リーフティーがすっかり定着した今では、手軽で安価なティーバッグはかえって敬遠される傾向にありますが、紅茶の国イギリスでも実はTPOに合わせて多くのティーバッグが飲まれています。
英国人がリーフティーしか飲まないというのは、もう昔の話といえるでしょう。
ティーバッグに最も多用される茶葉のグレードは、サラサラした粉状のダスト(D)と、ダストよりもやや大きなファニングス(F)です。
これらの細かな茶葉は、製造の仕上げ段階で粉をふるいわけするときに選り分けられるもので、水色と成分を素早く抽出する事が出来ます。
また、Dには味に重みが出るという特長もあるため、ミルクティー用など、用途によっては意図的にDをブレンドすることがあります。
DやFのほかにも最近ではCTC製法による茶葉もよく使われています。
これは茶葉を押しつぶし、引き裂いてから1〜2ミリ大に丸める独特の製造方法で作られる茶葉で、DやFと同様に短時間で成分を抽出する事が可能です。
これら抽出時間の早いブロークンタイプの茶葉がティーバッグに多用される理由は、ティーバッグならではの特殊な飲まれ方を考慮しての事です。
例えば、忙しい仕事の合間に紅茶を飲みたいときには、やはり抽出時間は早い方がよいですし、また、抽出の良さを生かして電気ポットの(低温の)湯を使ってもなかなかおいしい紅茶を淹れる事ができます。
こう考えると、ティーバッグでしかおいしい紅茶が味わえないTPOは結構あるものです。
最近では、ブロークンタイプの細かな茶葉のほかにもフルリーフのオレンジペコー(OP)茶葉を使った高級ティーバッグも商品化されています。
こういった大きな茶葉を使った商品は、例えティーバッグといえどもリーフティーと変わらぬ十分な抽出時間をおく必要があります。
ひとくちにティーバッグといっても多くの種類があるのです。
ティーバッグのおいしい淹れ方
ティーバッグで美味しい紅茶を淹れるコツは、基本的にはリーフティーの時と同じです。
要約すれば
●新鮮な沸かしたての熱湯を使う事
●適切な時間 じっくりと蒸らす事
この二つです。
以下に紹介する方法で淹れれば、きっとおいしい紅茶ができるはずです。
ティーカップをそのまま使う手軽な淹れ方は、一人分の紅茶を素早く作るにはピッタリ。
リーフティーのようにポットを使う方法は、数人分の紅茶を一度に淹れるのに最適です。
| 1 | まずお湯を用意。食器に注いで温めます。 使用するティーカップとティーポットは、あらかじめお湯を満たして温めておきます。 この間、別にお湯を沸騰させて、沸騰したら食器のお湯は捨てます。 |
| 2 | ティーバッグは人数分使います。 ティーバッグをポットにいれて、沸かしたての熱湯を勢いよく注ぎます。 ティーバッグは一人(一杯)一袋として人数分使ってください。 お湯は必ず沸かしたての新鮮なものを。 |
| 3 | 蒸らし時間は40〜90秒が目安。 人数分のお湯を注いだら、ふたをして蒸らします。 蒸らし時間は茶葉によって異なりますが、40〜90秒を目安にしてください。 ティーマットやティーコジーを使うと効果的です。 |
| 4 | 時間になったらバッグを取り出す。 蒸らしが終了したら、渋みが出ないようにティーバッグを取り出します。 適切な蒸らし時間がわからない場合は、このときに試飲してチェックしてみるとよいでしょう。 |
| 1 | まずお湯を用意。食器に注いで温めます。 使用するティーカップにあらかじめお湯を満たして温めておきます。 |
| 2 | バッグをいれて新鮮な熱湯を注ぐ あらかじめお湯を満たして温めておいたティーカップの湯を捨て、そこにティーバッグ一袋をいれ、沸かしたての熱湯を勢い良く注ぎます。 |
| 3 | ソーサーを裏返しカップにふたをする。 カップの場合でも、ポットの時と同じ様に蒸らす事が大切。 ソーサーを裏返してカップにかぶせ、蓋の様にして蒸らします。 蒸らし時間はポットのときと同じです。 |
| 4 | バッグを取り出し完成です。 蒸らしが終了したらソーサーをはずし、ティーバッグを取り出します。 一人分の紅茶をティーバッグで淹れるときは、このようにカップを使った方がポットよりも簡単です。 |
ティーバッグはリーフティーよりも味が劣ると決め付ける前に、まずはティーバッグの淹れ方にもルールがあるということを知りましょう。
カップにティーバッグをいれて魔法瓶のお湯を注ぎ、まだ色が出るからといって同じティーバッグで何杯も紅茶を淹れていては、おいしい紅茶になるはずがありません。
ダストやファニングス、CTCといった茶葉の良さを知って、リーフティーと上手に飲み分けたいものですね。
参考 : 紅茶の辞典
[紅茶の豆知識]