ショートスキー使いこなし術

ショートスキーを楽しく安全に使いこなすための予備知識として考えて下さい。
ショートスキーの特徴やショートスキーで遊ぶ時に心がけると良いことから実際にゲレンデに出てから快適にショートスキーを楽しむための実践例などについて書きます。

ショートスキーの基本的な特徴と特性

持運びは肩掛けカバンひとつで

ご存じのとおりなんといっても板が短い。
短いもので70センチ程度から長いものでも130センチ程度でしょう。
183センチの重いGS用の板を持ち運ぶことを思うと90センチの板はちょっとしたおもちゃ程度に思えてきます。
どうしてもブーツはかさになりますが板だけならケースに入れれば肩に掛けて簡単に持ち運べます。専用のリュックを使えば背中に差してハイキング気分でスキーに出かけることもできちゃえます。
車でスキーに行く時ならスキーキャリアは必要ありません。トランクでも座席の足元にでも十分入ってしまいます。
なんといっても体力的にも精神的にも楽ちんに勝るものはないですね。
最初は新しいもの好きがこうじてショートスキーの魅惑の世界へと足を踏み入れてしまったわけですが、その最も感激したところはやっぱりその持運びの容易さでした。


操作は簡単!ショートカービングもなんのその

一見、子供用の板と勘違いしてしまうぐらいのサイズしかない板ですが、性能自体は個人的には十分満足のいくものです。
エキスパートモデルの長くて硬い板を転がしている上級者さんには物足りなさがあるのかもしれませんが、このサイトに迷い込んだあなたはそうではないでしょう。バリバリのエキスパートさんはこのサイトには興味は示さないはずです。もっと上級者向けのマニアックなサイトはいくらでもあります。
自分の身長ほどもあるスキーは扱いが難しくてかないません。スノーボードなどというものに至っては一本の板に両足を縛り付けられる始末です。
その点ショートスキーはかなり自分の足を動かす感覚で操作することができます。イメージはスキーとスケートの中間ぐらいでしょうか?
一昔前までは長くて寸胴スタイルの板が主流でしたが今やショートカービングがその座を取って代わっています。当然その後に世に出始めたショートスキーにはれっきとした『くびれ』が存在します。しかも板長が短いので回転半径も小さい結構きついカーブが付けられています。小回り、中回り、特に小回りでカービングターンを味わうにはかなりの腕前が必要ですが、ショートスキーではそのサイドカーブに乗って滑ればショートカービングになるといった寸法です。
これまでの努力はなんだったのやら・・・
スピードが出てくると少々安定感がなくなるのは否めませんが、それはご愛敬ということで。時速50キロぐらいまでならなんてことはありません。
板をプルプル震わせながら滑りましょう!


いまどき気分も味わえる

とりあえず流行ってます。手軽に始められるからなのか、中途半端な感じがいまどきの若い衆の心をとらえたのか、はたまた新もの喰いが多いのか?
ゲレンデによっては長いスキーをはいているスキーヤーより多いのかと思うほどよく見かける時すらあります。4,5年前までならゲレンデでショートスキーを見かけることなどほとんどなかったので、ショートスキーを履いている人は少し変なものを見るような視線を感じることもあったはずですが、今や完全にスキー、スノーボードに次ぐウィンターギアとして認知された感があります。
自称ショートスキー普及振興家の私としてはとても喜ばしい光景です。
老いも若きも上手も下手もみんなショートスキーをやりましょう。


ビンディングのサイズは自由自在

大部分のショートスキーが、簡単にビンディングのサイズを変更できます。
すでにスキーをしている人でマイブーツを持っている人はショートスキーの板を買うだけでOKです。調整できるサイズにも限度があるので、極端にサイズが小さい場合や大きい場合は注意が必要ですが、ブーツを買う時にサイズがあう商品の在庫を探すのに苦労したなどの経験がない人は問題ないでしょう。
「自分が使うのにサイズなんか変更できても意味がないのでは?」と言われればそのとおりですが、これが予想以上に重宝します。相当なスキー狂であればいつでもどこまででも一人でスキーに行ってしまいますが、大抵の人たちは友達などと一緒にスキーにいきます。(レジャースキーの大原則です。)
ショートスキーを仲間に貸したり、借りたりできることで楽しさは倍増です。

友達にショートスキーを借りる

ショートスキー初体験

楽しくてはまる

マイショートスキーを購入

別の友達と一緒にスキーに行った時に貸してあげる

その友達もショートスキーにはまる
↓ 

といったようにショートスキーの輪が広まったりもします
自分の板を持っている人も他の板を試乗できるケースも増えていいですね。


ショートスキーの醍醐味

ショートスキーの醍醐味はさまざまで一言では言いきれませんと本来なら書くところですが、ここでは一言で言ってしまいましょう。
『肩の力を抜いてスキーに行ける!』
これにつきると思います。
滑りのフォームにうんちくをたれる人もほとんどいません。
両手をブンブン振り回して滑るも良し、スケートのように滑るも良し、クルクル回りながら降りてくる人だっています。ストックは持たない人が多いと思いますが、持っても良いでしょう。
滑り方についてはなんでもありなのです。
堅苦しくて窮屈なロングスキーから解放されたい時こそショートスキーの醍醐味が見えてきます。


練習用に使うも良し、ショートスキーの王道を行くも良し

ショートスキーはとっつきやすく操作も比較的思いのまま行いやすいのはこれまで説明したとおりですが、スキーの基礎操作技術が備わっていて、ある程度以上滑れる人にとっては難しい一面もあります。
それはバランス感覚やポジショニングです。
板が短いというのも一長一短で短くなるほど操作性が増す分、安定感が悪くなりバランスも取りにくくなります。同じ斜面を滑るのでも長いスキーを使うのとショートスキーを使うのではスキーヤーの感じ方は大きく違います。長いスキーではそれほど気にならない雪の塊や誰かが転んだ跡などの小さな雪面の変化をショートスキーを履いて滑る時は敏感に感じるように思います。
長年普通のスキーのみに乗ってきた人は最初のうちは戸惑うかもしれません。
私の場合も元々長いスキーをやりながら興味本位でショートスキーの世界に足を踏み入れたクチなので最初は戸惑いました。しかし半日ぐらい滑るとその違和感も薄れてくるはずです。
実際スキーで滑る時は前後左右に重心が移動しますが、基本ポジションはスキーのセンターです。その点ショートスキーの場合は板が短いので普通に滑っている状態がセンターに乗っているようなものです。
そこを利用して長いスキーのポジション練習としてショートスキーを使う人も大勢います。
ショートスキーを始めるきっかけや目的としてもそれが多くを占めるはずです。
このことについては賛否両論の意見があり、長スキーの練習としてショートスキーが本当に効果的かどうかはわかりません。
私個人の意見としては使い方によっては練習用としてもかなり効果的なアイテムだと思います。
ショートスキーをポジション練習用に使うレッスンも実際に存在するようですし、それはそれで有りだと思います。
ちなみに跳ばない!!ショートスキー道のコンセプトから言うと、「ショートスキーは純粋にショートスキーの楽しみのために使うのが王道」でしょう。


跳ばない!!ショートスキー道流 滑り方心得

 ショートスキー命と極端に熱くならないこと。
あまりむきになりすぎるとショートスキー本来の楽しさを見失います。気楽にいきましょう。

 跳ばないこと。
ショートスキーはスノーパークで遊んだりエアトリックを決めたりすることも前提で売り出されているものです。当然跳んだり跳ねたりして遊ぶと楽しいです。しかしながらやっぱり跳ぶと危ないです。足が比較的自由に動かせて板も短いために飛び出しの時の安心感はありますが、板が短いぶん着地がとても難しいです。身体が遅れて後傾になるとお尻を強打するし、前につんのめったらもっと悲惨なことになります。
個人的な意見としてはショートスキーでは跳ばない方が良いと思います。(飛び系を否定しているわけではありませんので、跳ぶのが好きな人はここは読まずに自己責任のもと安全にこれからもぶっ飛んでください。)

 他人の滑りにはうんちくをたれないこと。
どんな滑り方をしていても他人の滑りには余計な口出しをしないであげてください。ショートスキーとは自由奔放に型にはまらず楽しむものです。
しかしながら短いだけで普通の長いスキーと構造は同じですので、基本的な操作方法も同じです。スキー技術が高い人は当然ショートスキーも上手に乗りこなすはずなので、頼まれた場合はしっかりスキーの基礎的な操作技術を指導してあげてください。

 一緒に行った友人にはショートスキーを貸してあげること。
ショートスキーは本当に楽しいスポーツです。どうせなら一緒に行った友人も巻き込んで楽しさを共有しましょう。


ゲレンデで快適ショートスキーを楽しむために

基本的なショートスキーの特徴や特性、心がけなどがわかってきたところで、ここからはショートスキーをより快適に楽しむためのちょっとしたワザを紹介します。
私自身が実際にショートスキーで遊ぶ時に行っていることなどが中心です。
実際にゲレンデに出てみると普通のスキーにはないショートスキーならではの大変さもあります。特に初めてショートスキーをする人は予備知識として読んでおいてもらうと損はしないはずです。
あくまで「ちょっとした知恵袋」です。あまり大きな期待を持たないでおきましょう。
「なんで初めてなのにそんなことまで知ってるの?すごい、見直した!」と友人から言われるような裏技ではありません。
ちょっぴりだけ便利、ゲレンデで恥をかかない、さりげなくスキー経験者に見えるなどの多少の効果はあると思います。


ショートスキーのカッコイイ持ち方

ゲレンデで重ねた二本のスキーを肩に担いでいる姿をよく目にします。スキーではこのような持ち方が通の持ち方とされていますが、ショートスキーの場合はどうでしょう。
ショートスキーでは板が短いので肩から担いでもさまになりません。また、スキーストッパーがないのでスキー板同士に引っ掛かりがなく、上の板がすべり落ちてうまくいきません。(簡易型のビンディングの場合です。)かといってただ単にスキー板を重ねて両手で持つだけでは芸がありません。
そこで私のショートスキーの持ち運び方を紹介しますのでよかったら試してみてください。
私も短い距離であれば片手に一本づつ普通に持っていきますが、少し長くなると手がしんどくなってきます。そこでお互いのスキー板のリーシュコードを繋げてそのリーシュコードを肩からかけてハンドバックを持つようにしています。一方の板のリーシュの雄をもう一方の板のリーシュの雌に挿します。そうして一本になったコードを首や肩から掛けるのです。
どんな状態かわかるでしょうか?見てもらうと簡単なことなのですが文章にするときちんと伝わるかが疑問です。機会をみつけて画像も掲載しますので、こうご期待。
このときに注意して欲しいのはスキーのエッジです。きちんとチューンナップされてピンピンに尖ったエッジのショートスキーではウェアなどをエッジで切り裂いてしまう可能性があります。私はこの持ち方で今まで一度もどこかを切ったということはありませんが、心配な人はスキーバンドなどでショートスキーを重ねて留めておくと良いでしょう。
ショートスキーはストッパー付きのスキーのように重ねておくことが難しいのでスキーバンドはなにかと役に立ちます。高いものでも1000円程度のものなので買っておくと良いでしょう。


ショートスキーをスムーズに履く方法

バッチンと履き込むだけで良い通常のビンディングと違いショートスキーの簡易的なビンディングは履くのに少し手間がかかります。
慣れてくればスッとできるようになってきますが、これが最初はなかなか手強いんです。最初に板を履く足はもう片方の足で支えながらできるのですが、後に履く側は両足とも板の上にあるのでツルツル滑ってなかなか履きづらいです。最初のうちは誰でもそうです。
友達と一緒に行っているのであれば友達に手伝ってもらったり、片足を履き終えたあと履いた方の足の膝を立てて滑らないようにしてから次の足を履くといった方法を取ると良いでしょう。
ビンディングの調整についても最初の購入時は自分のブーツサイズがわかっていれば、店員さんにきちんとあわせてもらうのが良いですが、ショートスキーは他人が使うことも多く、サイズを変えなければならないケースも出てくると思います。そういう時のためにも自分で調整はできるようにしておきましょう。
ビンディングの調整方法と基本的な履き方は下記のとおりです。

ビンディングの調整方法(サロモン社スノーブレードの場合)
1.まずは自分の履いているブーツのソールサイズを調べます。(大抵ブーツの底や横などに書いてます。書いてない場合は、ブーツの裏を定規で測って下さい。)
2.説明書に書かれているブーツサイズ対応表でビンディング位置の組合せを調べます。
3.ビンディングの横に数字やアルファベットが書いてますので、対応する組み合わせに合わせて下さい。対応表の組み合わせはあくまで参考値だそうです。きつかったり緩かったりする場合は前後一つぐらいずらして調整しても問題ないと思います。ビンディングのアジャスト金具を引き抜いてから合わせます。
4.アジャスト金具を差し込み、実際にブーツを取り付けて、きつすぎたり緩すぎたりしなければこれで調整完了です。買い換えしないかぎりブーツソールのサイズはかわらないので、調整できた段階で自分にフィットするビンディングの位置の組み合わせにマーカーなどでチェックしておくとゲレンデで変更して元に戻す時などに便利です。

ショートスキーの履き方
1.ショートスキーを履く時はまず最初にブーツと板に付いた雪をしっかり落として下さい。(ブーツの裏などに付いた雪が原因でなかなか履けない場合があります。)
2.ビンディングの後側の金具を上げて、ブーツのカカトの位置と合わせて引っかけます。
3.ビンディングの前側の金具に付いている取っ手(プラスティック製)を持ち、広いところをブーツの爪先に当てて取っ手を自分の方に引きつけます。テコの原理で締め付ける要領です。
4.もう片方の足についても同じようにしてブーツをビンディングにセットします。
5.最後にリーシュコードを自分の足に取り付けて完成です。必ず板を履いたときにリーシュも付ける癖をつけておいて下さい。後からやろうと思うのは忘れるもとです。


ショートスキーのスケーティング

ショートスキーでのスケーティングは見た目以上に大変です。特にストックを持たずに滑る時はその大変さを実感すると思います。
平坦な場所や登りの斜面が続くとスケーティングの時にどれだけストックに頼っていたかわかるでしょう。
ショートスキーは滑走面が少ない分長いスキーと比べると滑走性が劣るのは仕方のないことです。板が短くバランスがとりにくいので、スイー、スイーと長い時間板に乗って優雅なスケーティングをするのは難しいです。スイッ、スイッといった感じです。
スケーティングについてもなにか楽な良い方法はないかと模索していますが、今のところ「これはイイ!」というようなちょい技は発見できていません。なるべく力を使わなくても滑れるように練習してがんばって滑るより他ないと思います。
リフトの乗り継ぎやコースレイアウトなどがしっかり計画されたスキー場を選びましょう。ショートスキーヤーにやさしいスキー場についても今後研究していく予定です。


ショートスキーのリフト待ち

ショートスキーはストックを持たずに滑ることが多いのでリフト待ちが大の苦手です
近年スキー場の整備も随分整い、リフト乗り場もきれいに整地されたところが多くなっていますが、多少の傾斜はどこに行ってもあります。スキー場が空いている時は良いのですが、混雑していてリフト待ちの列ができている時は困ったことになります。
スキー板を履いていると滑りたくないと思っていても傾斜があると滑ってしまいます。これは物理現象なのでどうしようもありません。ストックを持っていればそのストックで支えてなんとか滑らないようにごまかします。長いスキーを使っているスキーヤーはリフト待ちの時は皆そうしています。
行列で渋滞している最中に前や後ろに勝手に板が進み出したらどうなるでしょう。後ろの人の板を踏んでしまったり、前の人のお尻に抱きついてしまったりするのがオチです。列の中で他人を巻き込んで倒れ込むような醜態だけは避けたいものです。
そこでショートスキーでリフト待ちをする時にはそれなりの準備と対策が必要です。
まず通常考えられる方法としては、勝手に滑り落ちていくことを避けなければいけないので、エッジを立てることができる体勢をとることです。具体的に言うと板をハの字にする、もしくは傾斜に対して垂直にします。
この方法で問題は解決しますが、リフト待ちの列は基本的に進行方向に向かってみんな同じ向きで整列しているので、一人で二人分のスペースを取ったり、自分だけ横を向いているといったことになります。
いくらスキーが短いからといって、邪魔者扱いされること間違いなしなのであまりおすすめできません。
私の場合はストックを持った友人が近くにいればストックを一本借りてそれを支えにします。
一人の場合やリフト待ちがかなり長くなりそうな時はいったんショートスキーを脱いで手で持ったまま待ちます
長いリフト待ちの時は絶対脱いでしまった方が楽です。一回脱いでしまうと次に履くのが大変ですが、少しずつしか進まないので乗り場が近づいてきてからでも履くチャンスはあります。私はいったんスキーを脱いでしまうと列の中でもう一度履き直すのは気も焦るのでショートスキーを持ったままリフトに乗ります。(歩きでリフトから降りる時は危ないので注意してください。)
片足だけ脱いで待つのも良い方法です。私はほとんどこの方法を使います。
列が前に進んだ時は片足を上げてスーと滑れば良いですし、履き直すのも1本であればすぐできます。
しかし、まったくの初心者さんには少し難しいかもしれません。片足でも平坦なところであれば滑れるようになってから試してみてください。余計に危ない状態になる可能性もあるので、初心者さんには両足とも脱いでしまう方法をおすすめします。


リフトから降りる時

リフトから降りる時に降り場と座席の間にストックを挟んで曲げてしまう人をたまに見かけます。
ショートスキーではストックを持たずに滑ることが多いので、そういう心配はあまりありません。その代わりという訳ではありませんが、降りぎわにちょっとだけ注意してほしいことがあります。
降り場付近ではリフトのスピードは遅くなりますが、リフトから降りるためにはそれより速いスピードで前に進まなければなりません。(あたりまえです。)
通常ならストックを突いて前に滑りますが、ストックがない場合は両手で座席の端を軽く押してあげると楽にリフトから降りることができます
自分の乗ってきたリフトから逃げ切れずにもう一度乗せられてしまい一人ぼっちで下山するのは本当にむなしくて淋しいです。一気にテンションが下がるのでくれぐれも気をつけましょう。
また、両足とも板を脱いでリフトに乗り込んだ人は特に気をつけてください。リフト降り場の係員さんに一端リフトを止めてもらうか、それが嫌ならがんばって走るしかありません。


ショートスキーの転び方

ショートスキーではスキーやスノーボードではあまり考えられないようなちょっとした穴のようなところに足を取られて大転倒することがあります。
しかも転ぶときはスキーでよくある後傾や内倒からくるようなものもありますが、足を取られた反動で前につんのめって顔面からいってしまったりします。
胸や顔から雪面に突っ込むような時は自分ではどうなったのかわからないことがほとんどです。私もすごい転び方をしたことは何回かありますが、そういった時は頭の中は真っ白でどうやって転んだかは後から考えてもわからないことが多いです。
そうなってしまうと怪我をするかしないかは運としか言いようがありません。アドバイスをするとしても柔軟体操をしっかりして身体をやわらかくしておくことぐらいのものです。
しかし、スキーで転倒する時は転びながら自分が今どういった状況になっているかが判断できることの方が多いと思います。
案外そういった場合の怪我は経験や知識があれば防げるケースがあると思います。
最も危ないのは解放機能を持たないビンディングが付いているショートスキーで勢いよく転んだ時に、ショートスキーが外れずに斜面や板同士が引っかかることです。こういったケースで足の筋を切ったり骨折したりすることが多いようです。
転んだ時に真っ先にやらなければいけないことはスキー板が絡まらないようにすることです。そのためにはとにかく足を上げることが大切です
雪面に板が接触しなければ大怪我をすることはないでしょう。
加えて言うなら首は自分のおへそを見るように曲げて後頭部を強打しないようにします。ストックを持たずに滑ることが多いので手は比較的自由が利きますが、あまり手で突っ張ってなんとかしようとすると逆に腕や指を骨折するはめになります。
その時の状況に応じて怪我のやり方も様々で安全な転び方というものはありません。一般的に考えられる転び方の一つの例として考えて下さい。


ワイヤーロックなどの鍵を掛ける癖をつけましょう

せちがない世の中です。みんなレジャーにきているはずのスキー場でさえ盗難事件が頻繁におこっています。
ショートスキーを持っていく時にはワイヤーロックなどの鍵を盗難防止のために用意しておいたほうが良いと思います。はじめから物を盗ろうと決めてスキー場に来ている泥棒さんには道具さえあれば簡単に切断できるワイヤーロックは何の役にも立ちませんが、わざわざ盗難防止対策ができている板を狙わなくてもほかにもスキー場にはたくさんの板があります。少しは効果はあるでしょう。
また、悪気がなくても同じ板を間違って持って帰られる場合もあります。
ショートスキーは誰の足にもあわせられるようにビンディングに調整機能がついたものがほとんどです。長いスキー板であればちょうどブーツソールのサイズがあわないとはけませんが、ショートスキーならちょっと調整するだけで自分のものとして使うことができてしまいます。
面倒くさいですが、ロッジで休暇する時などはこまめに鍵をかけるようにしましょう。
そういっている私がきちんと鍵をかけているかと言うと、お恥ずかしながらいまだワイヤーロックの購入には至っていません。しかし、かわいいショートスキーを全く無警戒に放置してる訳ではありません。
私の場合は友達と複数人でスキーに行くことが多いので、休暇をとる時は友達と片方の板を交換して違う種類の板同士をセットにしています。組違いにセットしておくと盗難しても使い物にならないので狙われにくくなります。
厳重にワイヤーロックまでする必要はないのではと思う人は試してみてください。せっかく板を互い違いにしても近くに置くとあまり意味がないので、目の届かないちょっと離れた場所に置くと良いでしょう。
あまりお勧めは出来ませんが、裏技として店内に持ち込むという方法もあります。自分の手元に置いておけばまず盗られる心配はありません。
長いスキーであれば間違いなくNGですが、店内に邪魔にならないところに置けるスペースがあるロッジなどではきちんと雪を払っておけば置かせてくれるところもあります。くれぐれもお店の人に了解を得ずに持ち込まないでください。


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