「沖縄通信」第134号(2019年6月)

   
       西浜 楢和
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琉球遺骨返還訴訟裁判が始まる

 

ぼくは『沖縄通信』第131号(201811)で「なぜ、琉球遺骨返還請求訴訟を闘うのか―学知の植民地主義を問い、琉球人の尊厳回復を目指して―」を記しました。この訴訟は2018124日に提訴され、その1回公判201938日に開かれました。この時、ぼくは統一地方選に張り付いており傍聴が叶いませんでしたが、517日に開かれた第2回公判は傍聴しました。

 そこでこの134号で、第1回、第2回の公判を報告します。

訴状の要旨

   
  

原告が提出した訴状の要旨は次の通りです。なお、裁判用語は独特なので、成るべく分かり易いように日常用語に改めています。

 

1 原告と被告

原告は①亀谷(かめや)正子、②玉城 毅、③松島泰勝、④照屋寛徳、⑤金城 実の5名。①②は沖縄・今帰仁村にある百按司(ムムジャナ)墓に葬られていた第一尚氏(注)の子孫、③は龍谷大学教授、

④は社民党衆議院議員、⑤は彫刻家で、ともに先住民族である琉球民族。

被告は京都大学

    
 
 
 

松島泰勝・龍谷大学教授

 

(注)第一尚氏:

 1406年尚思紹を始祖とし、1469年尚徳まで764年間続いた王統。尚円のクーデターにより滅ぼされ、第二尚氏の時代に移る。初代尚思紹、2代尚巴志、3代尚忠、4代尚思達、5代尚金福、6代尚泰久、7代尚徳

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