新宿のコーラが飲みたい!!!


私の高校時代の、ライバル校の選手の話だ。
彼とは、話もした事が無かった。ただ顔はお互いに知っていた。
彼と同じ高校の選手が、私と同じ大学だったので1年の夏彼が帰省した時に
酒を飲む機会があり、色々な話を聞いた。その時の話だ。
彼のことを以下一人称でお話をする。


私は、今日とことん疲れていた。
夜中に叩き起こされて、タクシードライバーまでした。
朝の5時に寮に帰宅、6時に起床、朝食準備、大学、練習、夕食準備、後片ずけ
先輩の雑用、1日がもーれつな勢いで過ぎる。
ここで少し私のことを紹介しておこう。
ここは、東京の三軒茶屋、通称三茶。ここに私の通う大学のラグビー部寮がある。
私は1年、人権も、自分の時間すらない。
部屋っ子生活だ。(寮の各部屋に上級生がおり、その部屋専属の雑用係り)
部屋長は、同じ高校出身のP先輩。この先輩がもーれつにアブナイ。
言葉より、手が先に出てくる。
しかし、この先輩のおかげで、私は他の上級生にいじめられない。
私は、3人の上級生の世話とP先輩1人の世話と比べれば3人の先輩をとる。
P先輩は、「俺のお陰で他のやつは、お前に無茶は言わへんやろ」
{あなたが、5倍言う。!!!!!}


夕食が終わり、今から本格的な雑用タイムだ。
いつになれば眠りに就くことが出来るのか?
夕食が終わった後、P先輩が「今日は、今から飲みに行く、先きに寝ててもいいぞ」
ラッキーーー。
用事を素早く済ませ、ベッドに潜り込んだ。一瞬で深い眠りに落ちた。
どのくらい時間が過ぎただろう。
遠ーーーくの方からP先輩の声が聞こえる。夢にまで出てくるのか?
だんだん大きくなる。頭がゆれる。
「あっ先輩が起こしているのだ。もう朝か?」
起き上がり先輩の顔を見る。「ヤバイ、目がすわっている」
私は飛び起きた。ちらっと時計を見る。2時だっーーーー夜中の2時間だっーーー
「おい、」{アッ ハイ!!}
「コーラが飲みたい!!」
{え?}
 「判りました。すぐに買ってきます」
 「新宿!!!」「シ・ン・ジュ・ク」

{新宿?}
「わしは、新宿のコーラが飲みたいんじゃ」 寮に置いてある車は、2年生のだ、
こんな時間に借りに行けばなぐられる。
自転車か?仕方ない。自転車で行こう。
素早く着替えた私に、P先輩が、「おい、お金」といって100円玉一枚。
「まさかお前チャリンコで行く気やないやろな」
{えっ・・まさか・・・}
「走って行けーーーーーー」
「ええか!! 歌舞伎町のコーラやぞ!!」

私は、寮を出て走った。{そうだこの辺で時間をつぶし適当に買って帰えろ}
{まてよ、あの先輩のことだから、誰か2年生を起こして、私をつけさせているかもしれない。
あの人ならやりかねん}
{バレたらえらい目にあう。)
私は結局、新宿までコーラを走って買いに行った。
帰ってくると先輩は、大イビキで眠っていた。