蜜柑を観る
今回は蜜柑の面白さを
じっくり観てみることにしましょう。
まずはしばらく写真を眺めてください
2 大まかな形を観る
見慣れた蜜柑、しかしlesson1で取り上げたガムテープに比べると、意外な新鮮感はありませんね。
これは、蜜柑の方が食べるということを通じて、自分の体と密接につながっている体験を持っているからです。
この蜜柑を観て、少ししなびた感じを受けます。木からもがれてかなりの時間がたっているのでしょう。
水分が少ないかもしれません。そう思うことで、すでにあなたは心の中でデッサンを始めています。
1 心の中を観る
さて、右の図は、上の蜜柑の写真をモザイク
にしたものです
はきり見ようとすればするほどムラが見えてきますね。
では、目を細めてみてください。ムラが目立たなくなって
もとの蜜柑の姿が見えてきませんか。
このように、目を細めて蜜柑の姿が見えるようになる
体験を覚えておいてください。
この方法は、複雑な表面をしているものの大まかな姿を観たり、
自分のデッサンの仕上がり具合を確認したりする時に利用します。
3 球体を観る
蜜柑の球体をさらによく観るために、下に紙を敷きました。
←
→
↑
矢印の輪郭線に向って、心のアリを歩かせてみてください。思ったよりありは遠くまで歩いていけます。
足が見えなくなって、頭が隠れて、胴体が向こうの方に消えて行き、ついにお尻の一点が消えるまで
アリのあるく姿を見守りましょう。
4 夜明け前の面白さ
白く輝いている部分が昼だとすると、中央斜めに広がる部分はさしずめ夕暮れか夜明け前の部分です
↑
光が斜めに差し込んで、蜜柑の山脈が延々と拡がっている様子がよく判ります。
「↑」のあたりまで光が当たっています。そこにかなり高い山があるのです。どんどんアリが歩いていきます。
光がどこから来ているかも分りますね。
5 へたの部分の小高い丘
←
→
へたを取り囲むように、まるでドーナツのような丘が球体の上に盛り上がっています。
「→」は盛り上がった斜面に出来た日向の部分、「←」は日陰の部分
↓
「↓」はへこんだ中に、挟まるようについているへた。その面白さをアリの足で感じてください。
6 再び全体を観る
形、光と影、色、肌触り、そしてあなたの心
写真を眺めて心の中に濃い蜜柑のイメージが出来上がったら完了です。
デッサンに必要なのは、心に浮かんだ色濃いもののイメージなのです。
観る訓練をできるだけたくさん繰り返してください。
身近にある果物や、食器、消しゴム、どんな小さなものでも、素晴らしい風景を持っています。
そんなものに自然に目が行くようになったら、素晴らしい。