T 1959〜60



夢と現実
曙出版
ハイティーン
1号
33p
大学進学の夢を絶たれる高校生。1959年8月18日発表
曙出版登場一作目にしてその後の中心テーマ(女性の社会的自立および学歴社会批判)が出ている。
巻頭に川田漫一による+画人会設立趣意書がみられる。

マスコミの掟
曙出版
ハイティーン
2号
33p
映画会社が売り出し中のTV女優の引き抜きを図る。1959年9月18日発表
花咲く日
曙出版
ハイティーン
3号
35p
小児麻痺を克服してファッションモデルを目指す娘。1959年10月18日発表
汚れた青春
曙出版
ハイティーン
4号
37p
真面目な学生がチンピラの仲間に入る。1959年11月
ある出来事
曙出版
ティーンエージャー
1号
32p
英語弁論大会に出る高校生。1959年12月
僕達は負けないぞ!
曙出版
ハイティーン
5号
56p
勤労青年達の青春。1959年12月18日発表
ゲレンデの思い出
曙出版
ティーンエージャー
2号
47p
スキー場での高校生同士の果かないロマンス。1960年1月9日発表
銀盤の孤独
曙出版
ハイティーン
「ウィンタースポーツ特集」
35p
フィギュアスケーターの栄光と挫折。1960年1月18日発表
まゆみの日記
曙出版
ティーンエージャー
3〜10号
各3〜4p
中学卒業から高校入学前後の日常。1960年2月〜9月発表
冬の花
曙出版
ハイティーン
6号
70p
貧しい家の双子の姉妹をめぐる事件。1960年2月18日発表
中篇に属する作品であるが作者としては最長の部類で、当時の単行本一冊(128p)に亘るものはその後ついに出ることはなかった。
新城さち子らと比べても、引退後急速に忘れられた最大の理由である。
主婦兼業のプロ漫画家という立場が創作モティヴェーションを制約した為だが、
反面その立場が、作品の背景に生活感というか現実社会の拡がりをもたらしているのも又事実であろう。
節子たち
曙出版
ハイティーン
7号
64p
父の転勤で農村に引っ越した娘がそこの閉鎖性に悩まされる。1960年3月18日発表
哀愁のからまつ林
曙出版
ティーンエージャー
5号
20p
信州での高校生と画学生のロマンス。1960年4月2日発表
本作から6点、当時の流行歌に因んだ「ミュージック物語」の連作が続く。
都会の谷間
曙出版
別冊ハイティーン
「黒い貝殻」
20p
不良の娘を更生させようとする元不良仲間。1960年4月7日発表
虚栄の都
曙出版
ハイティーン
8号
40p
化粧品会社社長の息子と広告モデルの恋の行方。1960年4月18日発表
恋の片道切符
曙出版
ティーンエージャー
6号
20p
同僚に陥れられた事務員。1960年5月
もしもわたしがあのときに
曙出版
別冊ハイティーン
「われら十七才」
49p
洋品店員のままならぬ恋。1960年5月12日発表
都をのがれて
曙出版
ハイティーン
9号
50p
中国四国旅行記。1960年5月
戦争に対する深い洞察が見られる。
カメラを振り回す画学生は作者の自画像であろうか。
これ以降の描線に前年関東進出を果たした劇画工房、とりわけ石川フミヤスの影響を認める向きもあるかもしれない。
宵待草
曙出版
ティーンエージャー
7号
20p
花の香りが呼び起こす初恋の追憶。1962年6月2日発表
少年の語る「女の人はすぐお嫁に行ってしまってつまらない」という言葉に
作者の問題提起というか想いを読み取ることができる。
昨今は真逆のようであるが...
私は狙われている
曙出版
別冊ハイティーン
「都会の谷間」
50p
家出娘の東京での受難。1960年6月15日発表
二つの青春
曙出版
ハイティーン
10号
53p
裕福な娘が不良少年の更生を願う。1960年6月23日発表

ラ・メール
曙出版
ティーンエージャー
8号
20p
旅行資金稼ぎに海岸でアルバイトを始める三人娘。1960年7月
山と谷の間に
曙出版
別冊ハイティーン
「黒い太陽」
60p
山でキャンプを張る高校生たち。1960年7月8日
浜辺の歌
曙出版
ティーンエージャー
9号
20p
肺炎に冒された娘の闘病生活。1960年8月
淡白だがリリカルで美しい作品。
海辺の青春
曙出版
別冊ハイティーン
「渚にて」
70p
病気療養のため海辺に来た娘。1960年8月12日発表
障害者差別を扱っている。
旅愁
曙出版
ティーンエージャー
10号
20p
画家志望の娘の挫折。1960年9月2日発表
アメリカン・ハイスクール
曙出版
別冊ハイティーン
「アメリカの十代」
58p
日系米人少女の青春。1960年9月9日発表
また会う日まで
曙出版
別冊ティーンエージャー
「別れの歌」
42p
高校生が退学した親友を心配して...1960年9月12日発表
秘密
曙出版
ローティーン
1号
45p
知人の素敵なお姉さんは宝石泥棒だった。1960年9月22日発表
二つの指輪
曙出版
77p
裕福な家の娘にある日不思議な手紙が...1960年10月5日発表
本作から4点タイトル作(但し鈴原研一郎との連名)が出た。
当時関西系の金竜出版グループ(谷悠紀子、花村えい子、楳図かずお
新城さち子ら)が少女漫画の新風を巻き起こしていたのを意識した企画と思われる。
誓い
曙出版
別冊ティーンエージャー
「幸あれ友よ」
43p
入院中の反抗的な少年を気遣う少女。1960年10月12日発表
さすらいの果てに
曙出版
65p
戦災孤児の少女が更生するまでの長い道のり。1960年11月4日発表
作者としては珍しく戦争体験を直截に取り上げた作品。
友情を賭けて
曙出版
別冊ティーンエージャー
「若い生命」
43p
演劇に打ち込む高校生。1960年11月11日発表
ストーリーは充分面白いのだが、日程不足の為、画面が荒れ気味なのが勿体ない。
遥かなる灯
曙出版
62p
学校の創立者の養女に迎えられた高校生。1960年12月5日発表
一見「アルプスの少女」風であるが、口絵が示しているように異性愛による同性愛の圧殺を扱っている。
このテーマは後に反復、変形、転回されて度々あらわれることになる。
美しき誤解
曙出版
別冊ティーンエージャー
「青き星座」
43p
学生寮で相部屋の先輩の秘密。1960年12月13日発表
本作で作者の挿絵風の絵柄が確立した様である。
里中満智子が、『幸福の条件』とかいう、本作の影響と思われる短編を描いている。

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