クイズ番組


10数年前の日曜日の昼下がり、私はテレビの前でゴロゴロしながらクイズ番組を
見ていた。そのクイズ番組は、オセロゲームとクイズを組合わせたもので、現在も
放映されている。
番組が終わったのち、視聴者お知らせがあり「夏休み女子大生大会」と名を打って
女子大生対象に、出場者を募集していたのだ。
私は、直ぐ様京都に下宿し、大学に通っている妹を思い浮べた。
優勝商品は、海外旅行、4名で争うのだった。出場できれば。4分の1の確率だ。
優勝すれば、ペアでの海外旅行はがきを出した権利として、妹が優勝すれば、1名は
私だと、勝手に決め付けていた。
さっそく、「ほんまに女子大生かいな?」と疑われるような汚い字で、応募ハガキを
出した。
しばらくすると、テレビ局名で、妹あての封書が届いた。私は出場決定か?と喜び
妹あての封書にもかかわらず、自分が出したんだと言聞かせ、開封した。
そこには、予選会の日程が書いてあった。
妹に直ぐに転送し、予選会に行くように電話したが妹は「暇ないわ」と一言で終わった
私は、「そんな事言わんと」と頼んだが「ダメなものはダメ」と念を押された。
数週間の後、の日曜日夕方に京都から妹が帰ってきた。
普段は、土曜日でも帰ってこないのに不思議だった。
夕食時に妹が「お兄ちゃん、今日あのクイズ番組の予選会行ってきてん。」と言った。
「えっほんまか?それでどないなってん」
「まっ後に通知するらしいわ」
「どんな内容やった?」
「ペーパーテストあってな、それから面接みたいのがあってん」
「それから参加者全員でカメラの前で、アピールして下さい」って言われた。
「それで?」「そんで終わり」
「そうそう、面接の時な、デレクターみたいな人に、ペーパーテストどうでしたか?
 って聞かれてん」
「どうやったんや?」
「エッーーわかりませんて、答えたらその人が、あなた一人だけ満点でしたよって
 言いはってん。」
私は、海外旅行に近ずいたと嬉しくなった。
今か、今かとテレビ局からの出場通知を待ったが、とうとう通知は来なかった。
私は、満点の妹に出場通知が来ないことに不信感をテレビ局に対して持った。
絶対に、局関係者の知り合いが優先的に選ばれて出場できるんやと思ったのだ。
「夏休み女子大生大会」の放映の日、私はその番組を見た。
見た瞬間、妹が落ちた理由が解った。「カメラリハーサルで落とされたのだ」
出場の女子大生は、4人ともかわいかったのだ。
私は、局に対して怒りが沸いてきた。
始めから「美人女子大生大会募集」と知らせておけば、私も妹も無駄な時間使わなかったのに!!!!