泡沫戦史研究所/ドイツ治安警察部隊史/警察装甲車/戦車部隊(1942年〜1945年)

SS警察連隊「ボーゼン」の装甲車小隊

 1943年10月1日、イタリア北部の南チロル地方のドイツ系住民による義勇兵と徴募兵によりボルツァーノ(ボーゼン=Bozen)地区で警察連隊が編制され、当初は警察連隊「南チロル」(Polizei Regiment "Suedtirol")と呼ばれましたが、10月29日には警察連隊「ボーゼン」(Polizei Regiment "Bozen")と改称されました。

 1944年4月からはSS警察連隊「ボーゼン」と改称され、第4大隊も追加され、5月の時点でSS警察連隊「ボーゼン」の第1大隊はイストリア(Istria)地方のアバッチア(Abazzia)及びフィウメ(Fiume)地区で活動していました。残された写真によると、第1大隊は装甲車小隊を伴っており2両のイタリア製装甲車(1919年製の旧式なランチア装甲車とAB41装甲車各1両)を装備していました。
 この写真は1944年6月から1945年始めにポラ地区(ポラ〜マルザナ街道)、フィウメ、トリエステ〜アバッツィア間及びサンタルチア〜イソンゾ街道での第1大隊を撮影したもので、AB41装甲車についてはフェリーから岸壁に陸揚げ作業中の写真もあり、おそらくアドリア海沿岸の島にも渡った事があったようです。
 これらの写真にSS警察連隊「ボーゼン」第1大隊とともに写っている2両の装甲車はこの正体不明の「警察装甲車小隊」の所属車両と思われます。


2008.8.21 新規作成

泡沫戦史研究所http://www.eonet.ne.jp/~noricks/