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ネパール(1978年)

●サガルマータ国立公園 1979年
「神々の母」という意味のサガルマータは,世界の最高峰エベレストのネパール名。
中国のチベット自治区に接し「世界の屋根」とよばれる山々にユキヒョウなどの珍しい動物や多くの鳥類などが生息。国立公園内にはラマ教の僧院もある。
■カトマンズの谷 1979年 
ネパールの首都カトマンズと,パタン,バドガオンなどの町がある盆地をカトマンズの谷という。カトマンズは先住民ネワール人の都として13〜18世紀に栄えた。旧王宮チベット仏教やヒンドゥー教の寺院,ストウーパ(仏塔)などがある。
●ロイヤル・チトワン国立公園 1984年
ネパールの南端,インドとの国境にあるモンスーン気候地帯のジャングルからなる国立公園。インドサイ,ベンガルトラ,ペリカンなど数多くの野生生物が生息。近年の保護対策により増えはじめた動物もいる。

■仏陀の生誕地ルンビニ 1997年
仏教の開祖、ブッタ(釈迦)の生誕地。ルンビニという名の園林内のむう樹(沙羅樹)の下で、母マーヤー夫人のわきの下から生まれたという。仏教を信仰したアショーカ王の巡礼(じゅんれい)をしるした碑文(ひぶん)が19世紀末発見された。インドの仏教4大聖地のひとつ





サガルマータ国立公園
   ネパール
   サガルマータ
世界中の登山家がめざすサガルマータ。世界でもまずしい国のひとつネパールにとって,登山客や観光客がもたらす収益は大きいのですが,同時に自然環境の悪化が進んでいます。
   登山基地
シェルパの人びとが暮らす村や街道には,チベット仏教の僧院も点在しています。近年,ふもとの山々を歩くトレッキングがさがんになっています。

  ヒマラヤ山脈の中心をなす山岳地帯
サガルマータ国立公園は,首都カトマンズから北東165キロに位置し,中国のチベット自治区に接しています。世界最高峰のサガルマータ(標高8,848メートル)を筆頭に,7,000メートル以上の山が7つもあるヒマ
ラヤ山脈の中心山岳地帯です。
公園内には,ユキヒョウやヒマラヤグマ,ヒマラヤゴーラル,ヒマラヤジャコウジカなどの大型動物,鳥類は渡り鳥をふくめると約120種,チョウも約30種が生息しています。

世界の最高峰(さいこうほう)サガルマータ
サガルマータは,ネパール語で「世界の頂上」を意味しています。チベット名は「チョモランマ」,「神々の母」という意味です。英語名「エベレスト」は,1852年に,この山の位置と標高をはじめて記録したイギリス人,当時インド測量局長官だったジョージ・エベレストの名前にちなんでつけられました。
1953年5月29日,イギリス隊のエドムンド・ヒラリーとネパール人ガイドのテンジン・ノルゲイが,はじめて頂上にたどりつきました。以降,スイス隊,アメリカ隊,インド隊が登頂に成功し,日本隊も1970年,植村直己(むらなおみ)らがはじめて登頂に成功しました。

ロイヤル・チトワン国立公園 
絶滅の危機にある野生動物たちが暮らすジャングル ネパール 1984年
  ネパール最大の国立公園
ネパールは東西に長くのぴた国です。ヒマラヤ山脈で有名な北側の山岳地帯には,たくさんの国立公園があります。いっぼう,ロイヤル・チトワン国立公園はネパールの最南端,インドとの国境タライ平原にあります。
ここはモンスーン気候で,ジャングル全体が国立公園になっています。広さが東西80キロ,南北23キロにおよび,ナラヤニ川とラブティ川が流れる公園内には,ベンガルトラ,インドサイ,ガンジスワニなどの大型動物をはじめ,多くの野生生物が生息しています。なかでも野鳥の種類は450種以上で,1カ所に生息する種類としては世界一です。チョウも80種以上生息しています。
公園内ではゾウの背中に乗り,雄大な自然の風景のなかを移動することができ,観光客に人気があります。

  絶滅の危機にある動物たち
ロイヤル・チトワン国立公園は,1973年にネパールの国立公園に指定されました。それ以前の1950年代,政府の方針により山岳地帯から人びとが移住してきたため,この一帯は自然環境が悪化しました。原生林は大幅に減少してしまい,野生動物の密猟も絶えませんでした。
ベンガルトラは,毛皮をとるためや体の各部が漢方薬などに使われるために,また,インドサイも角から工芸品をつくったり薬をとるために密猟されました。
国立公園に指定されてからは,ネパール政府によって密猟の取りしまりが行われ,野生動物は保護されるようになりました。最近ではふたたび数をふやしはじめた動物も確認されています。
しかし,住民が生活のために木材の伐採をもとめたり,生活地域を接する野生動物に害をおよぼされたりする問題もおきています。
住民の生活や観光と自然保護のバランスのむずかしさを,ロイヤル・チトワン国立公園はしめしています。
  インドサイ
インドサイは角が1本で,体高が1.7メートルから1.8メートルくらいまで成長します。現在はネパールおよびインドのアッサム州の草原にしか生息していません。
  ベンガルトラ
ベンガルトラは,尾をふくめた体長が約3メートル,体重は180〜260kgあり,東南アジアの大陸部とインドの中郡と南部に生息します。シベリアトラよりも毛脚が短く,黄褐色があざやかなトラです。ベンガルトラのなかには,毛が白いものもいます。

ネパールの世界遺産(1978年)