物の音楽と触れるとこんなにも気持ちがいいものなのか。
最高の夜っすよ。


2005-01-30「何でもいい」
昨晩も夜更かしで今朝は9時半起床。
朝から娘のリクエストでスケートに。
県立のアイスアリーナまで行って久しぶりに。
娘はこける事もなくスイスイと滑っていた。
運動神経はわりといいようだ。
走りも早いし・・。
親はバリバリの文化系なのにね・・。
そのまま買い物して帰ったらもう夕方近く。
夕食は鍋の予定であったが、妻が昼食べ過ぎて食欲がないとか言い出したので、ありあわせのものでちゃちゃっと作る。
賞味期限切れのちくわとハムを冷蔵庫から救出し、ちびた野菜類といっしょに野菜炒め。
オイスターソース使ったら割とおいしかった。
ところで「ほぼ日刊イトイ新聞」の「天久聖一の味写入門」がオモロイ!


2005-01-31「美しき人間の日々」
寒い・・。
仕事の合間に本屋で立ち読み。
理論社よりみちパン!セシリーズの森達也「いのちの食べ方」をほぼ読みきる。
僕達が食べている牛肉や豚肉はどうやって僕達の元に届くのか。
生きている牛が殺され、解体され僕達の元に届く。
僕達は「殺され、解体され」る現場なんて考えずに牛丼を頬張り、とんかつを食う。
知ることで見えてくること。
その中で「差別」はどうして生まれ、どうして残ってきたかを考える。
そんな本。
子どもがもう少し大きくなったらぜひ読ませたい。
知ること、考えることが、ぼくらが出来る最良の方法。
帰り道の音楽はサンボマスター「サンボマスターは君に語りかける」。
まだ興奮状態である。
音楽20年聴いてきて、まだこんな気持ちになれる音楽に出会えるなんて!
「夜が明けたら」の「今あなたに言う」というフレーズのマジック。
こんなにもロックでソウルな音楽、熱さとしなやかさと優しさと切なさがギターの響きの中にある。
胸がどうしようもなく熱いよ。


2005年2月上旬の日記へ


今あなたがご覧になっているHPは「OFF! 音楽と笑いの日々」です。
引き続きお楽しみ下さい。