安黄省 上海の南西約370km

72の秀峰、60を超える水景、唐代からの霊泉が湧き、わずかな割れ目に根を張る典雅なマツが立つ黒い岩肌をを彩る。
美しい雲海に包まれ、多くの巨岩怪石が展開する奇景は夢幻の仙郷を思わせ、
黄帝が仙術の修行をしたという伝説がある。
名山中の名山として多くの文人に称賛された山水画の原風景がここにある。
山中には峰々を結ぶ4万段もの石段からなる登山道がつくられ、
中国でも指折りの景勝地、保養地として、多くの観光客を集めている。

  岩やマツがおりなす幽玄な景色
安徽省南部にある黄山は,標高1,000メートルをこえる峰が72もそびえ,樹齢1000年以上のマツ,人や動物などの奇怪な形に見える岩や石が目をひきます。1年のうち200日以上は霧や雲海がかかる山水画の世界。さらに温泉や滝もあり,人びとを引きつけます。さまざまな伝説を生み,唐の時代の詩人,杜甫(とほ)・李白(りはく)もここをおとずれ,詩をつくりました。
黄山には,1,000種以上の貴重な動植物も生息しています。

  泰山登山道の終着点,南天門
広大な自然のなかに,800以上の詞堂(しどう)や廟(びょう)が点在するようすは,不老不死や仙人の存在
を信じる道教の聖地にふさわしいものです。
  黄山の奇勝をつくる岩とマツ
切り立った断崖に生えるマツは,きびしい環境のために独特の形になりました。花崗岩(かこうがん)
などからできた奇岩(きがん)には,国有の名がつけられ,峰々も古来よりそれぞれの名でよばれて
きました。さらに,霧と雲海も黄山の絶景を語るのに欠かせません。
4万段からなる登山道のほかに,近年ではロープウ工一も整備され,国内外から多くの観光客がおとずれています。

黄山  自然がつくりだした山水画の世界     中国 1990年 自然遺産 文化遺産

黄山(こうざん)は、中国・安徽省にある景勝地。伝説の仙境を彷彿とさせる独特の景観から、古くから「天下の名勝、黄山に集まる」と言われ、数多くの文人が訪れた。

黄山松
険しい崖の岩肌に根を下ろし、たくましく枝をのばす黄山松。厳しい環境に適応した固有種として認められている。

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