泡沫戦史研究所/枢軸軍マイナー部隊史/中央軍集団の後ろの方<中編・中央軍集団の保安師団>

第286保安師団
Sicherungs Divisionen 286

 第286保安師団は1941年3月15日に第213歩兵師団の1/3にあたる第354歩兵連隊と第213砲兵連隊第2大隊を中心に編成されました。

師団司令部
第354(増強)歩兵連隊
  第213砲兵連隊第2大隊
第61国土防衛連隊本部
第704警戒大隊
第354師団管理隊

 その後師団には第317警察大隊も配属され、「バルバロッサ作戦」開始時の1941年6月には下記のような編成となっていました。


第286保安師団(1941年6月)

師団司令部
  司令部中隊/第41(自動車化)通信小隊
第354(増強)歩兵連隊
  第1大隊
  第2大隊
  第3大隊
  歩兵砲中隊
  対戦車砲中隊
  第213砲兵連隊第2大隊(3個中隊)
第61国土防衛連隊本部
  第285国土防衛大隊
  第578国土防衛大隊
  第636国土防衛大隊
第317警察大隊
第704警戒大隊

第354師団補給本部
第222衛生中隊第2小隊
第213(自動車化)救急車中隊第2小隊
第619野戦製パン中隊
第636(自動車化)と殺中隊
第431師団管理隊
第221(自動車化)野戦郵便局


 「第354(増強)歩兵連隊」は1942年2月に第213砲兵連隊第2大隊を残して転属となり、代わりに「第122国土防衛連隊本部」が配属されました。「第317警察大隊」は1942年1月付けてモギリョフ地区へ移動し、代わりに「第8警察連隊第3大隊」(第134警察大隊)が配属されました。この他、1941年12月1日には「第825通信中隊」が配属されて通信能力が強化された他、1941年12月10日には「第286警察騎馬中隊」も配属されました。


第286保安師団(1942年5月)

師団司令部
  司令部中隊/第41(自動車化)通信小隊
第122国土防衛連隊本部
  3個国土防衛大隊
第61国土防衛連隊本部
  第285国土防衛大隊
  第578国土防衛大隊
  第636国土防衛大隊
第213砲兵連隊第2大隊(3個中隊)
第286(ロシア)騎兵中隊(第286警察騎馬中隊を改称)
第134警察大隊(第8警察連隊第3大隊)
第825(自動車化)通信中隊

第354製パン中隊
第354と殺中隊
第354師団管理(1/4)中隊
第354軽輸送段列
第354軽輸送中隊の一部
第354衛生中隊
第354(自動車化)野戦郵便局


 1942年8月以降は「第2(自転車化)保安連隊」、「第36保安連隊」及び「第183保安連隊」の3個連隊が配属され、1943年2月からは「第931擲弾兵連隊」及び「第700東部司令部」に変わりました。1943年1月の時点まで師団は「中央軍集団占領軍司令部」に配属されてオルシャ(Orscha)地区に駐屯していましたが、11月時点ではオルシャ地区に駐屯したまま第4軍の予備部隊となりました。1944年2月の時点で師団には第638(フランス)擲弾兵連隊、第44保安連隊、第78保安連隊、第631特別編成連隊、第632特別編成連隊及び第931保安連隊の6個連隊(?!)が配属されていましたが、詳細はよくわかりません。
 1944年6月22日、ソ連軍の「バグラチオ作戦」により中央軍集団の戦線が突破され、7月4日にはミンスクが陥落して第4軍と第9軍の一部がミンスク東方で包囲される事態となりました。8月時点で師団は第4軍で再建された第6軍団に配属されてナレフ(Narew)へと後退していましたが、9月にナレフ地区での防衛戦に投入されて壊滅しました。 その後Osowiec近郊で再建されましたが、1944年12月17日に新編成の第286歩兵師団に吸収されました。


2020.3.3 新規作成

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