HARRIS デジタル電圧計

 昔、秋葉原の秋月で購入して組み立てた電圧計キットがありましたので、リニューアルがてら機能を追加しました。この電圧計はインターシルのICL7136を使用した3・1/2桁で006Pの9Vのアルカリ電池で連続3か月使用可能というふれこみです。今回、追加した機能は小数点の表示です。レンジ切換にロータリースイッチを使用したかったのですが、入手できなかったので基板用のソケットとピンを使用しました。この電圧計は、素の状態ではDC200mVがフルスケールですので、抵抗による倍率器をつけてMax2,000Vまで測定できます。ただし、説明書では500Vまでと記載してあります。リニューアル作業の前にこのキットの倍率器について確認をします。
下図は倍率器の回路構成です。6個の抵抗の合計は11,111,111Ωです。2Vレンジでは1,111,111/11,111,111=0.1  20Vレンジは111,111/11,111,111=0.01  200Vレンジは11,111/11,111,111=0.001  2000Vレンジは1,111/11,111,111=0.0001となり其々10倍、100倍、1000倍、10000倍となり電圧測定範囲が広がることになります。これを倍率器もしくは分圧器とか言います。このような理屈ですから抵抗値の精度が重要になります。このキットに付属されていた抵抗は金属皮膜抵抗で誤差±1%、温度係数50ppmです。

 

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この基板コネクタを差し替えてレンジ切換をします。

ICのBPからの波形です。
周波数50Hzの矩形波です。

100均のプラケースにぴったりと
収まりました。

電池は長持ちするとはいえもったいないので電源スイッチをつけます。

40PINの波形で約34KHzです。

ドットを表示した状態です。

レンジの切換はローターリースイッチが
なかったので2段のメスコネクタを使用
しました。

 ここからいよいよ作業にとりかかります。小数点のドットを表示させるため液晶のドットの端子にICのBPをMOSFETを介して加えます。直流を印加するとドット表示が焼き付いてしまうのを防止するためです。MOSFETはありあわせの2SK310を使用しましたがパワーを食いませんので小型のもので十分です。ただしジャンクション型を使うと全体が動作しなくなります。