Interactive Readingについて
-JACET教材開発研究会の中間報告を中心にして-
大阪国際大学 上岡サト子
1) 目標
- 他の3技能も取り入れた発信型のリーディング教材の作成を目指す。
-
- 良い教材の条件として、
-
- 読む技術を習得できるもの(skimming, scanning,main idea, paragraph organizationなど)。
- 4技能をまんべんなく取り入れたもの。
- 題材を欧米だけに求めない。アジア、太平洋地域にも目を向けたもの。
- 各単元の始めに、学習者の興味を喚起する内容の導入部分があるもの。
pre-reading preparationの必要性。
- 目標に沿ったタスクが設定させているもの。
具体的作業
市販のまたは教材として選択したことのある教材を選び、長所、短所を考える。
2) 第2段階 発信型の意義と具体的方法
- リーディングを発信型にすることの意義について再考またその方法についての討論
-
- 発信型の意義:
学習者と学んでいることとの間に相互作用が生まれる。学習者は習得した内容や言語材料を自らのものとして、情報の発信者へと育成される。
-
- 具体的方法:
リーディングと他の技能をさまざまなタスクを通して有機的につなげる。Reading, Listening, Speaking, Writingの指導順は固定するのではなく、多様性を持たせること。
-
- 「読んだもののサマリーを書くことにより、読解力がさらに強化されることになる。」(天満)
-
- 「オーラル・インタープリテーション的な指導をおこなうことにより、読みの力が直ちに他の力(聞く、話す、書く)に転移する。」(安藤)
-
3)第3段階 目標とされる発信能力とタスクの問題の解決
- どのような発信能力を習得させることを目標とするのか。
-
- ロールプレイ 学習者間の意見交換
- サマリー 読んだ内容を自分の言葉で伝える能力
- 発表 調べてきたことを口頭で伝える能力
- 意見表明 自分の意見や感想を述べることのできる能力
- ディベート
- タスクの組立
-
- 学習者にとって負担の軽いタスクから重いタスクへ配列(Nunan)
recognition, awareness, atention, reaction, productionなど。
- Processsing, Productive, Interactiveの順に配列(Nunan)
- どのようなタスクがよいか。
-
- Vocabularyの問題を作成する。
- 各段落ごとに内容理解のためComprehension Questionを入れる。
- 学生間での活動、reproductionのためのタスク、漫画を用いてロールプレイをさせるなど。
- ドラマを取り入れて、共同作業をさせる。
- パラグラフ単位の理解とまとめを書く作業。
- グループを中心にプロジェクトワークをさせる。その結果の発表。
- 反対、賛成意見を出させてディベートをさせる。
4)現段階 基本項目の決定と教材作成の作業
- ユニット数
- フォーマットの問題 書く単元を同じにするか否か。
- 日本語をどう扱うか。
- 教材をコントロールされたものにするか否か。語彙制限を設けるか否か。
- 話題は片寄らないように配慮する。
- 完成の見通しのついたものから、担当を決定する。
過去の例会