単行本(2010年以降)

部隊編成や戦史関係の蔵書のうち、発行年が2010年以降のものをの古い順に並べています。

書名 出版社 著者/訳者 発行年月
ドイツ武装SS師団写真史〈1〉髑髏の系譜―写真・ドキュメント・編成図で追うドイツ武装SS全師団の足跡 大日本絵画 高橋慶史−著 2010年4月初版第1刷
ISBN978-4-499-23017-9 定価 4,095円
月刊モデルグラフィックス連載の「SS最貧師団列伝」に大幅に加筆、修正してスタートした「カンプフ・オブ・ヴァッフェンSS」シリーズですが、第1巻の販売不振という「おとなの事情」によりビジュアル重視の「ドイツ武装SS師団写真史」として再スタートしました。掲載部隊は1)SS第3戦車師団「トーテンコップフ」、2)SS第6山岳師団「ノルト」、3)SS第18義勇機甲擲弾兵師団「ホルスト・ヴェッセル」、4)SS第25武装擲弾兵師団「フニャディ」、5)SS第26武装擲弾兵師団「ハンガリア」、6)SS第30武装擲弾兵師団の4個師団。
ふたつの戦争を生きて 岩波書店 ヌート・レヴェッリ−著
志村 啓子−訳
2010年7月初版
ISBN978-4-00-024655-2 定価 円
イタリア軍山岳猟兵としてロシア戦線に派遣され、ドン河戦線で散々な思いをして生き残った著者は、休戦後にはパルチザンに身を投じることになり、ふたつの戦争を体験しました。ドン河戦線でのイタリア軍は「壊滅」とか、「まっ先に逃げた」とかしか言われてこなかったので、戦いの実態がわかる貴重な資料です。
鉄十字の軌跡 国際通信社 大木毅/鹿内靖−共著 2010年8月初版
ISBN978-4-434-14701-2 定価 2,400円
シミュレーションゲームの解説、研究記事として 『シミュレイター』『歴史読本』『世界の艦船』などに掲載された大木毅氏の記事を編集し、新たに書き下ろされた「ゼーロフの『古典的勝利』が追加収録されています。
制服の帝国―ナチスSSの組織と軍装     彩流社 山下英一郎−著 2010年10月初版第1刷
ISBN978-7791-1497-7 定価 6,195円
「SSガイドブック」、「ナチ・ドイツ軍装読本」、「制服の帝国」のSS資料本の集大成。
ドイツ武装SS師団写真史〈2〉遠すぎた橋―写真・ドキュメント・編成図で追うドイツ武装SS全師団の足跡 大日本絵画 高橋慶史−著 2011年1月初版
ISBN978-4-499-23039-1 定価 4,095円
月刊モデルグラフィックス連載の「SS最貧師団列伝」に大幅に加筆、修正してスタートした「ドイツ武装SS師団写真史」の第2弾。掲載部隊は1)第9SS戦車師団「ホーエンシュタウフェン」、2)第10SS戦車師団「フルンツベルク」、3)第34SS義勇擲弾兵師団「ラントシュトルム・ネーデルラント」、4)SS第29武装擲弾兵師団(イタリア第1)の4個師団。
図表と地図で知る ヒトラー政権下のドイツ 原書房 クリス・マクナブ−著
松尾恭子−訳
2011年4月第1刷
ISBN978-4-562-04680-5 定価 3,800円(税別
World War II Data Book THE THIRD REICH 1933-1945(2009年発行)の翻訳版
ヒトラードイツの政権奪取から崩壊まで、地図と図表を多く配した百科事典的な資料本。歴史、領土、経済、政権と指導者、警察と司法、国防軍、民族政策、社会政策、スポーツ・芸術文化・宗教の9章に分かれており、さらっと流していると思いきや、秩序警察司令官(BDO)、高級SS及び警察指導者(HSSPF)、SS及び警察指導者(SSPF)の一覧などという珍品も!
マスコット―ナチス突撃兵になったユダヤ少年の物語 ミルトス マーク・カーゼム−著
宮崎 勝治・栄美子−訳
2011年11月初版発行
ISBN978-4-89586-152-6 定価 2,200円(税別)
THE MASCOT(2007年発行)の翻訳版
著者の父親はベラルーシ出身のユダヤ人でしたが、ラトビア警察部隊の兵士に助けられて部隊のマスコット少年兵になりました。ラトビア警察部隊は武装SSのラトビア人義勇兵部隊に編入されており、マスコット少年兵も武装SSの制服をもらいました。その後、リガのラトビア人養父母のもとに送り返され、末期にはドイツに避難したものの各地を放浪し、最後はイギリス軍の運営するラトビア人キャンプに収容されました。戦後はオーストラリアに移住し、子供や協力者とともに自分の過去を探索する旅を行いました。
Viva! 知られざるイタリア軍 イカロス出版 吉川和篤−著 2012年5月初版
ISBN978-4-86320-609-0 定価 2,000円
「イタリア軍入門」でちょっとしたイタリア軍ブーム(?)を巻き起こした吉川氏の単行本第2弾。前半は「ミリタリー・クラシックス」の連載に加筆、再構成された陸・海・空・RSIの戦史エピソード集。後半はなにかと資料の少ないイタリア軍兵器の解説となっています。11人までなら世界最強(?)と言われるイタリア軍の実態を確認しよう。(イタリア万歳!)
ラスト・オブ・カンプフグルッペIII 大日本絵画 高橋慶史−著 2012年10月初版
ISBN978-4-499-23097-1 定価 4,515円
「続ラスト・オブ・カンブフグルッペ」発売から7年。2003年3月から2006年9月まで月刊「アーマーモデリング」誌に連載された「バトル・オブ・カンプグルッペ」に大幅に加筆したものに書き下ろしを加えて再構成し、単行本化されました。書き下ろしは1)沈没の艦隊(フランス艦隊)、2)戦路は続くよどこまでも(第61鉄道装甲列車)の2編を掲載。
ドイツ空挺部隊戦場写真集 潮書房光人社 広田厚司−著 2012年11月初版
ISBN978-4-7698-1532-7 定価 2,100円(税別)
ドイツ軍の精鋭部隊として常に最前線に投入されたドイツ降下猟兵の戦場写真集。戦場別の写真集のほか、「ドイツ空挺部隊の発展」、「ドイツの空挺作戦」、「降下猟兵師団の戦い」、「ドイツ空挺部隊編成表」の各資料を掲載。
【ミリタリー選書33】
第二次大戦の特殊作戦−2
イカロス出版 白石 光−著 2012年12月初版
ISBN978-4-86320-687-8 定価 1,700円
前作に続き季刊「ミリタリークラシックス」誌に連載された「特殊作戦行動」をまとめた単行本第2弾です。今回も連載から17作戦と書き下ろし2作戦の合計19作戦が紹介されています。巻末には特殊作戦を題材にした映画も紹介されているので、DVDやBDを楽しむのにも参考になります。
第二次世界大戦秘録 幻の作戦・兵器 1939-45 創元社 マイケル・ケリガン−著
餅井雅大−訳
2013年1月第1刷第1版
ISBN978-4-422-21526-6 定価 2,400円(税別)
第2次世界大戦中に計画されたものの実現しなかった作戦や、日の目を見なかった兵器を合計55件取り上げています。そのほとんどが作戦の方で、よく知られるものからほとんど知られていないものまで情報量も様々ですが、情報量としては入門向けの内容ですので更に詳しく知りたい場合は他の資料を探しましょう。
第5SS装甲師団「ヴィーキング」写真集
大平原の海賊たちI
新紀元社 石井元章−著 2013年10月初版
ISBN978-4-7753-1145-5 定価 3,990円
有名な第5SS装甲師団「ヴィーキング」の写真集だけにおなじみの写真も多いのですが、連続写真として掲載されているので、おなじみの写真でも別の角度や周囲の状況がわかるなど、興味深い写真集です。
第5SS装甲師団「ヴィーキング」写真集
大平原の海賊たちII
新紀元社 石井元章−著 2013年12月初版
ISBN978-4-7753-1146-2 定価 4,200円
「大平原の海賊たちI」に引き続き「ヴィーキング」写真集の第2巻です。この写真集の原本は師団の大隊長以上に配られたアルバムで、巻末にはこのアルバムの提供者であるキュンメル中佐の遺品とゾルトゥブート(軍隊手帳)の内容も紹介されており、この部分だけでもマニアには貴重な内容です。私が一番気になったのはP241に掲載の「ドンダンゲン解説」の部分です。 これはキュンメル中佐の軍歴の中のSS装甲教練補充兵連隊「ドンダンゲン」の解説としての記事なのですが、ラトヴィアのドンダンゲンに新設された武装SS練兵場「ゼーラーガー」の開設から閉鎖までの経緯が記されており、他ではちょっとお目にかかれない内容で大変に貴重です。
冬戦争 (Historia Talvisota) イカロス出版 斎木伸生−著 2014年2月発行
ISBN978-4-8632-0832-2 定価 2,500円
「フィンランド軍入門」に続く斎木伸生氏のライフワークとも言えるフィンランドシリーズ(?)の第2弾。第1章戦争勃発の背景と戦闘経過、第2章フィンランド軍の兵器と装備、第3章関連人物伝の3章かたなり、第1章では冬戦争の経過が隅から隅まで紹介されており、フィンランドの戦いを知るためにはなくてはならない1冊です。
ドイツ・アメリカ連合作戦: 第二次世界大戦の「奇跡」といわれた捕虜収容所奪還作戦 原書房 スティーヴン・ハーディング−著
花田知恵−訳
2014年11月第1刷
ISBN978-4-562-05116-8 定価 2,500円(税別)
THE LAST BATTLE(2013年発行)の翻訳版
第2次大戦末期、イッター城特別囚人収容所に収容されていたフランス人要人を保護しようとするドイツ陸軍のガンダル少佐率いる一隊と武装SSのシュレーダーSS大尉は、進撃してきたアメリカ軍の先遣隊と共に武装SSの一隊と戦ったという末期戦ならではの大混乱のお話。武装SSの部隊は「ゲッツ・フォン・ベルヒリンゲン」ではないかと書かれてはいますが・・・
第2次世界大戦 作戦マップ 河出書房 マイケル・スウィフト/マイケル・シャープ−著
福田希之/荻野哲矢/石井克弥−訳
2015年2月初版発行
ISBN978-4-309-22621-7 定価 3,900円(税別)
MAPPING THE SECOND WORLD WAR(2015年発行)の翻訳版
イギリス国立公文書館所蔵の地図や図版を収録しているので、ほとんどが連合軍側作成のものとなっています。中には「大脱走」の舞台として有名なスタラグ・ルフトIII捕虜収容所の見取り図などという珍品も!
最強の狙撃手<新装版> 原書房 アルブレヒト・ヴァッカー−著
中村康之−訳
2015年3月第1刷
ISBN978-4-562-05142-7 定価 2,300円(税別)
IM AUGE DES JAGERS(2000年発行)の翻訳版
カバーが現代兵士の写真なのが残念。主人公のゼップ・アラーベルガー氏は18歳になった1943年から従軍し、第3山岳猟兵師団に配属されて東部戦線で終戦まで戦いました。当初は軽機関銃手として配属されたのですが、「真っ先に狙われる」とすぐに気がついたあたりはやはりカンのよい人だったのでしょう。東部戦線の情け容赦ない戦闘がよくわかります。
ラスト・オブ・カンプフグルッペIV 大日本絵画 高橋慶史−著 2015年7月初版第1刷
ISBN978-4-499-23151-0 定価 4,515円(税別)
「ラスト・オブ・カンプフグルッペIII」の発売から2年9ヶ月という異例に短い期間で発売されましたが、月刊アーマーモデリング誌に連載された「バトル・オブ・カンプグルッペ」に新規書き下ろしを加えて内容まますますマニアックになっています。
ドイツ軍事史――その虚像と実像 作品社 大木 毅−著 2016年3月第1刷
ISBN978-4-86182-574-3 定価 2,800円(税別)
「コマンドマガジン」誌に掲載されたもので、内容的にはドイツ軍事史の研究史的な感じかな? 「軍集団司令官ハインリヒ・ヒムラー」のヴァイクセル軍集団司令部の実態はもう笑うしかない状況です。章間の「戦史こぼれ話」もおもしろい!
第二次大戦の〈分岐点〉 作品社 大木 毅−著 2016年8月第1刷
ISBN978-4-86182-592-7 定価 2,800円(税別)
前著の「ドイツ軍事史」が売れたようで、異常な短期間で続編が発行されました。今回も「コマンドマガジン」に掲載された記事が中心ですが、「歴史街道」や「歴史群像」の記事もまとめられたとのこと。前著の「ドイツ軍事史」はおなじみのミリオタ的なコーナーにあったのですが、今回はなぜか世界史的なコーナーに置かれていてしばらく気が付きませんでした。タイトルのせいかな?
灰緑色の戦史――ドイツ国防軍の興亡 作品社 大木 毅−著 2017年5月第1刷
ISBN978-4-86182-629-0 定価 2,800円(税別)
既刊の「ドイツ軍事史」と「第二次大戦の分岐点」が好評とのことで、早くも3冊目が出版されました。今回も「コマンドマガジン」、「歴史群像」、「シミュレイター」各誌に掲載された記事に加筆修正されたものです。「鉄十字の軌跡」に掲載された記事の再掲分もあるとのことで、ベテランさんは既視感があるかもしれません。
ラスト・オブ・カンプフグルッペV 大日本絵画 高橋慶史−著 2017年5月初版第1刷
ISBN978-4-499-23210-4 定価 4,300円(税別)
影(最貧部隊)あればこそ光(エリート部隊)輝く。今回は「ラスカン」史上初のNo.1戦車エース、クルト・クニペル登場!戦車の濃度が異常に高い初めてのラスカン!!
ヒトラーの特殊部隊 ブランデンブルク隊 原書房 ローレンス・パターソン−著
竹田 円・北川 蒼−訳
2019年3月第1刷
ISBN978-4-562-05637-8 定価 3,800円(税別)
HITLER'S BRANDENBURGERS(2018年)の翻訳版
「ブランデンブルク」といえばドイツ軍の特殊部隊として有名ですが、その全体像はよくわかりませんでした。第800特殊任務教導中隊の創設から野戦師団への改編直前に特殊要員たちがスコルツェニーのSS特殊部隊に吸収されるまで。任務が任務だけに小部隊が各地に分遣されて独立して活動する場合が多く、秘密任務のためにまともな記録もなかったりするためで、さらに日本語で読めるとなると貴重です。野戦師団としての末期戦は対象外ですから念のため(笑

2019.3.13現在



泡沫戦史研究所http://www.eonet.ne.jp/~noricks/