2000年5月下旬
昼休み、先日の健康診断で「大腸ガンの疑い有り」と診断された同期のKが精密検査に行った話。アナルからバリウムと空気をたらふく突っ込まれての写真撮影という陵辱ぶりに笑う。「マゾの気持ちはわからん」とはKの弁。結果は全く以上なしだったそうだ。しかしこのK、以前も検査にひっかかり「イチモツ」の先から親指大のカメラを突っ込まれた経験有り。これは想像を絶する痛さだという。いや、もう想像したくないな、これ。考えただけで震え上がる。親指大のカメラどころか、「イチモツ」自体が親指大に縮みあがりますな。(我ながらバカバカしいオチだな・・) 長く重い会議が終わったのは午後10時。家に帰り着いたらもう12時前。妻も娘も当然もう寝ている。昼から何も食べてないが食欲わかず、とりあえず風呂に入って、出張の準備して床につく。明日は5時起きで出張なのだ。夜中に目がさめる。強烈な不安が襲いかかる。このままいって、俺は幸せになれるのだろうか?妻と娘の寝顔に会議の風景がオーバーラップする。サラリーマン社会は不条理だ。結局、真面目にこつこつ働いても、いいように使われて捨てられるのがオチだ。現実はそうなのだ。息がつまりそうなぐらいの不安に襲われ、どうすることもできない。そのままほとんど眠れず、目覚ましが鳴った。 「これから先の My Life まるでわからない ここまできた My Life どこも悪くない」(ムーンライダーズ「何だ?この、ユーウツは!」より) 「あ〜あ、人生早く終わらないもんかね。」(映画「まぬけの殻」より) 久々の出張。新幹線で小倉まで出て、車借りて激走。北九州ぐるっと回って、博多に。かっての常宿、「ホテル一楽」に2年ぶりに宿泊。ビジネスホテルの料金でありながら、温泉旅館顔負けの大浴場有りのこのホテル。やっぱいい。 ジャンボ鶴田死去。今から10年ほど前、プロレスに熱狂していた。「天龍源一郎対ジャンボ鶴田」このカードにどれだけ興奮させられたことか。僕はロックを感じさせる天龍の戦いっぷりにしびれていたが、鶴田の強さは認めざるを得なかった。あの当時、鶴田は間違いなく「最も強い男」だった。「オー!」の叫び声から繰り出されるジャンピングニードロップ。そしてあの強烈なバックドロップ。力と技を合わせ持ち、この世のものとは思えずタフネスさで怪物としかいいようがないレスラーだった。天龍が全日本プロレスから脱退し「鶴田対天龍」のカードが実現しなくなって、僕のプロレス熱は一気に冷めてしまった。そしてあの強かった鶴田が死んだ。合掌。ご冥福をお祈りいたします。 今晩の宿は別府の「亀の井イン別府」。コンビニでモーニング娘おすすめ!とキャッチコピーがついた「プリン娘」なるデザート買って部屋に。「明石家マンション」でも見てくつろぐか、と思いテレビつけるが、大分はテレビ局少なく放送してないでやんの。しょうがないから真面目に出張報告書く。 7時半起床。ベッドの上でヒゲ添ってだらだらと着替える。 4日間に渡る出張終了。中津から小倉に出て新幹線で京都まで。おみやげは「ひよこ饅頭」。 「Bee Bee's Family」にまる虫役でタージン登場。どこに向かってるのか、この番組。 長者番付発表。俺に無縁の世界だな、こりゃ。しかし宇多田ヒカル凄いな。家族で10億だとか、なんとか。「10円置く」のと違いますよ(By トミーズ)。五体不満足の乙武君も懐は大満足ってか。(こういうこと言うと普通は怒られますよね。でも乙武君ってどうよ!?)でもここに出てこない奴でもっと儲けてる奴いるんだろうな。 会社の昼休み、先輩、後輩と連日のエロトーク。仕事の話するとみんな一気にブルーになる今日この頃。現実逃避にエロ話。しかしエロ話ほど人々が幸せな気持ちになれる話があろうか?政治、経済なんて話してる奴は絶対無理してるぞ。男が一番好きなのは「エロ話」に他ならないのだ。最初にチンポ有りき。・・どうでもいいけど、ここんとこ、この日記、下品になりすぎ?ま、日常をどこまで赤裸々に綴れるかが勝負だからね。下半身は皮かぶり(仮性)でも、心はいつだってずる剥けなんだよぉぉぉ!ってバカか、俺は。 ここんとこ、頭の中にトッドラングレンの「A Dream Goes On Forever」が鳴り続けている。 会社帰りにタワーに寄り道。XTC「WASP STAR」購入。 会社帰りに飲み会。当HPでも熱烈支持している雑誌「Demagogue」編集長にしてライターの吉原聖洋氏が明日行われる「Live Demagogue」の為、来阪。そんな訳で吉原編集長を囲んでの飲み会。この日記を読んで頂いてる様で「最近、元気ないみたいですね。」といきなり。なんというか今、僕が抱えている悩み(主に仕事)を見透かされているようで、ライター生活20年の吉原氏の言葉が臆病な僕の心を射抜く。「生活と言う、うすのろ」の前で「いいわけ」ばかりしてる自分がなんとも情けない。本当は悩んでなんかいないのだ。もう答えは出てる。人生は短い。何をもたもたしているんだ。吉原氏の身軽さとそのタフネスにひたすら刺激を受ける。「自分が何をしたいのか、一つ、一つ、具体的に考え、クリアしていくこと」目から鱗である。この当たり前のことを避けて通ってきたつけがどんどん溜まっていきやがる。自分に足枷をつけているのは、誰でもない、俺自身なのだ。この先の人生を生きていく為の重要なヒントを与えて貰った感じ。それをどう自分自身にフィードバックさせるかだ。 でそんなことやら20年締め切りを破ったことがないという吉原氏からライター稼業についてとかいろいろと。「小林信彦と筒井康隆に出会わなければライターにならなかった」「真贋を見極める目の重要さ」「ライターを続けるのは貧乏を恐れないことが必要」などなど・・。実におもしろかった。さっきも書いたけど吉原氏の身軽さとタフさには驚く。考えたらもう10年以上どこかしこで氏の文章を目にしてるのだが、ここ最近の文章には以前に増して「勢い」を感じる。言葉が肉体的で無駄がないのだ。いや、はや、凄い。 飲み会の帰りの電車で、同県人で同じく「Club Demagogue」のYさんといろいろ話。同じようなことを考えてる人ってのはいるもんで、さっきの吉原さんの言葉をいろいろ噛みしめつつ。「個」になることによって「繋がっていく」世界。インターネットの弊害を叫ばれることも多いが、インターネットによってよりクリアに真実が、自分自身の真実が見えてくるような気がしている。もちろん、見えない人には、ずっと見えないままでもあるのだろうが。 会社帰り、心斎橋のライブハウスBIG CATへ。「Live Demagogue」見に行く。ほぼ開演ちょうどにかけ込む。後ろの壁にもたれかかってじっくりと。実に4時間以上に渡るライブ。詳しくはREVIEWSで。音楽はメッセージだ。強く感じた。 2日連続で帰宅は深夜。今日は早く帰ろうと会社出るが結局タワーに寄り道。スチャダラパー「ドコンパクトディスク」、空気公団「呼び声」、岩村学「私の考えるジャズ」、Shi-Shonenの再発「2001年の恋人達」購入。昨日のライブで見かけた鈴木祥子似のものすごい美人が雑誌コーナーで「Demagogue」を立ち読みしてたの見つけて、ちょっとドキドキした。ま、もちろん声かけられるはずもないんだが。 ここんとこの毎週金曜のお楽しみといえば朝の情報番組「エキスプレス」の1コーナー「浅草キッドの朝からスンマセン」だ。妻が録画してくれているので夜、ビデオで。毒というより真っ当な意見を壮大なるバカ話に仕立て上げるセンスに脱帽しつつ爆笑。 で今日こそ早く寝ようと思って寝たが、深夜目が覚める。結局2時間近く、いろいろと考え事。ま、ここ数日考えてるよなこと。とりあえず明日から残業なんてしないことに決定する。 「人生は夢のように短いのだから」(By 吉原聖洋) 土曜も仕事。でさっさと仕事終え、京都で途中下車。「横尾忠則ポスター芸術」展、見に行く。いやはや、ただもう圧倒。どうなってるんだこの人の頭の中は。溢れ出す「生」の純粋さと力強さ。「考えるな!感じろ!」涙が出そうになる。 「TVブロス」誌の太田光氏のコラム。「表現」について書かれた文章が実に素晴らしい。ちょうど、「Live Demagogue」や横尾さんの展覧会見た後だったのでうんうん頷きながら読む。この人の目線の確かさは信用できる。 日曜。娘つれて「おじゃ魔女ドレミ」ショーを競輪場まで見に行く。競輪祭りみたいなイベントらしいがものすごい人。暑い中、お父さん達は子供を肩車しての「おじゃ魔女ドレミ」ショー見物。かくいう俺もその一人で、すっかりへとへとになる。 珍しく娘が昼寝。静かな日曜の夕方。1年ほどかかってやっと横尾忠則「大有」読了。 BSで佐野元春の武道館ライブ見る。20周年を軽やかに飛び越える氏の身軽さがなんともかっこいい。 久々に「明石家マンション」見る。DonDokoDonの山口氏が芸達者ぶりを見せつけての怪演。下品じゃないところがいい。 小林信彦「おかしな男 渥美清」読み始めるがもうすでにおもしろい。いや、泣ける。<「狂気」を抱いて「孤立」して生きる>若き小林信彦と渥美清の関係の美しさ。読み終えるのがもったいないのでセーブしつつ読み進める。 <「狂気」を抱いて「孤立」して生きる>か。これがどれだけ難しいか。小さな声で言うけど僕が目指してるのもこういうことなんだよな。 帰りの音楽はShi-Shonenの「2001年の恋人達」。もう何百回も聞いてるのに、いまだ胸躍るのはなぜ?1曲目「KISS KISS KISS」のイントロが鳴った瞬間、僕は17才に戻っちまうんだ。2001年なんて、もっとずっと先だと思ってたのにな。後、数カ月先はもう2001年なんだな。2001年を前にこの素敵なレコードが再発されるなんて嬉しいじゃないか。2001年の恋人達に是非聞いてほしい1枚だ。 しかしこのアルバム、全曲名曲。「パラソルの下で」とかモーニング娘。にカバーしてもらいたい。カバーと言えば80年代の埋もれた名曲、テクノな名曲達をカバーしたアルバム、誰か作ってくれないかな。篠原ともえちゃん辺りがいいと思うんだけどな。サエキけんぞうのプロデュースとかで。Shi-Shonenの「手編みの天使」だとかポータブルロックの「Tu Tu」とかサイズの「ペーパーラブ」なんか合うと思うなぁ。 |
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