「ネック折れの補強加工」の項の最後に言っていた
埋木を目立たなくする工夫ですが
下の写真の埋木を見て下さい
これまでの埋木と違って2層構造になっているのが分かっていただけると思います
更に良く見ていただければこの2層構造の上下で木目の入り方が違っているのが
分かっていただけると思うのですが…見えにくいですかね?(^_^;)


この埋木は上図左のような構造になっており
表面材のマホガニーはネックのマホガニーと木目を揃えることで
整形後には埋木を埋め込まれた形跡は分かり難くなり
埋め込まれて外から見えないところには固いメイプル材を使い
木目取りもネックの木目と交差するようになっているので
より一層補強効果を高める事が出来ます


普通であればこの様に2層構造にしても異なる二つの材を組み合わせることはしませんが
今回の場合は3度もネック折れしたネックで
埋木を埋める溝入れをしたとき見えたネックの断面が
かなり不安な状態だったために固いメイプル材を奥に埋め込む事にしました
ただし、固いメイプル材を埋め込んだからもう2度とネックは折れない…なんて事はありません
これはあくまでも「普通に使う状態での補強」であり
倒したりぶつけたりと云った異常な衝撃に対する補強ではありません
ヘッド角度付きのネックは構造上とても折れやすく、
そう云った異常な衝撃にこの補強した部分が仮に持ちこたえたとしても
かならず他の部分がその衝撃で破損するでしょう
要するにギターを壁に立てかけたり、
スタンドに立てても子供が走り回る様なところには置かない
と云った気遣いは補強する・しないに関わらず心がけて下さいと云うことです
溝の断面部分が過去の度重なる接着作業で黒ずんでグスグスになっているのが見えるでしょうか?

と、ココまで書いて完成状態の写真を撮り忘れていた事に気が付きました(^_^;)
これじゃ埋木がホントに目立たなく仕上がったのか説明にならないですよねぇ…
いずれまた同じような処置をするネック折れが出てきたときに
写真を撮って更新いたしますので今回はお許しを〜


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