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コラム
観賞魚の密放流について
 観賞魚の密放流

琵琶湖でオスカーが発見されたことがあるのをご存知でしょうか?
当然、自然に生息するものではなく、何者かが飼育していたオスカーを密放流したものです。

現在日本各地で様々な種類の観賞魚が、いるはずのない場所で発見されています。
沖縄ではプレコが繁殖し、在来魚をほぼ駆逐してしまった場所があったり、大阪のある公園敷地内の池にアリゲーターガーが発見され、朝のTV番組で2度に渡って紹介されたり。

ガーパイクは日本の屋外でも越冬可能という報告もあります。
となれば、繁殖の可能性もあります。
もし、日本の淡水域で繁殖し、在来魚を食害するような状況になればブラックバスやブルーギルのように特定外来魚に指定されることもあるかもしれません。
そうなれば飼育することができなくなりますし、違法に飼育すれば多額の罰金または懲役刑もありえるわけです。

オスカーが日本の自然環境で越冬し、繁殖して増えてしまう可能性はそう高くないかもしれませんが、われわれアクアリストとして問題は、自分の好きな魚種が飼えなくなるのでなければ関係ないということではないですよね?

あと、時々ニュースなどで見かけることがあるかもしれませんが、地元の川に魚を放流する風景。
「魚が増えて良かった良かった」と思われるかもしれません。
ただ、よく考えてみてください。
放流した魚がその川に元から生息していた魚種だったでしょうか?
その魚は鯉だったりしません?

鯉なんて日本のどこの川にでもいるし、問題ないんじゃない?と思われるかもしれません。
しかし元来、鯉のいない水域もあります。
そのような水域に食物連鎖の高い位置に属する鯉を放流するとどうなるでしょう?
わかりますよね?

自分が釣ったブラックバス1匹を近所の池に密放流することと、何百匹の鯉をもともと鯉のいない川に放流すること。かたや違法な密放流、ほうや環境事業(?)と銘打った大量放流。
ここにどんな違いがあるか考えてみてください。

環境生態学の本を1冊読んだことがありますが、これほど複雑な仕組みを人間がそうそう簡単に理解して、如何こうできるもんじゃないと言うことが感想でした。
たった一つの条件が、それが例えばプランクトンのような小さなものでも、変化するだけで、大げさかもしれませんが、ひとつの水域まるまる環境が変わってしまうことだってあるんですから。

 アクアリストの責任と覚悟

われわれアクアリストは、自分の趣味=単なる楽しみ、自己満足として、命を自らの手で扱うわけですから、それ相応の覚悟をもって望むべきだと考えます。
売れれば良いという一部の販売者側の姿勢と言う問題もあると思いますがここでは触れません。あくまで、われわれアクアリスト自身が飼育者としての責任をどう考えるかです。

アクアリストなら魚を購入するとき、終生飼育するつもり(例え意識しなくても、それが当然のように)で購入すると思います
情報としてこの魚種はマックスサイズがどれくらいで、どんなエサを食べて、どのくらいの水槽が最終的に必要になるのなどを把握し、十分飼育できると判断して飼育を始めます。

ところがある日突然勤め先から転勤の辞令が下るかもしれませんし、病気になり長期入院しなければなり、どうしても飼育を断念しなくてはならない状況になるかもしれません。
そうなった時、あなたならどうしますか?

行きつけのショップに相談して引き取ってもらう、友人知人、ネットオークションを利用するなどあらゆる手段で、自分が育ててきた魚を引き続き大事にしてもらえるような引取り手を捜しだそうと努力するのは当然でしょう。
ところが、どうしても引き取り手が見つからない場合、どうすれば良いでしょうか?

ここで飼育者としての責任・覚悟と言うものを真剣に考えた場合、自分の手で処分すると言う選択肢を選ばざるを得ないこともあるのではないでしょうか。
多くの時間や金銭、そして何よりも愛情をそそいで育ててきた魚を自分の手で、と言うのは魚にとっても飼育者にとっても非常に惨いことだと思われるかもしれません。
しかし、現在の社会の状況の中では、自然環境だけではなく、趣味として観賞魚の飼育が認められていると言う社会環境を守るためには、そのぐらいの覚悟は必要な状況になってきているのではないかと思います。

今までは外来種(外国の生物だけではなく、その地域、水域に存在しない生物すべて)がもたらす影響に関して無知であったこと、それが原因となる優先順位の判断の間違いなどが、外来種問題の今の状況を作った一つの要因かと思いますが、現在では今までのことが間違いであったと徐々に一般的にも広まってきているように感じられます。
ということは、ちょっとしたきっかけで観賞魚の飼育が禁止される状況も将来的には全くないとは言い切れないのではないかと考えています。


 これから新しく観賞魚の飼育を始めようと思っている方へ

その魚、飼いきれますか?
かなりでかくなりますよ?
ランニングコストは大丈夫ですよね?
色々病気とか出るかもしれませんよ?

OK?

あぁ、それからこの世界にハマると中々抜け出せませんよ?

・・・そうですか。
じゃあ、覚悟はできましたね?



ディープなアクアリストの世界へようこそ!


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