俳優 近藤正臣と同級生?


私が通学した中学校にお腹の出た理科の先生がいた。
その先生は、京都出身で良心的な先生だった。
ある日、その先生が「俳優の近藤正臣と先生は同級生で親友や」と言い出した。
私たちは、「先生、どう見ても先生と近藤正臣が同い年には見えへんわ」と言って信用しなかった。
先生は、「ホンマやでーー、ワシの実家にまだ、あいつ来るねんから」と一歩も引かなかった。
「高校の同級生で、同じ演劇部にいて、ワシは部長で、あいつが副部長やったんやー」
「えっーーー、先生が演劇部?、嘘やろーーーー」
「解ったーーー、先生、先生は荷物運びで、近藤正臣は主役やろーー」
「そうやーー、その通りやーー」と先生は笑いながら答えた。
「先生!、何か近藤正臣のエピソード教えてやーー」と授業を受けたくないので、話題を引っ張った。
「うーーん、そやな、あいつな(近藤正臣の事)料理屋の跡取り息子やってん。
お母さんが厳しい人やったんや、近藤がな高校卒業するときに、どうしても役者なりたい 
と言ったんやけど、お母さんがあかんって言うてな、京都の有名な老舗の料亭に修業に出したんや」
しばらくして、そこを逃げ出してな、ワシの家にきたんや、役者になりたい言うてな。
それで、しばらく匿ってな、ワシと親父と、お母さんに会いに行って、役者の修業をさせたってくれ、
って頼みに行ったんや、やっと説得できて、東京へ役者修業に行ったんや。
テレビ見たら、ピアノを足で弾いとったんや」
(スポ根、柔道一直線で、風祭右京役で、足でピアノを弾くシーンがあり、今でも有名)
「先生、そうしたら先生は恩人やなーー」
「そんなことないけど、今でも家にくるよ」
「毎年、正月に京都に帰って来たら、ワシの実家に寄ってくれるよ。」
「ワシの実家の裏に山があってな、よくそこで二人でいろんな話したんや。」
「そこで初詣して帰りよるねん。」
「先生、おらんでもか?」
「そうや、ワシの親父と一緒に酒呑んでるわ」
「今年はワシ帰らんかったけど、来てたらしいわ」
そうこうしているうちに、授業の終わりを告げるチャイムが鳴り出した。

この話が本当か?与太話しか私には、解らない!