ガラスコップを観る
今回はガラスコップの不思議を観ましょう。
ブルーナーの絵本の上にコップを置いてみました
小さな板ガラスがあれば参考にして下さい。
1 ガラスの厚みを観る
ガラスの特徴は透明、光がガラスを通り抜けます。
そこに面白い変化が見られます。
「@」 一番透明感のあるところ、板ガラス一枚分の厚み。
←@
←A
←B
←C
「A」 光が板ガラス二枚分の厚みを通り抜けます
「B」 板ガラスを横から見たのと同じ状態。端に行くにしたがって厚みがまして不透明になっていきます。
「C」 さらに光は底のガラスの厚みを通り抜けます。
@からCにかけて、次第に不透明になっていく様子を観て下さい。
このコップは足の部分がかなり分厚くなっています。
(D〜Eの高さがガラスの塊です)
D→
E→
2 反射と屈折
←イ
←イ’
ロ
↓
ロ
↓
「イ」は曲がったガラスをとおるため、光が屈折してこちらに届かない。コップがレンズになっているのは下の絵でよく判りますね。
「イ’」が白く見えるのは、ガラスの表面がまわりの光を反射しているため。
二つの写真は微妙に目の位置が違っています。このため「ロ」の同じ部分でありながら右は透明、左は表面反射で白く見える。ガラスの面白いところ。
3 レンズ効果による影と屈折
↑
ハ
←ニ
コップの陰はレンズを通ってきた光の跡です。「ハ」は光が集められている所。
「ニ」は屈折して光が届かない所。
↑
ホ
「ホ」の黒い模様はコップの底の丸い縁が歪んで見えている。
4 表面反射を観る
ヘ
↓
ト
↓
チ
↓
リ
↓
←ヌ
「ト」から「ヌ」はどれも表面反射によるもの。「チ」は天井の光源が写っている。
5 コップにお茶を入れる
お茶を入れると突然コップは表情を変える。
液体がガラスと一体となって、コップの底の騒がしい光(反射光)が消えて、透過光だけになっている
←ル
「ル」の反射光は、コップの底の光を反射していたのがわかる。
6 お茶を一服
お茶の入ったグラス、透過光と反射光、そして影、その美しさををじっくりお楽しみください
ガラスと光が作る夢のような競演を楽しんでいただけましたでしょうか。
ガラスには、うっとりするような工芸品がたくさんあります。
光と素材が最も美しく響きあうガラスの世界
それを理解して頂ければlesson4の終了です