SS警察旅団「ヴィアト」
SS Polizei Brigade "Wirth"
旅団は1945年1月31日、オランダで編成された第1特別編成警察連隊及び第2特別編成警察連隊をそれぞれ第29SS警察連隊及び第30SS警察連隊と改編、改称して編入し、その他の部隊は第2警察武器学校「ドレスデン−ヘレナウ」からの兵員を編入して編成されました。旅団指揮官には第2警察武器学校「ドレスデン−ヘレナウ」校長のヨハネス・ヴィアートSS大佐兼警察大佐が就任し、旅団は指揮官の名前から警察旅団「ヴィアト」(SS
Polizei Brigade "Wirth")と呼ばれました。
SS警察旅団「ヴィアト」
SS Polizei Brigade "Wirth"
旅団司令部
第29SS警察連隊(第1特別編成警察連隊より)
第30SS警察連隊(第2特別編成警察連隊より)
警察砲兵大隊
警察戦車猟兵大隊:ヘッツアー×10両
警察通信中隊
警察工兵中隊
警察衛生中隊
警察野戦補充大隊
編成の完了したSS警察旅団「ヴィアト」はただちに第9軍/第40軍団に配属され、グリューンベルク北方でオーデル河の防衛に投入されました。また旅団の警察戦車猟兵大隊の1個中隊には2月の時点でヘッツアー×10両が配備されていました。
しかし旅団の配属された第40軍団は典型的な「寄せ集め」部隊であり、2月2日現在の編成は次のようになっていました。
第40軍団の編成(1945年2月2日現在)
第1320要塞砲兵連隊
第1449要塞歩兵連隊
SS警察旅団「ヴィアト」
第25戦車師団の残余
第608特別編成師団
戦闘団「ベルガー」(第2SS警察連隊)
第128砲兵軍団本部
第71師団本部
第391特別編成師団(第9軍兵器学校)
国民突撃大隊「ナウエン」
2月15日にはグロガウの北でオーデル河の防衛線が破られたため、SS警察旅団「ヴィアト」はSS突撃旅団「ディルレヴァンガー」とともに反撃作戦に投入され、その後2月17日にはナイセ河西岸の防衛線まで後退し、グーペン地区でSS突撃旅団「ディルレヴァンガー」や補充旅団「グロスドイッチュラント」と伴に新たな防衛線を構築しました。
旅団は2月10日付けで第35SS警察擲弾兵師団として拡大・改編されることとなり、3月12日付けで第1SS警察連隊と第2SS警察連隊が解隊された際には、残余の兵員は3月16日付けで第29SS警察連隊と第30SS警察連隊へと編入されました。
SS警察旅団「ヴィアト」(SS Polizei Brigade "Wirth")は4月6日付けで武装SSに移管され、第29SS警察連隊は第89SS警察擲弾兵連隊に、第30SS警察連隊は第90SS警察擲弾兵連隊に改称され、さらに第14SS警察連隊の2個大隊が第91SS警察擲弾兵連隊として編入され、3個SS警察擲弾兵連隊を主力に兵員約1万名を擁する「第35SS警察擲弾兵師団」として編成を完了しました。
第35SS警察擲弾兵師団
35. SS Polizei Grenadier Division
師団司令部
第89SS警察擲弾兵連隊
第90SS警察擲弾兵連隊
第91SS警察擲弾兵連隊
第35SS軽歩兵大隊
第4SS警戒大隊「クーアマルク」
SS第35警察戦車猟兵大隊
SS第35警察砲兵大隊
第1203高射砲大隊:8.8cmFlak×12門
第59国民突撃隊及び第60国民突撃隊(ボーゼン、ザガンなどの地域住民から)
SS第35通信大隊
SS第35補給連隊
その他師団支援部隊
2002.2.13 新規作成
2009.7.4 第609特別編成師団→第608特別編成師団
2010.3.13 ヘッツァー装備を追加
2016.4.25 改訂版
2023.9.9 一部修正