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sleepie's running through art 2004
2004年に見た展覧会などの記録をまとめていきます。昨年も半ばに、またしてもぎっくり腰に見舞われ、やはりお出かけ回数は少なくなってしまいました。(と言っても数えたら二百七、八十は見てるようだが)けどまあつくづく年を取ってきたと思います。物忘れもひどくて、ほとんどコメントも書けてないものも残ってます。さすが、日記とは縁のない性格だけのことはあります。そのうちぼつぼつとか思ってるうちに、今年も終わったりするのですが、まあ、無理せず行くことにします。厄年やしな。
1月12日>大阪、京都
- 松井紫朗展 Glossy Dark
- 信濃橋画廊
- 黄緑の樹脂に覆われたキャンバスの、下の両角に近いところに、輪のような形が取り付けられており、あるいは出てきており、絵画とか彫刻とか言う範疇分けを曖昧にしつつある、それでも彫刻かと思われるが、壁の上の絵画が自ら縄跳びを試みる図の如きユーモラスな風情もたたえており、要するに何だかよくわからない。部屋の中ほどには金属で作られた金庫状の造形物があり、扉もあって、その扉には縦に二つの穴が並んで、漆黒の闇をたたえている。重い扉を開けると、穴の奧に広がる真鍮製かと思われる闇をたたえる球状の造形物を見ることもできる。無限の闇がこの球の中にあるのかと。
- 信濃橋画廊apron
- 床に円形に黄土を積もらせる。細かい粉末の黄土は、床の凹凸も精妙に反映して露にしている。古い照明シェード。
- 信濃橋画廊5
- 屏風風に組み合わされた木の板に蓮を描く。
- THUNDERBIRDS MODERN
- HEP HALL
- いやあ、久し振りにパチモンの展覧会見ましたわ。ほんま、子供騙しでも、ここまで目玉も何もない展示をぬけぬけやるか。公開予定の実写版へのつなぎとか、盛り上げとか、そんな風情も何もない。かえって爽快ですね。出口の売店では、思わずCDを買いかけました。(買わんかったけど)
- Premonition−S−
- ギャラリーそわか
- グループ展です。
- アートオブ スター・ウォーズ Part 2
- 京都国立博物館
- サンダーバードに続いて、スター・ウォーズ。新年からオタクか、俺は。それでもね、撮影に使われた「本物の」衣装とか大小道具とか、あるわけですけど、そんで、衣装に使われてる布地の本気さ加減とか、それは呆れたりもしますけど、けど、「本物」と言いながら、持ってきて置いてあるだけですね。いや、説明はあるにはありますけど、解説になってないし、もちろん批評なんかどこにもないですね。ガラスケースの中にずらずらと置いてあるだけで、こりゃ、博物館行きという言葉が死語にならんわけだわと、感心します。展覧会自体の「パチモン度」で比較すると、サンダーバードと変わらんぞ、これ。というのは、私がサンダーバードの方が好きだからでしょうか。
- 常設展
- 京都国立博物館
- 日本美術の常として「常設展」と言いながら、「常設」のものがほとんどなかったりするんですよね。「平常陳列」と言ってたりもしますか。この辺、なんか良い言葉は無いんでしょうかね。
- 申年の新年に合わせて、猿の絵画など。名物裂が展示されているのは、スター・ウォーズ展の衣装に対抗したわけではないだろうけど。
- 武田五一展
- 京都芸術センター
- 京都芸術センター
- 色々なグループ展
1月13日>京都、大阪
- 鈴木理展
- 石田大成社ホール
- 紙のようである
- 渡辺信明展
- ギャラリーすずき
- 百合などの花を描きながら、絵の具の盛り上がった部分、抽象的な色彩のグラデーションが施された楕円などの要素が配された画面
- 堀尾貞治展 あたりまえのこと「空気美術館」兵庫運河から
- アートスペース虹
- 兵庫運河でのインスタレーションを画廊内に縮小して再現しつつ
- 山口啓介展「睡蓮管」
- ギャラリー16
- 蓮を主題にした絵画、と言ってしまって良いものか。確かに蓮の形は見出されるのだが。主題というより、契機とでも呼ぶべきか。
- BEACON 2004
- SPACE B
- 伊藤高志らしい映像が、部屋の壁を巡る。同じ部屋の内部に人物を配置して撮られた映像がその部屋に映写される部分は秀逸。会場近辺の風景もまた取り込まれており、駅からちょっと距離があるが、歩いて行ったほうが良いかもしれない。
- 田口幸加子
- ギャラリー・ラ・フェニーチェ
- リトグラフによるかわいらしい世界
- 山本浩二展
- 番画廊
- イタリアで活動する画家らしく、シンプルかつおしゃれ
- 岩村伸一展
- Oギャラリーeyes
- 紙に蜜蝋で練った土による形象。しかし、形象とは何だろうか
- 鈴鹿芳康展
- シティギャラリー
- ピンホールカメラで捉えた世界の風景
- 近藤啓子展
- ギャラリー白
- 緑一色(嘘)のストロークで埋められた画面。多用されている緑に目が行くが、はて、緑のストロークを見せる、その周囲の色はどうだったんだろうか。
- 絵画を見る
- ギャラリー白3
- 70年代後半生れの4人の作家による平面。いずれも何らかの具体的なものの形態を手がかりに描いており、あるいは伝統的な用語においては具象などと称されてしまうかもしれないのだが、
2月2日>大阪
- 小谷元彦
- KPOキリンプラザ大阪
- ビデオインスタレーションと、彫刻というより作り物と呼んだ方がしっくり来るような立体的な造形物。
- 吉田和央展
- 番画廊
- 鉄の断片を構成した壁面。立ち上がる鉄の形の彫刻。
- パク・ヨンスク写真展「マッドウィメンシリーズ」
- The Third Gallery Aya
- 痛そうだ。いやだ。痛そうなのは嫌だ。痛そうだから「蛇にピアス」も読みたくない私である。
- Oギャラリーeyes
- 千スペース
- 写真学校のニューヨーク研修の報告展
- ギャラリー白
- 現代陶芸作家によるグループ展だが、すべて壁にかける形の作品。
- シティギャラリー
- 第2回アートがもたらす純粋プラセボ効果
- ギャラリーH.O.T
- 中堅以上という感じの作家たちの作品を集めて、作品を医薬品に見立てたらどうかという展示だが、その見立てを観客に求める、薬剤師が困りそうなものである。
- 松山賢展「神話のアイドル」
- ギャラリーツインスペース
- ヨーロッパの神話画のモデルを、グラビアモデルとかAV嬢風の女性像に置き換えて描いてみた絵画。けど、単にパロディーとか批評的とか呼べない違和感があると思ったんだが、もしかしたら作家が日本画出身だからかもしれないなと。
- 山本香展
- CAS
- 結婚衣装を着た作者の自写像。これまで、ラブホテルや曖昧宿で、道ならぬ恋の逃避行的な情景を演じてきた作家であるので、おお、ついに不倫を清算してゴールインか、という非常に下世話な感想を抱いた。
- 小林俊哉展
- 大阪府立現代美術センター
- 白い背景の黒い森
- 浅利美織展
- 信濃橋画廊
- 小松順子展
- 信濃橋画廊
- 菊池孝×原田要
- 信濃橋画廊
- 木を素材にする2人の作家のコラボレーション。といって、共同で一つの作品を作ったというわけではなく、それぞれが作り続けている作品を、一つの部屋の中で並べてみたということだが。この場合、並べてみたという表現はあたらないか。菊池の作品が、壁に取り付けられた木(梅らしい)の枝を支えに、まげわっぱのような素木のベルトが空中を走るというものであるのに対し、原田の作品は、床から生えたキノコか花かという形を基礎に、鮮やかな色彩を見せているからである。
2月6日>京都
- mori yu gallery
- 抽象的なペインティングと、花を花とわかるかどうかギリギリに抽象的に撮影した写真。
- ギャラリーすずき
- 輪の形をフロッタージュすることを基本にした絵画。単純な方法、手法と色彩だが、それゆえにもたらされる結果の多様さと複雑さを、豊かさと呼んでも良いだろう。
- アートスペース虹
- 写真。すごくイヤな写真。何が嫌かと言って、私も14才の中学生だった時期があるからである。20才そこそこの姉が、14才中学生男子である弟の日常を撮影した写真なのである。自分が14才の中学生だったとして、毎日の姿を姉に撮影されて、それが画廊に並べられてるところを想像してご覧な。作品の質とか内容とか評価とかをぶっ飛ばして、やだろ。やじゃん。あーやだやだ。(強調しときますが、批評じゃないですからね)
- ギャラリーココ
- 写真。女性モデル?が特定の不自然に自然な状況に存在する姿を作品化している。物語性を背後に持ちそうな状況でありながら、まったく物語を想起させない状況の写真化というのか。インクジェットプリントの、大きな作品が、ハードの制約ゆえであろう下1/3位のところで継ぎ合わされてるんだけど、この展覧会で儲けて、一枚ものでバーンと作って欲しいものである。(そういう状況があると良いんだけどね)
- ギャラリーココ
- 透明な樹脂で型取りされた蚊取り線香や卵やシャケの切り身に、一部分だけを残してリアルな彩色が施されている。現実と虚構のあり方を造形化することに成功しているとでも言っとけば良いのだろうか。非常に写真的なオブジェ。これ、手彩色されてるようだが、(技術的な可不可はともかく)写真の画像を直接焼き付けたらどうなんだろうか。
- ギャラリー16
- 作家が遠い場所の赤の他人とかかわる、そのかかわり方を作品にするというか、かかわり方をいかに作品化するかを作品として見せる試みを作品として提示しているというか。
2月21日>和歌山、神戸、大阪
- 美術百科「7つの鍵」の巻
- 和歌山県立近代美術館
- 展示替えがあって、大分印象が変わりました。コレクションで、やっぱり満腹になります。
- 「具体」回顧展
- 兵庫県立美術館
- 神戸で具体というと、もう伝統芸能とか無形文化財という域ではないかと思われたりするが、広汎な活動をコンパクトにまとめたときに、どうしても陥りがちな「痩せた」感じのする展覧会ではなく、会場の充実が、この先にもまだまだ作家もおるし作品もあるけど、ま、今日はこのくらいにしといたろか、という余裕のヘヴィー級ジャブで足下フラフラよ。(何を書いとるのか)中庭みたいなところの、空を見上げる作品に入れなかったのが残念。
- 赤崎みま展
- ギャラリー・ラ・フェニーチェ
- 蓮をモチーフにして写真を用いた作品。蓮の花や葉が被写体として見えるのだが、そういったものを撮影した写真作品というあり方から、微妙にずれていく。意図的にずらしてあるのだろうが、そのズレを何と呼べば良いのか、わからない。
3月22日>和歌山
- 梯剛之ピアノリサイタル
- 和歌山県民文化会館
3月24日>大阪
- ロバート・クシュナー展
- ヨシアキイノウエギャラリー
- 吉原英里展
- ギャルリプチボワ
- 大島成己個展/ビデオ・インスタレーション”夜の色”−名付け得ぬもの−
- 信濃橋画廊
- 池田啓子個展untitled
- 信濃橋画廊apron
- 信濃橋画廊5
- 大阪・アート・カレイドスコープ
- 大阪府立現代美術センター
- FAITH
- CAS
- 番画廊
- The Third Gallery Aya
- O ギャラリーeyes
- ギャラリー白3
- ギャラリー白
- シティギャラリー
- 大橋勝 video works
- ギャラリーwks.
- ギャラリーH.O.T
- 花鳥風月の遺伝子
- ギャラリー ラ・フェニーチェ
3月27日>東京
- クサマトリックス−草間弥生展
- 森美術館
- クサマの(による)マトリックスと、展覧会の案内文には記されているが、一方でクサマのトリックと言った方が良いのではないかと思わせるほど、合わせ鏡の無限空間による展示が続く。
- 六本木クロッシング
- 森美術館
- 6人のキュレーターが選んだ57名(組)のアーティストによる展覧会。「キュレーター」とか「アーティスト」とか、すらっと平気っぽく書いてしまうところも、まあ何というか。「観客(オーディエンス)」なんて表記もあるぞ。「名(組)」てな書き方は、定着したんでしょうかね。
- 株式会社みかんぐみ
- 《リハピネス》
- いや、これはいいですわ。
- ボイチェフ・プラジモフスキ写真展WHITE-RED-BLACK
- ストライプハウスギャラリー
- 旧共産党政権下(多分)で撮影されたポーランドの風景。なんのことはない風景や光景が、シュールに見えるのだが、それは共産主義政権のある種のシュールさと通低するのか、関係ないのか。(多分、無いんだと思うんだが)
- 常設展
- ota fine arts
- 草間の黒に白いドットの2mくらいある花、中村政人の電飾など
- simon patterson
- レントゲンヴェルケ
- taro nasu gallery
- 西山美なコ
- 資生堂ギャラリー
- ギャラリーなつか
- gallery koyanagi
- BASE gallery
- 麻生三郎
- 南天子画廊
- 関根直子展「線、海からの帰還」
- αMプロジェクト
- 紙に微細な鉛筆の線状が刻まれ、時にその集積が何かを思わせる形に群れることもある。また、線状の方向は、画面に流れているかのように決定されている。そんな作品。
- 星憲司
- かねこアートギャラリー
- 水彩の力、素描の力
- ブリヂストン美術館
- 常設展
- タグチファインアート
- 丸山直文
- ハヤカワマサタカギャラリー
- トム・フリードマン展
- 小山登美夫ギャラリー
- ゴミのようだったり、ゴミを組み合せてたりするインスタレーションのなかに、脱脂綿で作られた帽子のような雲(の形)がテグスで吊られているのだけが、変に奇麗。
- フェデリコ・エレーロ「Japanomera[ジャパノペラ]−Vertical Thoughts」展
- Gallery Koyanagi Viewing Room
- 1978年サン・ホセ(コスタリカ)生まれ、同市在住という若いペインター。
- 戸谷成男
- SHUGOARTS
- これまでの延長線上と言えば言えるが、まったく異質とも思える作品で、その変さを何と言うべきか。
3月28日>東京
- 超日本画宣言
- 練馬区立美術館
- 出品作家の一人、間島秀徳による公開制作も行なわれる。
- タイム・オブ・マイ・ライフ−永遠の少年たち
- 東京オペラシティアートギャラリー
- 少女っぽいんだけどね
- 中山美央子展
- 東京オペラシティアートギャラリー
- アフリカの二人:J.D.オカイ・オジェイケレとマリック・シディベ
- 原美術館
- モノクロ写真。大体、名前を読むことさえ容易なことではない異文化の地、アフリカの写真家の展覧会である。案内状では「オカイ」さんなのに、会場でもらう解説では「オハイ」さんになってるという、ありがちな難しさ。大体、「アフリカ」とか大雑把なこと言ってますが、オジェイケレさんっはナイジェリア、シディベさんはスーダンの人です。
- 国吉康雄展
- 東京国立近代美術館
- 近代日本の美術
- 東京国立近代美術館
- 時間が無くなってしまい、4階を掛け足で見るのが精一杯でした。
3月29日>東京
- VOCA展'04
- 上野の森美術館
- ギャラリー手
- ギャラリー山口
- ギャラリー山口
- 藍画廊
- なびす画廊
- 21+葉
- 村松画廊
- 原田要
- ギャラリーアートポイント
4月24日>和歌山
- 日本に向けられたヨーロッパ人の眼 ジャパントゥデイvol.6
- 和歌山県立近代美術館
- atW vol.1 永坂嘉光・鈴木理策 高野_熊野_聖地
- 和歌山県立近代美術館
- コレクション展 2004・春
- 和歌山県立近代美術館
- 和歌山県立博物館
4月27日>東京
- フランドル絵画展
- 東京都美術館
- 東京国立博物館
- 再考 近代日本の絵画 美意識の形成と展開
- 東京芸術大学美術館
- 中西夏之
- SCAI THE BATHHOUSE
- 山下新太郎
- ブリヂストン美術館
- 吉原英里
- あらかわ画廊
- 常設展
- 南天子画廊
5月1日>大阪
- 真珠の耳飾りの少女
- パラダイススクエア
- 安井寿磨子
- ギャルリプチボワ
- 個の仕事
- 信濃橋画廊
- 夏原晃子
- 信濃橋画廊apron
- 上崎喜久子
- 信濃橋画廊5
- 垣谷智樹「LOST GROUP」
- 児玉画廊
- FAITH
- CAS
5月8日>大阪、京都
- 大河内久子
- なんば高島屋
- 北辻良央
- MEM
- 伊庭靖子
- ノマルエディション/プロジェクト・スペース
- 視のアスペクト
- galerie 16
- ファッションと色彩
- 京都国立近代美術館
- gyallery coco
- アートスペース虹
- ギャラリーすずき
- 小柳裕 ETHERIUM
- mori yu gallery
- ターウォン・コー・ウドゥンウィット個展
- ギャルリー宮脇
5月15日>大阪
- 三島喜美代
- ギャラリー新居
- 60年代に制作されたペインティング。コラージュを主体に、シルクスクリーンを使った作品など、時代の雰囲気もあるが、メディアで流通する情報の形を使うという点に、作家の一貫した興味を認めることもできる。
- 番画廊
- 石の彫刻、雲と雨を基本的なモチーフに、抽象的に造形
- Oギャラリーeyes
- ステイニングによる絵画
- シティギャラリー
- ギャラリー白3
- 磁器に彫り込みで花や流水という伝統的なモチーフ。手鞠を陶で作ったようでもある。
- 清水六兵衛
- ギャラリー白2
- 細長く立ち上がる陶の造形3点
5月20日-21日>新潟
- 黒田清輝展
- 新潟県立近代美術館
- ディック・ブルーナ展
- 新潟県立万代島美術館
- 常設展
- 新潟市美術館
- 敦井美術館