次にボリュームにアナログテスターの抵抗レンジで回転角度と抵抗値の様子を調べると明らかにガリオームの状態になっていましたので、新品に交換することにしました。ボリュームは1KΩのBタイプです。Bタイプは回転角度に対して抵抗値が直線的に変化します。
交換した部品です。ダイオードは壊れていました。トランジスタは念のための交換です。
2SC1346の放熱板が再利用できなかったので2SC3051を使用し、放熱板は使用しませんでした。hFEは低目でしたが問題ありませんでした。
VictorのJL-B51は8極24スロットDCサーボの駆動モーターを使用したダイレクトドライブのターンテーブルです。プラスチックケースが多い中、このモデルの筐体はブナ材41層60mmの厚さで重厚感があります。
ピックアップボードは7mm厚のアルミ合金で剛性があります。
右の図は発振に関する部分を中心にドライブ回路を抜粋したものです。
TR1のコレクタにはLCタンク回路があり、その3つの2次側には位相の異なった信号が出てダイオードで検波されTR9からTR11を位相に応じてドライブします。
リード線の取出し口です。
中央の穴の中には小さい剛球が入っています。分解して裏返したときに転げ落ちますので注意が必要です。
極数が多いほど強力ということになります。
モーターのステーターです。8極24スロットです。1周に24個の電磁石があり、3個ずつペアになって3相ドライブしているということです。
これが混乱の入口でした。他サイトの写真を参考したりしましたが、うまくいきませんでした。そこでリード線を全て外し基板及び部品ののチェックを行いました。
その結果、半田タッチが複数個所見つかり修正しました。部品においては駆動コイルに使用しているダーリントン接続の2SA564と2SC1346の3ペアを2SA1015と2SC3051に交換しました。
2SC1346に付いていたアルミの放熱板は再生できませんでしたので大き目の2SC3051を使用しました。また、この回路に使用されていたダイオードはゲルマダイオードでしたが3個破壊されていましたので手持ちの1N60に交換しました。
裏付けのリード線については、最終的にはモーターコイルの結線状況をテスターで調べリード線の色分けを確認しました。
回路は全てディスクリート部品で構成されています。
リード線の取付は、一部は基板の部品面から取り付けていますが、他は全てパターンにチョン付です。
この基板はモーターからの配線はパターンへのチョン付けが多く、信頼性の面からは宜しくないと感じました。そのチョン付の部分は新たに全て半田を付け直しました。その後、再組立てを何度か繰返してるうちにモーターが異常回転したり止まってしまうようになってしまいました。裏付けのリード線が外れることが多く一度に複数個所外れてしまったこともありました。
モーターを3相ドライブしているトランジスタのコレクタの波形です。上は1C、下は3Cです。
確認するとボリュームで同期が簡単に取れるようになり復旧しました。ボリュームのガリオームも原因のひとつのようでした。
電源基板には電解コンデンサが3個載っていましたので、この電解コンデンサの静電容量の抜けを疑いました。電解コンデンサはC102、C103、C104の3個で其々470uF/50V、100uF/35V、470uF/35Vです。電解コンデンサは自作の電解容量計で測定した結果496μF、96μF、528μFで正常の範囲でしたが経年品ですので交換しました。
外したボリュームを調べると抵抗面が損傷していました。これがガリオームの原因です。
モーターの裏には円形の制御基板があります。これにボリュームがつながっています。電解コンデンサは8個載っています。8個の電解コンデンサの静電容量は100/25、100/16、10/16が2個、4.7/25が4個載っています。いずれも無条件で交換することにしました。
ストロボスコープはターンテーブルの裏側に4つの同心円上にドットが印刷してあり、これに商用周波数で点滅したネオンの光が当たり反射鏡を通じて見えるようになっています。同期した同心円のドットが止まって見えます。ストロボの光源であるネオンランプは12KΩ2Wの抵抗を介してAC100Vに直接つながっています。
回転数が異常でボリュームでシンクロ調整ができなくなってしまいました。
回転数の微調整は商用周波数とターンテーブルの裏に円周状に刻印されたドットでストロボ調整するようになっており、ボリュームで発振周波数を変化させています。発振周波数の調整は回転数毎にボリュームで行います。ボリュームは1KΩB型が2個で、33回転と45回転のシンクロ調整用です。
ローターはこのようにリング状の磁石になっています。