第一回「関西ローカル番組の分析から昨今のバラエティを嘆く」

Dr.HKより

さて、とりあえず第一弾のテーマとしていただきました

「最近のテレビ事情」みたいなところからはじめたいと思います。

私の持論として「ゴールデンより深夜枠」というものがあります。
これは何かというと、昔からゴールデンタイム(PM7:00台〜PM9:00台)の番組には「とりあえず金をかければいい」的な発想があり、本来のネタ重視ではないのです。
多少、出演者が豪華であったり、セットが豪華であったり、ロケ先が豪華であったり。
そんなことで騙される(見てしまう)視聴者が多いから、製作者側が「とりあえず金をかければいい」的な発想になってしまうのです。
そんなことで「おもしろい」番組が作れるわけがないのです。
確かにネタのことも高学歴の立派な大人たちが会議室で、一般の大人が絶対に議論しない話題や絶対に口に出さない言葉なんかでがんばっているとは思いますが、これだけテレビという媒体が歴史を重ねてしまった今、発想の転換が必要なんです。しかし、金が邪魔をしてしまう。
例えば、安定成長を続けている大企業は確かに無難でそこそこのものは生み出すけれど、体裁や安定を求め、なかなかとっぴなものを生み出せない。
こういう方程式と相通ずるものがあるのです。
ここから考えると、深夜枠の番組は中小企業なのです。
中小企業というのは資本力がないため、いかにして大企業と競り合うかを考えます。
まさしくこれが深夜枠の番組なのです。
深夜枠はスポンサーもロクにつかず、スポットCMで食いつないでいるという感じで、つねにハングリーな状況にあり、真の「おもしろさ」を追求しているように見えます。
そんな深夜枠でも関西ローカルともなるともっとハングリーです。
いわば零細企業です。
「こんなんやったら、素人でも作れるで〜」みたいな番組もたくさんありました。
そんな番組だからこそ、「あたり・はずれ」が大きいのです。
「あたり」の番組では、

「夜はクネクネ」(毎日放送 出演:原田伸郎・角淳一)
内容:原田・角が夜の街をウロウロし、出会った人々にインタビューをするだけ。

「TV−JACK」(朝日放送 出演:島田紳介・村上ショージ・越前家俵太・桂小枝など)
内容:紳介の家という設定でショージ・俵太・小枝などが自分のロケVTRを持ちこんでそれをみんなで見る。美人数珠つなぎは名物コーナーに。

「探偵ナイトスクープ」(朝日放送 出演:上岡龍太郎・岡部まりなど)
内容:現在も放送中なので、説明の必要なし。

「パペポTV」(よみうりテレビ 出演:上岡龍太郎・笑福亭鶴瓶)

内容:上岡・鶴瓶の単なるウダ話。放送中の「鶴+龍」といっしょ。

「らくごのご」(朝日放送 出演:桂ざこば・笑福亭鶴瓶など)

内容:客席からランダムにお題をもらい、ざこば・鶴瓶がそのお題を盛り込んだ即興落語を披露。

「エンドレス・ナイト」(関西テレビ 出演:ばんばひろふみ・兵藤ゆきなど)

内容:当時人気のフジテレビ「オールナイト・フジ」をパクったようなパクってないような。素人の女の子のロケVTRを見たり、ゲームをしたり。「深夜で女の子がいっぱい出る」と心と体で期待して見ると裏切られる番組。

「今夜はねむれナイト」(関西テレビ 出演:島田紳介・ダウンタウンなど)

内容:吉本若手お笑い50人ほどにアンケートをとり、そのアンケートに紳介・ダウンタウンがからむ。 ダウンタウンのショートコントもあり。

「たかじんのばぁ」(よみうりテレビ 出演:やしきたかじん・トミーズ雅など)

内容:たかじんマスターのいるバーでのトークバラエティー。

「どんぶり5656(ゴロゴロ)」(よみうりテレビ 出演:竹中直人など)

内容:ロケあり、コントありのハチャメチャバラエティー。

「おとなの子守唄」(サンテレビ 出演:笑福亭鶴光など)

内容:元祖エロ芸人鶴光によるエロ番組。今の「のり天」の前身。

「明石家電視台」(毎日放送 出演:明石家さんまなど)

内容:現在放送中のため割愛。

「突然ガバチョ」(毎日放送 出演:笑福亭鶴瓶、長江健次など)

内容:視聴者参加型ライブバラエティー。「テレビにらめっこ」がブームに。

「4時ですよ〜だ」(毎日放送 出演:ダウンタウンなど)

内容:ダウンタウンがメイン司会の夕方帯バラエティー。今はなき「2丁目劇場」でのライブ。ダウンタウン出世作。

「ざまぁカンカン」(よみうりテレビ 出演:山田雅人、森脇健司など)

内容:松竹系夕方帯バラエティー。なぜか関西女子高生を中心に人気。勢いのあった森脇健司が印象的。

などなど・・・今、思いつくだけでも結構あります。(まだまだあると思いますが・・・)

これとは逆に「はずれ」番組は、

「僕らは怪しいサラリーマン」(毎日放送 出演:上岡龍太郎、嘉門達夫など)

内容:トーク&企画ものバラエティー。「最終電車でジャンケンポン」が静かなブームに?

「夜のA(エー)タイム」(朝日放送 出演:島田紳介など)

内容:現「ナイトinナイト」のもとになった番組。月〜金の帯で日替わり司会のバラエティー。

「ゆうごはん まだ」(朝日放送 出演:ハイヒールなど)

内容:当時ブームのおニャン子クラブ(夕やけニャンニャン)の関西版。まったく人気出ず。アクティ大阪での公開生放送。発想が安易すぎた。

「圭修ファイブ」(関西テレビ 出演:清水圭、和泉修など)

内容:前述「ざまぁカンカン」に対抗した(「ざまカン」の裏番組)吉本系夕方帯バラエティー。「ざまカン」に勝てず。歴史に残る吉本唯一の大敗。
(すべて敬称略)

などなど・・・まだまだあると思いますが、思い出せませんので、これぐらいに。

こうやって見ても関西ローカル番組ってよくできてると思いませんか?

ちょっと脱線しますが、先日地方出身者である私の家内が新聞のテレビ欄を見ながら・・・「関西のテレビって、吉本関係の番組と漫才番組が多いなあ」と言ってました。

それを考えると、関西ってやっぱりお笑い地区だなと痛感しました。
よく関西人の会話は漫才みたいと言われますが、潜在的に漫才(ボケとツッコミ)を覚えてしまうんですね。

話を元に戻したいと思います。「ゴールデンより深夜枠」。
ゴールデンはゴールデンとしてのおもしろさがあると認めますが、最近のゴールデンで「これは」という番組が見当たらないのは事実です。
それは本当におもしろい番組がなくなってしまったのか、それとも私自身の求めるものが年齢とともに高くなってしまったのか。
どちらの要因もあるとは思いますが、前述のテレビの歴史によるものだと考えます。
今までいろんな番組が出過ぎて、ネタ切れになったのではないでしょうか?
それがせいで、過去の番組のリメイクや当たった番組のパターンでせめたり・・・。
見ていて、「もうええねん」になります。
その最たる典型が明石家さんま氏ではないでしょうか?

確かに明石家さんま氏は偉大なる芸人ではありますが、ここんとこ見ていますと全盛期の萩本欽一氏とダブってしまうのです。
自分ではネタ的なものは用意せず(実際は用意してるかもしれませんが・・・)、ゲストおよび素人などからのアンケート・意見・質問などにからんでいくというパターン。
ここぞという時には揚げ足取ったり、きつくつっこんだり。まさしく「欽ちゃん」ではありませんか。
全盛期の萩本欽一氏(週に3本ぐらい「欽ちゃんの〜」というレギュラーやってた頃)はすべてこのパターンだったのではないでしょうか?
さんま氏離婚後は、かなりテレビ露出度も高く、以前(結婚前)のパワーを取り戻しているようですが、「欽ちゃん」パターンにはまっているとすれば、この後衰退してしまう危険があるのでは?
もうひとつ最近思うこと。それは「ロンドンハーツ」という番組について。
「ごっつ」亡き後、日曜8時がぽっかりと空いてしまったのです。
しかたなく「ごっつ」の後のとりあえず的に始まった(ように見える)「ハッピーバースデー」を見てすごしていました。
そこに今年4月、ロンドンブーツの新番組スタートの知らせ。
第一回目の放送をとりあえずチェック。超駄作。
まったくロンブーのおもしろさがいかせていない番組の」仕上がり。
ロンブーといえば女ネタ・恋愛ネタで責めるのが常套手段ではありますが、あれならロンブーじゃなくてもいい話。
ここで予言しておきましょう。
「ロンドンハーツ」という番組は、早い時期に最終回を迎えるか、内容一新されるでしょう。

第一回目ということで気合入れすぎ、たいへん長くなりましたが、結論的には私個人にはまる「真のバラエティー」がなくなったということでしょうか。

で、第二回につづく・・・。

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