奈良教育大学英語教育研究会4月例会 2000.4.22
統合学習 −演劇を通した言語学習−
奈良市立一条高等学校
酒井 雅子
- コミュニケーションとは
−単に話すことではなく、何かを伝達するための活動の全て
コミュニケーション能力を高めるためには
−4領域(listening, speaking, reading, writing)のバランスのとれた学習が不可欠
- 学校紹介
- 統合学習 (Integrated Approach)
同一テーマに従って、3科目(総合英語、英語表現、英会話)を連動させた学習
(特徴)
本プログラムの運営は複数の教員でなされること
テキストや新聞記事及び講演などからテーマについての基本的な情報を得
る
ディスカション、ディベートなどを通して個々の意見やグループの意見を
まとめ、脚本を作成する
・全ての生徒がこのプログラムのいかなる段階でも、その能力に応じた参加がで
きる
・それぞれの学習段階で発表に必要な語彙や表現を自然に学習しながら、テーマに対する意見を持つことができる
・劇を演じることによって登場人物の思いや感情を追体験し、新しい自己を形成
することができる
・発表者の努力や工夫次第で更に創造的な発表ができ、1つの作品を完成させた充足感が得られる
・それぞれの段階において、より効果的な指導や指示をいかに与えるか
・生徒の発達段階に応じたテーマの設定をする必要がある
- まとめ
コミュニケーションと言えば、『単に会話ができること』という認識を持ちがち
であるが、考えなければならないことは、特に伝える事柄やテーマがない状況下にお
いて、コミュニケーションを成立させることを求められた場合には、非常な困難を覚
えるということである。また、更に踏み込んだ会話をするためには、個々人がその資
質を高めなければならない。これは、教師にもいえることである。生徒の意識を高め
るような話をするためには、我々も自らを磨いていかなければならない。質の高いコ
ミュニケーションを成立させるため、本プログラムに更に改良を加え、よりよいもの
にする努力をしていきたい。
本プログラムを通して我々の目指すものは、流暢に英語を話す生徒の育成ではな
く、自分の置かれた状況を的確に把握し判断する力を有して、誰に対しても自信を
持って自分の意志を伝えることのできる生徒を育てることである。
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