(オーメイシャン) (ローシャンだいぶつ)
峨眉山と楽山大仏
がびさんとらくさんだいぶつ

四川省にある峨眉山は,標高約3,000メートルの最高峰をいただく唐から活の時代に栄えた仏教の聖地。報国寺,万年寺など100近い寺院がある。楽山大仏は,眠江ほとりの岸壁に彫られた,高さ71メートルの世界最大の仏像。

中国四大名山のひとつである峨眉山は中国仏教の聖地として知られ、唐、宋時代から明、清時代にかけての最盛期には報国寺や万年寺をはじめ100近い仏寺があった。
頂上の金頂は、山頂の雲海に現れる。
「仏光」の美しさでも知られる天下の名勝である。
この峨眉山の東20kmの西岩壁に楽山大仏がある。唐代に90年の歳月をかけて完成したこの大仏は中国最大の仏像で高さ71mもあるが、その容姿には見る人の心を和ませ、川を行き来する舟を見守っているかのようである。

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中国仏教4大名山のひとつと断崖に彫られた大仏 中国 1996年
  峨眉山と楽山大仏(がびさん と らくさんだいぶつ)
 中国仏教4大名山のひとつ
四川省にある峨眉山は,標高3,098メートルの万仏頂など3つの峰をいただき,普賢菩薩(ふげんぼさつ)をまつる仏教の聖地です。
文珠菩薩(もんじゅぼさつ)の山西省五台山,観音菩薩の浙江省普陀山,地蔵菩薩の安徽省九華山とならび,中国仏教4大名山のひとつです。
峨眉山の登山口には,明の時代につくられた報国寺(ほうこくじ)という大寺院があります。金色の釈迦如来像(しゃかにょらいぞう)が置かれた大雄殿(だいゆうでん)など,多くの建物や塔があります。寺院内の文物陳列室には絵画も置かれています。山中には,4世紀に創建された万年寺(まんねんじ)をはじめ,100近い寺院があります。
峨眉山の山道は全長約60キロで,夏になると多くの人びとがおとずれます。
  巨大な石仏,楽山大仏(ローシャンだいぶつ)
峨眉山から東に約20キロほどの位置に,凌雲山の西側の断崖にきざまれた弥勒菩薩座像(みろくほさつぎぞう)があります。
これが世界最大の仏像,楽山大仏です。
楽山大仏は,長江(ちょうこう)の支流,岷江(みんこう)に2本の川が交差する場所に位置しており,船の安全な航行を願い,百年近い年月をかけてつくられたといわれています。
全体の高さ71メートル,頭部の長さ約15メートル,顔の幅10メートル,耳の長さ7メートル,足の幅8.5メートルという巨大な像です。耳の穴のなかに人がふたりはいることができ,足の上に100人以上すわることができます。
奈良の大仏は,高さが18.8メートルですから,その約4倍の高さになります。

  峨眉山の3つの峰のひとつ,金頂
峨眉山は,亜熱帯から亜高山帯に位置し,植物分布がゆたかです。樹齢1000年をこす巨木もあります。人間の美しい眉を思わせる山並みは,古来より「天下の名山」として,李白(りはく)などの大詩人を魅了してきました。ふだんは霧におおわれていますが,晴れたときには人や物の影が巨大な妖怪のようにうつって見えることがあります。

  楽山大仏(ローシャンだいぶつ)
もとは木造の建物におおわれていましたが,明の時代の末期に焼失して,大仏だけが残りました。
眼下の川を行き来する船を,高い断崖から慈愛(じあい)にみちたまなざしで見守っています。

峨眉山(がびさん)は中国・四川省にある山。
楽山大仏(らくさんだいぶつ)は、中国・四川省楽山市にある大仏。