初めて赴任した中学校も２カ月半で期限がきれ、先生も走る１２月になったのに、
無職になった。また季節労働者に戻った。
７月にあった採用試験も見事不合格。
年が明け、春がやってきた。大学卒業して２年、親は、ふらふらしているように見えるらしい。
（実際仕事の面ではしていたが）
このころ、父親と折り合いが悪くなっていたので、近くのアパートにひとり住まいしていた。
と言うのも父親は、小さな町工場を営んでおり、慢性の人出不足に悩んでいた。
そんな折り息子が、アルバイト生活をしているのが気に入らなかったのだ。（当然だ）
講師の話があれば、行っていいからと言われたが、私の父親の性格はよく知っている。
絶対に、許さないのを知っていたのだ。
慢性の人出不足の中にどっぷり浸かり、講師があるからとやめるわけにはいかないのだ。
講師の口は、待ったなしだ。
あさってから新学年、このころに、各学校の生徒数がはっきりする。
新学年は、急な転校や、転入があるためぎりぎりまで正確な生徒数が把握できない。
大体、新学期が始まる２〜３日前から講師の手配が始まる。
新学期が始まっても、講師が決まらない場合もある。（特に音楽）
私は、いごごちの悪い、実家に昨日からいる。
教育委員会からの電話を待っているのだ。
電話がなった。「私、教育委員会の・・」解ってるよーー用件は！！
こんな時期講師しかないやん。やったーーー。でも「時間講師」？「非常勤講師」？
「常勤講師」？常勤講師なら半年契約の１年保障だ。バイト探さなくても良い
そいでもって、７月の採用試験の１次試験に通れば２次試験には、有利だ。
「まだ、教員になる御意志は、おありでしょうか？」
講師は、「教員になりたい」と思っている人間しか採用してはならないのだ。
「はいまだ、目ざしております。」
「Ｗ中学で、体育の常勤講師を探しております。どうでしょうか・・」
（このいじわる解っているくせに）
「はい、ぜひ行かせてください」１年間の食い扶持は見つかった。
Ｗ中学は、同じ市内にあり、ラグビー部もあった。
そしてここですごい先生に出会うのだ。（教師の鏡参照）
長くなったが、ここからが本題。Ｗ中学は、どのクラブも熱心で、強かった。（例外があるが）
教師が、競い合っているのではないかと思うほどである。
一応、下校時間はあるのだが、顧問の教師が校内におれば、
７時ぐらいでも生徒が残っていた。
一応、派閥らしきものはあったが、クラブ熱心派と組合熱心派という感じで、
取り立てていがみ合ってはいなかった。お互い干渉せず、といったところか？
前任校があまりひどかったために、ここは天国にさえ思えた。
体育科にも素直にうちとけた。
２学期（おーいきなり２学期に飛ぶかーー）のある居酒屋での２階。
今日は、１学期中１回やることになっている、体育科の飲み会だ。
女の先生が２名、男子３名の構成だ。Ｗ中学では、５名の体育教師がいる。
独身は、私だけだ。
そろそろお開きか？といった時間に１人の女教師が帰った。
家庭もあり、お子さんもいてはるし無理には止められない。
１人残った女教師は、竹を割ったみたいな性格で気持ちの好い先生だ。
この先生は、ご主人が理解があり、飲み会の時は、大体最後まで付合ってくれる。
でも、普段は、家庭を大切にしているのだ。
１人の女教師が帰った後。この竹を割ったような女先生が「最近ひどいと思へん？」
男子教師「えっ先生も気ついてはった」
女教師「そら、あんだけ堂々としてたら」
男子教師が、「そやろ、最近ひどいから頭にきてんねん」２人うなずいている。
なんの事か私には解らない。「何を話してるんですか？」
「先生は、やっぱり若いなーーー」と男教師。
「ほんまに、気ついてへんの」女教師「ぜん、ぜん、」何のことかさっぱりわからへん。
３人大爆笑。「今、帰った先生と、ＸＸ先生のこと」
「エッーーーー」今でいう Ｗふりん
「土曜日、ＸＸ先生が帰った後、きっかり１０分後女の先生が帰るよ」
私以外の、先生のほとんどは、気が付いているそうだ。前は、隠そうとしていたが、
最近は大胆になり、生徒にも見らていたのだ。そのことを、「最近ひどい」と言う表現になった。
行為そのものを、非難するじゃなくて（この先生たちもしていたかも・・・）
生徒に見つからないように慎重にせよ。という事だ。
その後、注意深く見ていると・・・ 気が付いていなかったのは俺だけだった。