第二回「関西の笑いは全国区になれるか?

Dr.HKより

というわけで新・煩悩会議室 第二回をスタートしたいと思います。

前回の「この辺りどう思われます?」を受けて、今回は「関西の笑いは全国区になれるのか」をテーマに進めたいと思います。

まず関西の笑いと全国区(関東)のそれとの違いを考えてみましょう。

もともと関西とは土着民で構成され、関東(特に東京)は地方出身者の集まりである。ここに笑いに対するセンスの違いが生まれてくると考えます。

例えば物を買って他人に自慢する時に、関西人は「安く買った」をアピールするが、関東人は「高く買った」をアピールする。

したがって、関東いや全国的には見栄の文化なんです。

言い換えると関西が異質なんです。

それが証拠に関西って何でもあり的なところがあるが、関東って非常に洗練されたものを求める。関西は「おもろかったら、ええやん」って感じで関東は「おもしろくてもコテコテはだめ」みたいな。

popholic君の話に出た吉本新喜劇がこれなんじゃないでしょうか。

「東京風味」=「かっこよさ」を付けないと東京へは進出できないのです。

その背景には前述の「かっこ悪さ」を嫌う文化があるのではないでしょうか。

吉本新喜劇には決して「かっこよさ」というものはなく、むしろ「かっこ悪さ」を前面に笑わせる。脈略のないギャグを端々に入れる。これが東京には受け入れられないのです。そういう判断のもと、製作者側は「東京風味」を付けたのではないでしょうか。

関西の「何でもあり」は通用しないのです。

関西芸人で全国区で売れた人を見ると、確かにこの「かっこよさ」をどこかに持ち合わせているのではないでしょうか。

もっと言うと、売れるためには「かっこよさ」が必要不可欠なんです。

前々から私の持論として叫び続けていますが、売れる芸人にはビジュアルの良さが必要です。絵面の汚い芸人は売れないのです。その昔、芸人がおもしろかったら売れるという時代があったのは確かです。

しかし、時が流れすっかり変わってしまったのです。

「かっこよさ」を求めはじめたのは、いつの頃からでしょうか。
ちょうど「MANZAIブーム」の頃からではないでしょうか。あの空前の「MANZAIブーム」の頃、人々は漫才というものに今まで求めていなかった「かっこよさ」を求め始めました。
そうすると、それまでお揃いの趣味の悪いスーツかなんかで舞台に立っていた漫才師たちが、それぞれの特徴を出した衣装や当時流行りの衣装で登場しだしたのです。(お揃いのスーツで登場してたコンビもありましたが・・・B&Bのトレーナー欲しかったなぁ)
思い出して下さい・・・当時のブームの頃、漫才師の誰もが売れたでしょうか。みんながみんな売れていません。やっぱりそれなりのルックスを持ち、かつおもしろいというコンビ(グループ)が売れました。この頃から人はビジュアルを求め、今現在それがもっと進化してきたのではないでしょうか。それはテレビというメディアが進化したことと関係していると思います。「MANZAIブーム」が起きたのがテレビ放送開始より10年が過ぎた頃、そして今30年が過ぎ、人はテレビというものに先入観や固定概念を抱いてしまったのです。
テレビに出る人は一般人とは違い、どこか憧れの対象になっているのではないでしょうか。それが故にテレビメインのこの世の中では、「かっこよさ」が求められるのではと考えます。
しかし、ある意味閉ざされた世界である関西地区ではこれは当てはまらないかもしれません。
なぜなら吉本王国健在だからです。テレビをつければ、出演者ほとんどが吉本芸人。やっているのは漫才そして吉本新喜劇(若返りをはかり、改革したが昔から内容は変わらず)。
こんな状況で一種伝統にも似たものが存在し、どこか「かっこよさ」より「おもしろさ」を選択しているのかもしれません。

「かっこよさ」とは別に「かしこさ」というのも大事な要素ではないでしょうか。

これも私の持論です。

普段でも場の雰囲気を読めず、寒くさせてしまうヤツっていますよね。芸人でもそういう人います。そんな人は絶対売れないと思います。

あと「センス」も必要ですね。

「センス」って主観的なもので、一概にいい悪いって言いにくいんですが一般的にいう「センスのよさ」みたいなものはあります。「才能」に近いものがあるかもしれませんが、磨こうと思えば磨けるはず。
例えばファッションセンスの悪い人っておもしろくない人多いと思いませんか?(いい悪いは別にして、衣装で笑いを取ろうとする卑怯な「いくくる」みたいな人は、「寒い中の寒い」と思いますが・・・)
「センス」の中には、これはおもしろい、おもしろくないという判断基準みたいなものも含まれているような気がします。

ちょっと小難しい話になってしまいましたが、今回のテーマである「関西の笑いは全国区になれるのか」を結論的に言うと、「笑い」というものはどこでも同じではあるが、関西については成長しすぎた地方都市のため一種独特で異質なものがある。

しかし、共通して言えることは「かっこよさ」「かしこさ」「センス」をどれだけ持っているかにかかっていると考えます。

今の世の中、関西の笑いであろうとなかろうと「かっこよさ」「かしこさ」「センス」があればどこでも通用するんではないでしょうか。

まだまだいいたい事はありますが、ボチボチと・・・。

今回はこの辺で。

popholic君、かなり難しい話になってしまっていますが、どう持っていく?

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