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サーンチーの仏教建造物 インド 1989 インド最古の仏教遺跡
  巨大なストウーバ(仏塔)
サーンチーの仏教建造物は,インド最古の仏教遺跡です。デカン高原の北側,マデイヤ・プラデシュ州の州都ボーパルの近郊にあります。
1818年に発見されたこの石づくりの遺跡は,紀元前3世紀から紀元後12世紀につくられたといわれ,ストウーパ(仏塔)や寺院,僧院などが残っています。ブッダや高僧の聖骨をおさめるために築かれたストウーパは,半球状もしくは釣鐘状をしています。
サーンチ一にある数多くのストウーパのなかでも,半球状をした最大の第1ストウーパは,その原型が紀元前3世紀境のマウリヤ朝のアショーカ王によってつくられました。直径は約36メートル,高さは約16メートルにもおよびます。そのストウーパをかこむ4つのトラナ(鳥居のような形の門)には,「ブッダの一生」をえがいた彫刻がきざまれています。

   仏教を信仰したアショーカ王
アショーカ王は,マウリヤ朝第3代の王です。仏教をあっく信仰したことで有名です。

王朝をつくった祖父チャンドラ・グブタ以来の領土拡張政策を受けつぎ,即位後8年でインド亜大陸のほぼ全域を統一しました。その戦争の死傷者は数十万にもおよんだため,王は深く悲しみ,平和的な政策へと転換しました。道路網や街路樹の整備,宿泊所の建設,井戸の掘削,人間ばかりでなく動物をも対象とした病院の設置などを行ったのです。そ
の背景には,すべての命を平等とする仏教思想の影響がありました。
インドで生まれた仏教仏教は,紀元前6世紀頃にインドで生まれた宗教です。「悟り」を開いたプッダの教えを弟子たちが伝えました。ブッダは,心の迷いを取りされば,この世の苦しみから解きはなたれると説きました。
紀元前3世紀,スリランカへ伝わり,ミャンマーやタイ,カンボジア,インドネシアへと伝わりました。北方へは,紀元前1世紀に中国へ伝わり仏典が漢訳されると,朝鮮半島を経て6世紀に日本へも伝わりました。