かつて紫禁城と呼ばれ、明と清の2王朝にわたって政治権力の中枢であった故宮は、世界でも屈指の博物館というだけではなく、清朝建築の精華が凝縮された中国建築の博物館でもある。
現存する建物のほとんどが清朝になってから再建されたものであるが、その構成原理は、極めて古い伝統に基づき、古代の思想や技術を受け継いだ中国建築の伝統を今に伝えている。
約72万平方mという世界でも例の無い巨大な敷地につくられた宮殿群や庭園は、修復と保護によって2王朝の栄華を再現し、見る物を圧倒する。

故宮(こきゅう)または紫禁城(しきんじょう)   世界最大の宮殿・北京・故宮

北京と瀋陽の明・清王朝皇宮(ぺきんとしんようのみん・しんちょうこうきゅう)

故宮博物院こきゅうはくぶついん

紫禁城(しきんじょう)または故宮(こきゅう)は、中華人民共和国の北京に所在する旧王宮、歴史的建造物。

北京の故宮博物院は、もとの宮殿(紫禁城)であった所を博物館にしている。一般入場料は40元(4月から10月は60元)。留学生のみ学生証によって学割が適用される場合があるが基本的には外国人は子供も一般料金が適用される。120cm以下の子供は外国人を含めて無料。「珍宝館」および「鐘?(時計)館」はそれぞれ別料金(10元)である。敷地内は広大で、売店や軽食堂がある。なお、現在は故宮博物院の敷地外となっている天安門や端門への登楼も有料で可能であり、正門である午門の前にも民営の小さな展示館がたくさん有る。




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500年にわたる王朝の繁栄を現代に伝える北京の宮城 中国 1987年   中国の世界遺産へ戻る

明・清朝の皇宮

北京(ペキン)にある明・清時代の宮殿,紫禁城(しきんじょう)は現在故宮博物院(こきゅうはくぶついん)
となっている。中国で現存する最大の木造建築物群。明の永楽帝時代に完成したが明時代末に焼失,清朝が再建した。

  明の永楽帝が建てた紫禁城
紫禁城は,現在は故宮(こきゅう)とよばれています。1420年から1924年まで,中国の明・清両王朝24代500年にわたる皇帝の宮城でした。
北京(ペキン)の中心部に位置し,東西約750メートル,南北約960メートルにわたる巨大な宮殿です。
明の第3代皇帝永楽帝は,都を南京(ナンキン)から北京に移すと,1406年に元の宮城跡に紫禁城を築きはじめました。
1420年に紫禁城は完成しましたが,明末期の戦乱で一度は焼失してしまいます。
現在の建物は,大部分が清朝になって再建されたものです。
1924年にクーデターがおこり,清  朝最後の皇帝溥儀(ふぎ)が紫禁城から天津に追われると,翌年から紫禁城は故官博物院として一般に公開されるようになりました。

 北京のシンボル・故宮(こきゅう)
故官は,南側の午門(正門)から北側の神武門(後門)まで,直線上に楼門や宮殿がならんでおり,南の「外朝」と北の「内延」の部分からなっています。
外朝は,午門をはいると,広い廷内に黄金色の琉璃瓦(るりがわら),紅殻色(べんがらいろ)の壁で築かれた長さ24メートルの太和門があり,中国最大の木造建築である太和殿があります。さらには中和殿・保和殿(ほわでん)などの建築群がならぴ,石段や欄干(らんかん)に彫られた彫刻などの豪華な装飾は,見る者の目をひきつけます。
歴代の皇帝は,ここで政治や儀式を行ってきました。内延は,乾清(けんせい)宮,交泰殿(こうたいでん),坤寧(こんねん)宮などの建物があり,皇帝が私的な生活をいとなんでいたところです。後門の神武門をでた向かいの山は景山で,いまは公園になっています。

  ふたつの故宮博物院(こきゅうはくぶついん)
日中戦争中,日本の侵略による戦禍をさけて,故宮の主要な文物は約3,000箱の荷物におさめられ,南京,重慶などに移されました。
1945年の日本敗戦後,中国では国民党と共産党による内戦がおこり,博物院が所蔵していた多数の品が国民党とともに台湾に移されました。
1949年に中華人民共和国(ちゅうかじんみんきょうわこく)が成立すると,北京の故宮博物院では,残された宝物のほかに新たな収集物も加え,明活工芸館,絵画館,珍宝館(ちんぽうかん)などに分けて展示するようになりました。収蔵品の数は100万点以上とされます。
台湾では,1965年から台北(タイペイ)郊外に新たな博物院がつくられ,大陸から運ばれた文物が展示されています。多数の名画のほかに,青銅器,陶磁器(とうじき),刺繍(ししゅう)など,収蔵品の数は70万点にのぼります。

 故宮の全景

北側の神武門をでた向かいの山,景山公園の小高い頂上に立つと,故宮の全景をながめることができます。故宮の面積は約72万平方メートルで,これは京都御所が6つ半はいる広さです。

中和殿と保和殿
 中和殿・・・皇帝が休憩したり,儀式の準備を行う控えの部屋です。
 保和殿・・・属国の王たちを集めて宴会を開いたところです。

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